台風の前に、介護が必要な家族のために何を備える?
停電と避難の準備
沖縄の夏から秋は、台風の季節です。介護が必要な家族と暮らしていると、停電したらどうするか、避難するときにどう動くかなど、気になることがたくさんあります。
この記事では、台風の前に家のまわりで確かめること、停電や断水への備え、避難に手助けが要る方のための市町村のしくみ、台風のあとの住まいの点検を、沖縄県と国の資料をもとにまとめました。電気を使う医療の機器を使っている方は、停電のときの対応を、かかりつけの医師や機器の事業者に前もって確かめておいてください。
台風の前に、家のまわりで確かめること
気象庁の平年値(1991〜2020年の平均)では、沖縄地方に近づく台風は、1年に7.7個です。毎年のように備えが必要になります。
沖縄県の案内では、台風が来る前の対策として、次のことを挙げています。
- 雨戸や板などで、窓を補強しておく
- 窓ガラスに布テープなどを貼り、カーテンやブラインドを下ろしておく(割れたガラスでけがをしないように)
- 大雨で家に水が入らないように、まわりの側溝や排水溝を掃除しておく
- 風で飛ばされそうな物は、固定するか、風の当たらない所に移す
- お住まいの地域の避難場所を確かめておく(分からないときは市町村に確かめる)
沖縄県の家づくりの手引書によると、窓ガラスは風の力や飛んできた物で割れることが多く、割れると部屋に強い風が吹き込んで、壁や天井、家具にまで被害が広がります。手引書では、窓ガラスを守るために、雨戸・シャッター・防風スクリーンやネットを使うこと、ガラスに飛散防止のフィルムを貼ることが紹介されています。防風スクリーンを付けるための金具を前もって付けておくと、取り付けやすくなります。エアコンの室外機も台風の被害が多いので、金具やワイヤーで固定しておくとよいとしています。

停電や断水に備える(備蓄・明かり)
沖縄県は、電気やガス、水道が止まったときに備えて、ふだんから水や食べ物を備えておくよう呼びかけています。
- 飲み水:3日分(1人1日3リットルが目安)
- 食べ物:3日分
- トイレットペーパー、カセットコンロなど
- 大きな災害のときは、1週間分の備えが望ましい
飲み水とは別に、トイレを流すための生活用の水も要ります。県の案内では、ポリタンクに水道の水を入れておく、お風呂の水をいつも張っておくなどの備えを勧めています。台風が長く続いて外に出られないときのために、食料品、飲み水、薬、カセットコンロ、携帯ラジオ、懐中電灯(電池)、衣類、貴重品などを用意しておくよう呼びかけています。
介護が必要な家族がいるときは、ふだん使う薬や介護に使う物も、数日分を多めに用意しておくと安心です。停電すると、夜は家の中が真っ暗になります。寝る所やトイレまでの道を照らせるように、懐中電灯を手の届く所に置いておきましょう。
非常用の持ち出し袋には、県の案内では、貴重品(通帳・印鑑・現金・健康保険証など)、救急用品(常備薬など)、懐中電灯・携帯ラジオ・予備の電池・携帯電話の充電器などを入れるとしています。介護保険の被保険者証や、お薬手帳の写しも一緒にしておくと安心です。
避難に手助けが要る方の名簿と「個別避難計画」
ひとりで避難するのが難しい高齢の方や障害のある方のために、市町村のしくみがあります。内閣府の説明では、次のとおりです。
- 避難行動要支援者名簿:災害のときに自分で避難するのが難しい方の名簿。平成25年の法律の改正で、市町村が作ることが義務になりました
- 個別避難計画:災害のときの避難の手助けを実際に役立つものにするために、名簿にのった方について作る計画。令和3年の法律の改正で、市町村が作るよう努めることになりました(努力義務)

名簿にのっているか、個別避難計画があるかは、お住まいの市町村の担当の課か、ケアマネジャー、地域包括支援センターに聞いてみてください。
沖縄県の案内では、台風が近づいてきたら、テレビやラジオの台風の情報に気をつけ、外に出ないこと、被害が出やすい地域の方は安全な所に避難することを呼びかけています。暴風のときに外に出るのは、飛んでくる物や風にあおられて事故にあうので、とても危険です。避難するときは、暴風域に入る前に早めに避難すること、火の元を確かめること、荷物は少なくして背負うこと、隣近所にも声をかけて一緒に避難することを勧めています。地域に体の不自由な方や高齢の方がいるときは、地域で協力して避難を手伝うよう呼びかけています。
※ 名簿や計画の進め方は、市町村によって違います。窓口や書類は変わることがあります。お住まいの市町村の窓口か、ケアマネジャーに確かめてください。
台風のあとに、手すりや窓を見直す
台風が過ぎたら、家のまわりを見て回りましょう。沖縄県の家づくりの手引書(附録)の点検表では、台風が通ったあとに目で見て点検する所として、次のような所が挙げられています。
- 玄関の扉・窓:すき間、開け閉めの具合、雨もり
- 雨戸・網戸:さび、建て付け、雨もり
- バルコニーのコンクリートの部分:ひび割れ、破損、床の水たまり
- エアコンの室外機
同じ点検表では、バルコニーの鉄やアルミの部分について、さび・腐食・破損・手すりのぐらつきを見る所として挙げています。台風のあとに見て回るときに、手すりもさわって確かめておくと安心です。
手引書では、台風や強い風のあとは、建物に付いた塩分を洗い流すこと(特に扉や窓のまわり)も勧めています。
外の手すりや段差は、雨と潮風で傷みやすい所です。ぐらつきや、さびに気づいたら、早めに相談しましょう。なお、介護保険の住宅改修は、古くなったことだけが理由の取替えは対象になりません(沖縄市のQ&A)。外の手すりの見直し方は「玄関の外や外階段の手すりは?」で紹介しています。
台風の季節の前に、ケアマネジャーや家族と話しておく
台風が近づいてから慌てないように、季節の前に、家族とケアマネジャーで次のことを話しておきましょう。
- 避難するか、家にとどまるか。避難するなら、いつ、どこへ、だれと
- 停電したときに困ること(明かり・暑さ・薬など)と、その備え
- 家族の連絡の方法と、連絡がつかないときの順番
- 介護サービスが止まったときに、だれが手伝うか
- 台風のあとに、だれが家のまわりを見て回るか
ひとり暮らしの方の備えは「ひとり暮らしでも安心して過ごすには?」でも紹介しています。
かなさホームでは、介護福祉士と福祉住環境コーディネーターの資格を持つ担当が、手すりや段差など住まいのお困りごとをうかがいます。現地調査とお見積りは無料です。沖縄本島に対応しています(離島はご相談ください)。ご相談はお問い合わせからどうぞ。
よくある質問
答え:市町村が作るよう努めることになっています(令和3年の法律の改正)。作り方や進み具合は市町村によって違うので、名簿にのっているかや計画があるかは、お住まいの市町村に聞いてみてください。
答え:沖縄県は、飲み水と食べ物を3日分(飲み水は1人1日3リットルが目安)、大きな災害のときは1週間分の備えが望ましいとしています。トイレを流すための生活用の水も別に用意しておきます。
答え:沖縄県の手引書の点検表では、玄関の扉や窓のすき間・開け閉めの具合・雨もり、雨戸や網戸、バルコニーのコンクリートの部分、エアコンの室外機などを、台風が通ったあとに目で見て点検するとしています。建物に付いた塩分を洗い流すことも勧めています。