台風のときだけ、窓の下の床がぬれる。窓の枠に、しみのような跡がある。窓まわりの雨漏りは、ふだんの雨では起きず、強い風をともなう雨のときにだけ起きることがあります。
この記事では、台風のときに窓から雨が入りやすいわけ、雨水の入り口になりやすい所、自分でできるお手入れ、直し方のちがいを、日本サッシ協会や沖縄県、住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)の資料をもとに紹介します。
台風のときに窓から雨が入りやすいわけ
窓のサッシには、雨水の入りにくさを示す「水密性能」があります。日本サッシ協会によると、水密性能は、雨をともなう風のときに、家の中へ雨水が入るのをどの程度防げるかを示す性能です。試験では、サッシに水を吹き付けながら、風の力に当たる圧力を加えて確かめます。
一般的な戸建て住宅の引違い窓は、JIS(日本産業規格)の等級でW-2かW-3です。日本サッシ協会は、この等級を気象の状況に置きかえると、おおよそ次のようになるとしています。

- W-2等級:1時間に240ミリの雨のときに、風速16メートル/秒ほどの風が吹いても、サッシから雨水が入らない
- W-3等級:同じ雨のときに、風速20メートル/秒ほどの風が吹いても、サッシから雨水が入らない
一方、気象庁は、最大風速(10分間の平均)がおよそ17メートル/秒以上の熱帯低気圧を「台風」と呼んでいます。台風が近づくと、窓に当たる風雨が、この目安に近い強さやそれ以上になることもあります。気象庁の平年値(1991〜2020年)では、沖縄地方に近づく台風は1年に7.7個で、7月から10月に多くなります。
下枠に水がたまるのは、不具合とはかぎらない
日本サッシ協会によると、強い風雨のときに、サッシの下枠に雨水がたまることがあります。これは水密性能を保つために必要なサッシのつくりで、不具合ではありません。不具合といえるのは、雨水が下枠をこえて、家の中へ流れ出たり、あふれ出たりすることです。
雨水の入り口になりやすい所
窓まわりの雨漏りは、サッシそのものから起きるとはかぎりません。住まいるダイヤルは、窓やドアのまわりと外壁が接する所は、ちがう部材の継ぎ目になるため、すき間ができやすいとしています。すき間ができると、雨水が建物の中に入る可能性が高くなります。

- サッシの下枠:強い雨のあとに、下枠をこえて水が家の中に流れ出た跡がないかを見ます
- 窓まわりのシーリング:シーリング(すき間を埋める、弾力のある材料)は、雨水が入るのを防ぐ大切な材料です。紫外線や日射の熱を長く受けると、はがれやひび割れが起こるため、定期的な手入れが必要です
- 窓の上の外壁:住まいるダイヤルの資料では、雨水が入った所と、家の中でぬれた所が離れていることもあるとしています。窓の上に庇(ひさし)がなく、窓や壁に雨が多くかかる家もあります
- 外壁のひび割れ:日本ペイントは、塗膜に割れが起こると、建物の素地(そじ)へ水が入るとしています。住まいるダイヤルは、モルタルの外壁では、窓やドアのまわりにひび割れがないかを確かめるとよいとしています
住まいるダイヤルの資料(新築の木造の戸建て住宅の雨漏りの事例をもとにしたもの)では、窓の室内側の枠の下のほうにしみがあるときは窓ガラスの結露の可能性が高く、上のほうにしみがあるときは雨漏りの可能性が高いとしています。結露との見分け方は「天井や壁のしみは雨漏り?結露?」で紹介しています。
自分でできるお手入れ
日本サッシ協会は、アルミサッシのお手入れの目安を、年に1〜2回ほどとしています。海岸の近くや交通量の多い道路沿いは、塩分や排気ガスでしみや腐食が進みやすいので、こまめにお手入れをします。台風のあとは塩分などが付きやすく、腐食の原因になるため、必ずお手入れをするよう呼びかけています。
- 表面の砂やほこりを、ていねいに取り除く
- やわらかい布かスポンジで水洗いする。落ちない汚れは、うすめた台所用の中性洗剤を布にふくませてふき取り、洗剤が残らないように水洗いしてから、乾いた布で水分をふき取る
- 下枠のレールにたまった砂やごみを取り除く。そのままにすると、汚れや傷、戸車(戸の下の車)の破損につながるおそれがあります
※ 窓やドアに、ホースや高圧洗浄機で勢いよく水をかけないでください。家の中に水が入るおそれがあります。シンナーなどの溶剤や、酸性・アルカリ性・塩素系の洗浄剤も、アルミを傷めるため使わないよう、日本サッシ協会が呼びかけています。
沖縄県の『風土に根ざした家づくり手引書』でも、台風や強い風のあとは、建物に付いた塩分を洗い流すこと(特に窓やドアのまわり)が勧められています。同じ手引書では、窓や玄関の建具は、すき間、開け閉めのしにくさ、腐食、雨漏りなどを、台風が過ぎたあとに目で見て確かめるとしています。窓枠のさびや、コーキング(シーリング)の不良も、台風のあとに見ておきたい項目です。
内窓(二重サッシ)の家は、雨が降る前に外側の窓を閉めて、かぎをかけます。日本サッシ協会によると、雨水を防いでいるのは外側の窓で、内側の窓には雨水を防ぐ働きがありません。外側の窓を開けたままにすると、下枠から吹き込んだ雨水が、壁の中や部屋に入るおそれがあります。
直し方のちがい
窓まわりの雨漏りは、雨水の入り口によって直し方が変わります。まず、どこから入っているかを調べることが大切です。
シーリングの打ち替え
傷んだシーリングは、古い材料を取り除いてから、新しく詰め直します(打ち替え)。国土交通省の改修工事の仕様では、古いシーリング材にカッターなどで切り込みを入れてできるだけ取り除き、清掃してから、新しいシーリング材を詰める手順が決められています。雨の日や、湿気が多く結露のおそれがあるときは、作業をしません。打ち替えと増し打ちのちがいは「外壁の目地のシーリング(コーキング)は打ち替え?増し打ち?」で紹介しています。
外壁のひび割れの補修
窓まわりの外壁のひび割れから雨水が入っているときは、ひび割れを補修し、外壁を塗装して守ります。ひび割れの幅や深さによって、補修の方法は変わります。
サッシそのものの不具合
日本サッシ協会は、すきま風が強いときは、サッシの各部の調整が足りないことや、パッキン(すき間をふさぐ部品)のねじれ・劣化が考えられるとしています。サッシやドアに異常があるときは使うのをやめ、建築会社や工務店、管理会社、販売店に連絡するよう呼びかけています。沖縄県の手引書では、窓や玄関の建具は、建てつけの調整は随時、20〜30年くらいで取り替えを検討する目安とされています。
窓まわりの雨漏りを相談する
下枠に水がたまるだけなら、不具合とはかぎりません。下枠をこえて水が入る、窓の枠の上のほうにしみがあるときは、窓まわりのシーリングや外壁のひび割れを、台風のあとに見てみましょう。雨水の入り口は、見た目だけでは分かりにくいことがあります。
TRUSS では、目地や窓まわりのシーリングの打ち替え、ひび割れの補修、雨漏りの調査と修繕をしています。サッシの調整や部品の取り替え、サッシの交換もお受けしています。気になる所は、写真を送るだけで担当者が状態をお返しする写真で無料診断をご利用ください。外壁の補修と塗装は外壁塗装、ベランダや屋上は防水工事のページで紹介しています。雨漏りの入り口になりやすい所は「雨漏りの原因はどこ?」でまとめています。
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よくある質問
風が強いと、雨水がすき間に押しつけられやすくなります。日本サッシ協会によると、戸建て住宅の引違い窓に多いW-2・W-3等級は、1時間に240ミリの雨のときに、風速16〜20メートル/秒ほどの風まで、サッシから雨水が入らない性能です。台風のときは、それをこえる風雨になることもあります。サッシ・シーリング・外壁のどこから入っているかは、現地調査で確かめます。
日本サッシ協会は、年に1〜2回ほどを目安としています。海岸の近くや交通量の多い道路沿いはこまめに、台風のあとは必ずお手入れをするよう呼びかけています。
はい。塗装の前に、ひび割れの幅や深さに合わせて補修します。コンクリートの欠け(爆裂)や、目地のシーリングの割れも、あわせて直します。
参考にした情報
- サッシの水密性能について(新しいタブで開きます)
- アルミサッシのお手入れ方法(新しいタブで開きます)
- 内窓・二重サッシからの雨水浸入(サッシ・ドアの豆知識)(新しいタブで開きます)
- サッシ全閉時のすきま風(サッシ・ドアの豆知識)(新しいタブで開きます)
- ユーザー点検のお願い(新しいタブで開きます)
- 住まいの雨漏り対策を考えましょう(新しいタブで開きます)
- 住まいの雨漏り対策を考えましょう(窓・ドア(サッシ))(新しいタブで開きます)
- 雨漏りが疑われる事象・雨漏りに気づいたら(新しいタブで開きます)
- 『風土に根ざした家づくり手引書』(令和4年度版)附録(新しいタブで開きます)
- 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版(新しいタブで開きます)
- 台風の平年値(新しいタブで開きます)
- 台風とは(新しいタブで開きます)
- 塗膜の劣化(塗料の基礎知識)(新しいタブで開きます)