天井や壁にしみが出てきたとき、まず知りたいのは「雨水がどこから入っているのか」です。雨漏りは、雨水の入り口を突き止めて直さないと、くり返すことがあります。
この記事では、沖縄に多いコンクリートの家で雨水の入り口になりやすい場所と、雨漏りの様子の調べ方、原因が分かってからの直し方の考え方を、住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)や国土交通省、沖縄県の資料をもとに紹介します。
しみの場所と、雨水の入り口は同じとは限らない
住まいるダイヤルの雨漏りの資料では、外から雨水が入った所と、室内で雨漏りが見つかった所が離れている例や、いくつもの所から雨水が入っている例があると紹介しています。そのため、しみの真上だけを見ても、原因が分からないことがあります。
同じ資料によると、家は屋根・壁・窓・扉など多くの部材を組み合わせてできていて、必ず「継ぎ目」があります。継ぎ目の雨水への対策が十分でないと、雨漏りが起こりやすくなります。

また、天井や壁のしみが、雨漏りではないこともあります。住まいるダイヤルは、トイレや浴室、台所などの水回りやエアコンの配管からの水漏れ、結露(空気中の水蒸気が冷えて水になること)でも、雨漏りに似たしみが出ることがあるとしています。沖縄県の『風土に根ざした家づくり手引書』も、湿度の高い沖縄では、外の空気にふくまれる水蒸気による結露が起こる例があるとしています。
コンクリートの家で、雨水の入り口になりやすい所
沖縄県の令和5年住宅・土地統計調査では、県内の住宅の93.8%が鉄骨・鉄筋コンクリート造です。平らな屋上(陸屋根)のコンクリートの家では、次のような所が雨水の入り口として考えられます。

1. 屋上の防水
平らな屋上は、雨を防水層で受け止めています。沖縄県の手引書では、防水層が表に出ている屋上は、トップコート(表面の保護の塗料)の傷み、防水層の割れ・ふくらみ、水たまりを、台風のあとなどに目で見て確かめることを勧めています。
2. 排水口(ドレン)
屋上やベランダの雨水を集めて流す口です。住まいるダイヤルによると、排水口が落ち葉などで詰まると、雨水が流れずに長くたまり、雨漏りの危険が高くなります。防水層と排水口のつなぎ目にすき間ができると、そこから雨水が入ることもあります。排水口の掃除のしかたは「屋上・ベランダの排水口(ドレン)掃除のしかた」で紹介しています。
3. 屋上のふち(パラペット)と手すりの取り付け部
屋上のふちの立ち上がった壁(パラペット)や、手すりの取り付け部は、防水層の端が来る所です。国土交通省の防水改修工事の仕様では、パラペット、手すりの取り付け部、設備の架台(機器を載せる台)、配管が防水層を貫く所、防水層の端などを「納まり部」として、処理の方法を個別に決めることにしています。ベランダでは、手すり壁の上にかぶせる部材(笠木)と外壁が接する所も、雨水が入りやすい所の一つです(住まいるダイヤル)。屋上のふちの点検は「屋上のふち(パラペット)と笠木の点検」で紹介しています。
4. 窓まわり
住まいるダイヤルによると、窓(サッシ)のまわりと外壁が接する所は、違う部材が取り合うため、すき間ができやすい場所です。すき間を埋めるシーリング材は、紫外線や日射の熱を長く受けると、はがれやひび割れが起こります。沖縄県の手引書も、窓枠のさび、雨漏り、コーキング(シーリング)の不良を、台風のあとに見ることを勧めています。シーリングの直し方は「外壁の目地のシーリング(コーキング)は打ち替え?増し打ち?」で紹介しています。
5. 外壁のひび割れ
日本ペイントによると、塗膜に割れ(クラック)が起こると、建物の素地に水が入ります。沖縄県の手引書では、コンクリートの軒裏やベランダの下側も、ひび割れ、はがれ、爆裂(コンクリートの欠け)、漏水の跡を、台風のあとに確かめる所に挙げています。爆裂のしくみは「コンクリートの「爆裂」とは?」で紹介しています。
6. 配管が壁や床を貫く所
エアコンなどの配管が外壁や屋上の床を貫く所も、国土交通省の仕様で「納まり部」の一つに挙げられています。住まいるダイヤルも、換気のために外壁にあけた穴などを、雨漏り対策を確かめたい場所の例に挙げています。
雨漏りの様子を調べて、記録する
住まいるダイヤルは、雨が降っている日やその翌日、台風や集中豪雨のあとに、家の外と中を確かめることを勧めています。次のようなことがないか見てみましょう。
- 天井から水が落ちる、窓や玄関ドアのまわりに水が出てくる
- 天井や壁、軒裏、ベランダの床の裏側に、水じみがある
- 雨どいや排水口の近くに水じみがある(詰まってあふれた雨水が入っていることがある)
窓の室内側の枠では、枠の下のほうの水じみは窓ガラスの結露、枠の上のほうの水じみは雨漏りの可能性が高いとされています。
相談するときは、雨漏りの場所や様子、大雨のあとかどうかなどを整理しておくことが大切です(住まいるダイヤル)。しみの場所と広がり、雨の日の様子を写真に残しておくと、状態を伝えやすくなります。雨水の入り口や原因の調査は、専門家が行います。
※ 天井裏や屋根の上を自分で確かめるのは危険です。住まいるダイヤルも、天井裏・屋根裏の確認は特に危険なので、安全な足場がないときは無理をせず、専門家にまかせるよう呼びかけています。
原因が分かってから直す
雨漏りを直すときは、まず雨水の入り口を突き止めることが大切です。日本ペイントは、漏水で外壁の塗膜がふくれる場合、漏水している場所を突き止めて補修してから塗り直さないかぎり、根本的な対策にならないとしています。
直し方は、原因と傷みの広がりで変わります。
- 排水口の詰まり:取り除ける範囲でごみを取り、水の流れを戻す
- 窓まわりや外壁の目地のシーリングの切れ:シーリングの打ち替えなど
- 外壁のひび割れ:ひび割れの補修と塗装
- 屋上・ベランダの防水層の傷み:部分的な防水の補修、または防水層の改修
沖縄県の手引書では、防水層が表に出ている屋上は12〜15年くらいで防水層の補修を、防水層の上をコンクリートでおおった屋上は20〜30年くらいで防水層と保護層の全面補修を検討する、とされています。
新築から10年以内の家で雨漏りしたときは、まず建てた会社や売主に連絡します。くわしくは「新築から10年以内の雨漏りは誰が直す?」をご覧ください。
雨漏りの調査を相談する
しみの場所と雨水の入り口は、離れていることがあります。原因が分からないまま塗装や防水をしても、雨漏りが止まらないことがあるため、まずは入り口を調べることが大切です。
TRUSS では、現地調査で、雨水がどこから入っているかを調べます。必要なときは、原因と思われる所に水をかけて、雨漏りと同じことが起きるかを確かめる散水調査も行います。屋上やベランダの防水は、ウレタン防水などで新しい防水層をつくるほか、小さなひび割れや部分的な雨漏りは部分防水で補修します。工事の内容は防水工事のページ、これまでの工事は施工事例でご覧いただけます。
まずは写真で状態を見てほしいときは、写真で無料診断で「雨漏り」を選んで写真を送ってください。ご相談・現地調査・お見積りは無料です。お問い合わせからどうぞ。
よくある質問
はい。現地調査で、雨水がどこから入っているかを調べます。原因が分かったうえで、必要な工事だけをご提案します。
雨漏りの原因が、屋根材の割れや下地の傷みにある場合は、塗装だけでは直りません。原因を調べたうえで、補修と塗装を組み合わせてご提案します。
日本サッシ協会は、雨をともなう風のときに、屋内への雨水の浸入をどの程度防げるかを、サッシの「水密性能」として示しています。風が強いほど、雨水を防ぐのに高い性能が要るということです。窓まわりのほか、外壁のひびや屋上のふちが入り口のこともあるため、現地調査で確かめます。
参考にした情報
- 住まいの雨漏り対策を考えましょう(雨漏りはなぜ起こる?・いろいろな雨漏りの経路)(新しいタブで開きます)
- 雨漏りが疑われる事象・雨漏りに気づいたら(新しいタブで開きます)
- バルコニー<排水口(ドレン)>(新しいタブで開きます)
- バルコニー<手すり壁・笠木>(新しいタブで開きます)
- 窓・ドア(サッシ)(新しいタブで開きます)
- 令和5年住宅・土地統計調査 沖縄県結果の要点(新しいタブで開きます)
- 『風土に根ざした家づくり手引書』(令和4年度版)第2章・附録(新しいタブで開きます)
- 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 3章(新しいタブで開きます)
- 塗膜の劣化(塗料の基礎知識)(新しいタブで開きます)
- 外壁の塗膜が膨れてきたので塗り替えたが、また同じ場所が膨れてきた。考えられる原因は何ですか?(新しいタブで開きます)
- サッシの水密性能について(新しいタブで開きます)