離れて暮らす親の家、帰省したときに何を見る?
相談先と見守りのしくみ
お盆や連休に帰省して、久しぶりに親の家に泊まる。そんなときに「玄関の段差が気になる」「夜、トイレまでの廊下が暗い」と気づくことがあります。離れて暮らしていると、ふだんの様子が分からず、心配になる方も多いと思います。
この記事では、帰省のときに一緒に見ておきたい家の中の場所と、暮らしの変化に気づいたときの相談先、市町村の見守りのしくみを紹介します。沖縄の市町村の案内を例にしているので、お住まいの市町村のしくみは、市町村のホームページや窓口で確かめてください。
家の中で、転びやすい場所を一緒に見る
消費者庁によると、65歳以上の方が転んだ事故のうち、およそ半分(48%)は自宅で起きています。住み慣れた家でも、気をつけたい場所があるということです。
自宅で転んだ場所として多かったのは、次の5つでした(消費者庁、令和2年10月の発表)。

転び方は「すべる」「つまずく」が多く、次に「ぐらつく」「ベッドなどから移るとき」が続きます。消費者庁は、次のような点に気をつけるよう呼びかけています。
- 浴室や脱衣所には、すべり止めのマットを敷く
- 寝起きや夜のトイレで、ベッドから起き上がるときや体の向きを変えるときは、ゆっくり動く
- 段差のある所や階段、玄関には、手すりやすべり止めを付ける
- 電気のコードが通り道にこないように、電気製品を置く
政府広報オンラインでも、場所ごとに次のような確かめ方を紹介しています。
- 居間:電気のコードは通り道を避ける。めくれやすいカーペットの下にはすべり止めを敷く。1〜2cmの段差もつまずきやすい
- 玄関:手すりを付ける。玄関マットの下にすべり止めを敷く
- 廊下・階段:足元がよく見えるように照明を明るくする。すべりやすい靴下やスリッパは使わない
- 浴室:入口の段差が高いときは、すのこやスロープで段差を小さくする。すべりにくい床にするか、すべり止めのマットを敷く
帰省したときは、親と一緒に家の中を歩いてみてください。夜の廊下の明るさや、コードの位置、玄関の段差など、一緒に歩くと気づくことがあります。「危ないから」と決めつけず、「ここは使いにくくない?」と聞くと、話しやすくなります。家の中で今日からできる工夫は「家の中で転ばないために、今日からできることは?」で紹介しています。
暮らしの変化に気づいたら、地域包括支援センターに相談する
「前より外に出なくなった」「家の中の動きがゆっくりになった」など、暮らしの変化に気づいたときの相談先が、地域包括支援センターです。厚生労働省の説明では、地域包括支援センターは市町村が作る相談の窓口で、高齢の方の総合的な相談や、介護予防の支援などを行います。
沖縄の市町村の案内では、たとえば次のようになっています。
- 宜野湾市:日常生活圏域ごとに4か所。住む地区で担当が決まっています。相談は無料です
- 那覇市:市内に18か所。町ごとに担当が決まっています
- 沖縄市:地域ごとの地域包括支援センター(地域型)が7か所と、基幹型が1か所。自治会ごとに担当が決まっていて、分からないときは基幹型に問い合わせます
- うるま市:日常生活圏域ごとに置かれ、高齢の方やご家族などの相談に応じる「総合相談窓口」としています
介護保険のサービスを使うには、要介護認定(介護がどのくらい必要かを市町村が決めること)の申請が必要です。宜野湾市やうるま市の案内では、申請はご本人やご家族のほか、地域包括支援センターなどに代わりにしてもらうこともできるとしています。申請の流れは「要介護認定はどう申請する?」をご覧ください。

市町村の見守りのしくみ(緊急通報など)
ひとり暮らしの親が心配なときは、市町村の見守りのしくみも調べておきましょう。たとえば、家で急に具合が悪くなったときに、ボタンひとつで通報できる「緊急通報システム」があります。
- 宜野湾市:おおむね65歳以上で、体が弱いひとり暮らしの方などが対象です。ペンダントか本体のボタンを押すと通報センターにつながり、あらかじめ登録した協力員(ご親族など)を通して、救急車の手配などをします。機器の設置やレンタルの費用は市が負担します。固定電話(アナログ回線)が必要で、申し込みはお住まいの地区の地域包括支援センターに問い合わせます
- 浦添市:65歳以上で体が弱いひとり暮らしの方などが対象です。月に1回の定期の電話のほか、ドアなどのセンサーで24時間動きがないときに確認する見守りもあります。センサーにカメラやマイクは付いていません。令和5年度から、固定電話がなくても使えるようになりました
宜野湾市の案内では、申し込みに、協力員(1人以上。親族など)の登録や健康診断書、借家なら家主の承諾書などが要るとしています。ご家族が協力員になることもあるので、帰省のときに話しておくと進めやすくなります。
対象や条件は、市町村によって違います。親がお住まいの市町村の高齢者福祉の窓口か、地域包括支援センターに確かめてください。
※ 窓口や書類は変わることがあります。お住まいの市町村の窓口か、ケアマネジャーに確かめてください。ひとり暮らしの住まいの工夫は「ひとり暮らしでも安心して過ごすには?」でも紹介しています。
契約のトラブルにも気をつける
国民生活センターには、訪問販売によるリフォーム工事で「契約をせかされて、いらない工事をした」といった相談が寄せられています。点検に来たと言って訪ねてきて、「工事をしないと危険」などと言って契約させる「点検商法」の相談もあります。
訪問販売で契約したときは、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内なら、書面か電子メールなどで契約をやめられます(クーリング・オフ)。困ったときは、消費生活センターに相談できます。沖縄県の消費生活センターでは、契約のトラブルの相談を電話か来所で受け付けていて、相談は無料です。
帰省したときに、最近だれかが家に来て工事をすすめていないか、聞いてみてください。くわしくは「突然の訪問で住まいの工事をすすめられたら?」をご覧ください。
帰省のあいだに、親と話しておくこと
離れているあいだも安心して過ごせるように、帰省のあいだに次のことを話しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
- 家の中で困っていること、使いにくい場所
- 担当の地域包括支援センターの名前と連絡先
- ケアマネジャーがいるかどうか(いれば連絡先)
- 急に具合が悪くなったときの連絡の順番(紙に書いて、電話の近くなど親もすぐ見られる所に置いておく)
- 家の持ち主(工事をするときに承諾が要ることがあります)
手すりや段差の工事は、要支援・要介護の認定を受けていれば、介護保険の住宅改修(介護保険を使った住まいの工事)を使えます。工事の前に、市町村への申請が必要です。
かなさホームでは、介護福祉士と福祉住環境コーディネーターの資格を持つ担当が、ご本人の暮らし方をうかがいながら、住まいの工夫をご提案します。現地調査とお見積りは無料です。沖縄本島に対応しています(離島はご相談ください)。ご家族からのご相談も、お問い合わせから受け付けています。
よくある質問
答え:市町村が、地区ごとの担当を案内しています。たとえば宜野湾市は住む地区ごとに4か所、沖縄市は自治会ごとに担当が決まっています。市町村のホームページか、介護保険の窓口で確かめてください。
答え:できます。宜野湾市やうるま市の案内では、ご本人やご家族のほか、地域包括支援センターなどに申請を代わりにしてもらうこともできるとしています。
答え:はい。沖縄市やうるま市の案内では、地域包括支援センターは、高齢の方ご本人だけでなく、ご家族からの相談にも応じる窓口とされています。
参考にした情報
- 10月10日は「転倒予防の日」、高齢者の転倒事故に注意しましょう!(令和2年10月8日)(新しいタブで開きます)
- たった一度の転倒で寝たきりになることも。転倒事故の起こりやすい箇所は?(新しいタブで開きます)
- 地域包括ケアシステム(新しいタブで開きます)
- 地域包括支援センターのご案内(新しいタブで開きます)
- 那覇市地域包括支援センター(新しいタブで開きます)
- 地域包括支援センターのご案内(新しいタブで開きます)
- 地域包括支援センターとは(新しいタブで開きます)
- 要介護認定・要支援認定(新規・更新)申請書(新しいタブで開きます)
- 介護サービスを利用したいとき(介護認定の手順)(新しいタブで開きます)
- 緊急通報システム設置事業(新しいタブで開きます)
- 緊急通報システム事業とは(新しいタブで開きます)
- 訪問販売によるリフォーム工事・点検商法(新しいタブで開きます)
- 訪問販売(特定商取引法ガイド)(新しいタブで開きます)
- 消費生活センターの電話番号・場所・業務時間(新しいタブで開きます)