ひとり暮らしでも安心して過ごすには?
緊急通報のしくみと住まいの工夫
ひとりで暮らしていると、家の中で急に具合が悪くなったり、転んで起き上がれなくなったりしたときのことが心配になります。そんなときに、ボタン一つで外に知らせるしくみを用意している市町村があります。
この記事は、ひとりで暮らすご本人に向けたものです。宜野湾市・浦添市・那覇市の緊急通報のしくみと、トイレ・浴室・寝室で知らせられるようにする住まいの考え方、相談先を、市や国の資料をもとに紹介します。
家の中で困ったとき、すぐに知らせるしくみ
市町村の「緊急通報システム」は、家に専用の機器を置き、困ったときにボタンを押すと、通報を受けるセンターにつながるしくみです。センターから、あらかじめ登録した協力員(親族など)を通して、救急車を呼ぶなどの対応をします。

対象になる方、電話の条件、協力員の人数、費用は、市町村によって違います。次の章で、3つの市の例を紹介します。
市町村の緊急通報システム(宜野湾市・浦添市・那覇市)
宜野湾市
宜野湾市の案内では、持病のあるひとり暮らしの高齢の方の急病や事故など、家の中での緊急のときに、ボタン一つで通報センターにつながるとしています。
- 対象:おおむね65歳以上の、体の弱いひとり暮らしの方や、高齢の夫婦だけの世帯でどちらかの体が弱い方など、いつも注意が必要な方
- しくみ:ペンダント型の送信機か、本体の緊急ボタンを押すと、通報センターにつながります。登録した協力員(親族など)を通して、救急車を呼ぶなどの対応をします。定期的な電話(定期コール)や相談もあります
- 電話:固定電話(アナログ回線)が必要です。光回線やインターネットの電話などでは、機器を付けられないとしています
- 費用:機器の設置工事、借りる料金、定期コールの料金は、市が負担するとしています
- 書類:申請書、協力員(親族など1人以上)、家に立ち入ることの承諾書、健康診断書、借家の場合は家主の承諾書、家の見取り図と道の地図など
- 窓口:お住まいの地区の地域包括支援センター
警備員がかけつけるサービスはない、とも書かれています。
浦添市
浦添市の案内では、ひとり暮らしの高齢の方などが、急病や事故のときに、簡単な操作で外に通報できる機器を置くとしています。
- 対象:65歳以上の体の弱いひとり暮らしの方、65歳以上の高齢の方だけの世帯でどちらかの体が弱い方
- 見守り:月1回の定期コールのほか、ドアなどに動きを感じるセンサーを付け、24時間動きがないときは、オペレーターが確かめます。センサーにカメラやマイクは付いていません
- 電話:令和5年度から、固定電話がなくても使えるようになったとしています
- 窓口:浦添市役所 いきいき高齢支援課。申請のあと、家への訪問調査があります
那覇市
那覇市の電子相談システム(よくある相談への回答の例。2024年9月の更新)では、緊急通報システム事業について、次のように回答しています。
- しくみ:体の弱いひとり暮らしの高齢の方などの家に、通報センターに通報できる機器を無料で貸し出します
- 電話:機器を使うには固定電話が必要です
- 協力員:近所の方2名の登録が必要です
- 費用:機器の貸し出しは無料ですが、使うときの通話料や電気料はかかるとしています
- そのほか:定期的に電話をかけて安否を確かめる「ふれあいコール事業」や、昼食を届けながら安否を確かめる「食の自立支援事業」なども紹介されています
申し込む前に、準備しておくこと
3つの市の案内を見ると、申し込みには、次のような準備が要ります。
- 協力員をだれに頼むかを決める(親族や近所の方)
- 家の電話の種類を確かめる(固定電話が要るか、どの回線なら使えるか)
- 医師の診断書を用意する(浦添市はかかりつけの医師に書いてもらう。宜野湾市は健康診断書)
- 借家のときは、家主の承諾をもらう(宜野湾市)
※ 対象や条件、窓口は、市町村によって違い、変わることがあります。お住まいの市町村の窓口か、地域包括支援センターに確かめてください。
トイレ・浴室・寝室で知らせられるようにする(国の指針)
国土交通省の指針(高齢者が住む家の設計の考え方)では、通報装置を、できるだけトイレと浴室に付けることが基本として示されています。推奨レベル(より望ましい形)では、トイレ・浴室・寝室に付けるとしています。同じ推奨レベルでは、寝室に火災警報器を付けることも示されています。

沖縄県の『風土に根ざした家づくり手引書』でも、浴室・寝室・トイレに、非常時に通報できるブザーを付けることを勧めています。トイレの扉は、外から簡単に鍵を開けられるようにすることも勧めています。
ペンダント型の送信機なら、家の中で身に付けておけます。お風呂やトイレのときにどうするかも、決めておくと安心です。
転ばない工夫と、夜の明かり
消費者庁によると、65歳以上の方が転んだ事故のうち、およそ半分(48%)は自宅で起きています。消費者庁は、転ぶのを防ぐために、次のことを勧めています。
- 浴室や脱衣所には、滑り止めマットを敷く
- 寝起きや夜のトイレで、ベッドから起き上がるときや体の向きを変えるときは、ゆっくり慎重にする
- 段差のある所や階段、玄関に、手すりや滑り止めを付ける
- 電気製品のコードが通り道にこないように置く
足元を照らすランプを増やす方法も、消費者庁は紹介しています。夜中にトイレへ行くときの通り道を、明るくしておくと安心です。
要支援・要介護の認定を受けている方は、手すりの取付けや段差の解消などの工事に、介護保険の住宅改修(介護保険を使った住まいの工事)を使えます。工事の前に、市町村への申請が必要です。
地域包括支援センターに相談して、使えるしくみを知る
緊急通報のしくみや、見守りのサービスは、市町村によって違います。まずは、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談してください。
厚生労働省によると、地域包括支援センターは、地域の高齢の方の総合的な相談や、権利を守る支援、介護予防に必要な援助などを行うところで、市町村が設けています。宜野湾市の案内では、地区ごとに4か所あり、相談は無料としています。
住まいの手すりや段差のことは、かなさホームにご相談ください。介護福祉士と福祉住環境コーディネーターの資格を持つ担当が、暮らし方をうかがいながら一緒に考えます。ご相談・現地調査・お見積りは無料です。介護保険でできる工事はできる工事で紹介しています。ご相談はお問い合わせからどうぞ。
冬のお風呂の備えは「冬のお風呂の事故を防ぐには?」で、火事への備えは「家で火事を出さないためには?」で紹介しています。
よくある質問
答え:市町村によって違います。宜野湾市の案内では、固定電話(アナログ回線)が必要としています。浦添市の案内では、令和5年度から、固定電話がなくても使えるようになったとしています。
答え:通報があったときに、対応を手伝う人です。宜野湾市の案内では、親族など1人以上の協力員を通して、救急車を呼ぶなどの対応をするとしています。那覇市の相談の回答では、近所の方2名の登録が必要としています。
答え:宜野湾市はお住まいの地区の地域包括支援センター、浦添市は市役所のいきいき高齢支援課が窓口と案内しています。ほかの市町村も、まずは地域包括支援センターにご相談ください。
答え:宜野湾市の案内では、借家の場合は、家主の承諾書が必要としています。ほかの市町村の決まりは、お住まいの市町村の窓口か、地域包括支援センターに確かめてください。
参考にした情報