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塗装・防水

屋上の防水層がふくれるのはなぜ?日差しの熱と湿気によるふくれの原因と直し方

防水
日差しの印と、屋上の床の断面に丸いふくらみがある白黒の図。屋上のふちの壁に青い四角を1つ塗ったイラスト

屋上やベランダの床に、丸くぷっくりとふくらんだ所を見つけたことはありませんか。それは、防水層の「ふくれ」かもしれません。ふくれは、屋上の点検で見ておきたい傷みのサインの一つです。

この記事では、防水層のふくれとは何か、なぜふくれるのか、見つけたときに確かめたいこと、直し方を、国や沖縄県、防水の業界団体の資料をもとに紹介します。平らな屋上(陸屋根)の家や、アパートのオーナーの方に読んでいただきたい内容です。

防水層の「ふくれ」とは

日本防水材料協会の防水用語事典では、ふくれを「防水層が部分的に剥離して、山形に浮き上がった状態」と説明しています。防水層が下地のコンクリートから一部はがれ、そこが丸く持ち上がっている状態です。

沖縄県の手引書の点検の目安の表では、防水層が表に出ている屋上(アスファルト・シート・ウレタン塗膜防水など)で見ておきたいこととして、トップコート(防水層を守る表面の塗料)の劣化、防水層の割れ・膨らみ・亀裂・水たまりを挙げています。台風が過ぎたあとに、目で見て確かめることが勧められています。

ふくれの原因は、下地の湿気と日差しの熱

建築研究所の資料では、防水の種類ごとに、傷みの現象と、それにかかわる要因を表にまとめています。下地から生じるふくれは、アスファルト防水では「熱」と、ウレタンゴム系の塗膜防水では「熱」や「水」などと関連が深いとされています。工事の良し悪しによって、短い期間で出ることもある現象とされています。

屋上の床の断面の図。コンクリートの下地の上に防水層があり、日差しの熱で下地の湿気が持ち上がり、防水層が丸くふくれている
ふくれのしくみ(断面のイメージ)

防水の業界団体の資料からも、湿気とふくれのかかわりが分かります。

  • 日本防水材料協会の用語事典では、「脱気装置」は防水層と下地のあいだの湿気を外へ逃がすための器具、「脱気工法」はふくれを防ぐためなどに防水層と下地のあいだを換気する工法と説明しています
  • 国の改修工事の仕様書では、下地の乾燥が十分でないときや湿度が高いときは、防水の工事をしないことになっています。劣化して水を含んだ防水層を熱すると、気泡が出ることがあるとも書かれています
  • 日本ウレタン建材工業会は、下地にぴったりくっつけるウレタン防水で、ふくれが起きていたことを、工法の変遷の中で紹介しています

沖縄県の手引書も、日本建築学会の基準をもとに、水分が直接かかわって建物の環境を悪くする現象を「湿害」とし、その例にカビや変色とならんで、膨れやはがれを挙げています。

湿気のほかに、薬品でふくれることもあります。日本ウレタン建材工業会は、溶剤・ガソリン・不凍液などをこぼすと、防水層がやわらかくなり、ふくれやはがれの原因になるとしています。

沖縄の屋上は、日差しの熱を受けやすい

沖縄県の資料では、沖縄は日照時間が全国平均より短い一方で、太陽が高いため一年を通じて日射量が多く、夏を中心に強烈な日射が降り注ぐと説明しています。気象庁の平年値(1991〜2020年)でも、那覇の全天日射量(地面が受ける日差しのエネルギー)は7月がいちばん多く、1月の2倍以上です。平均の湿度は年間で73%と、一年を通して湿気の多い気候です。

日本防水材料協会は、断熱材の上に防水層を表に出して施工した屋上は、熱が逃げないため防水層が高温になり、劣化が進みやすくなるとしています。そのため、防水層の表面に日差しをよく反射する塗料を塗ることが望ましいとしています。

ふくれを見つけたら確かめたいこと

ふくれを見つけたら、次のことを確かめておくと、相談するときに役立ちます。

  • 大きさと数:日本ウレタン建材工業会の診断表(例)では、ふくれの大きさ(直径)と、一定の面積の中の数で、傷みの度合いを3段階(定期点検を続ける・必要により補修・改修が必要)に分けています
  • ほかの傷み:トップコートの色あせやはがれ、防水層の割れ、水たまりがないか
  • 家の中の様子:最上階の天井や壁に、しみや雨漏りがないか
  • 写真:ふくれの全体と、近くから撮った写真を残しておく

沖縄県の手引書では、防水層が表に出ている屋上は、5〜7年ごとにトップコートを塗り替え、12〜15年くらいで防水層の補修を検討するのが目安です。前の防水工事からの年数も、あわせて確かめておきましょう。

※ ふくれを踏みつけたり、自分で切ったりつぶしたりはしないでください。屋上を歩くときは、防水層を傷つけないよう、やわらかい靴底の靴をはきます。手すりのない屋上の端には近づかないでください。

日本防水材料協会のガイドラインでは、ふくれやしわ、変色などの表面の変化について、雨漏りをともなわない経年の変化のこともあれば、変化によって雨漏りが起きることもある、という考え方を示しています。ふくれがあるからといって、すぐに雨漏りするとは限りません。大きさや数が増えていないか、ほかの傷みが出ていないかを見ておくことが大切です。

ふくれの直し方

直し方は、ふくれが一部だけか、全体に広がっているかで変わります。

ふくれの直し方を2つの箱に分けた図。ふくれが一部だけのときは、ふくれを切り取り、平らに補修し、防水層を重ねる。ふくれが全体に広がっているときは、取り除くかを調べて決め、湿気を逃がす工法も考える
ふくれの直し方の例

ふくれが一部だけのとき

国の改修工事の仕様書では、いまのウレタン防水の上に新しい防水層を重ねる工事の場合、破れや穴のまわりの浮いた所やふくれた所は切り取り、ポリマーセメントモルタル(樹脂を混ぜたモルタル)で平らに直すことになっています。乾いてから、層と層をくっつけるためのプライマーを塗り、新しい防水層を重ねます。

ふくれが全体に広がっているとき

同じ仕様書では、アスファルト防水やシート防水の上に重ねる工事について、いまの防水層のふくれや浮きが全体に広がっているときは、そのまま進めてよいかを協議することになっています。いまの防水層を取り除いてから新しくするかどうかを、屋上の状態を調べて決めます。

湿気を逃がす工法

ウレタン防水には、下地にぴったりくっつける「密着工法」と、下地と防水層のあいだに通気緩衝シートをはさむ「通気緩衝工法」があります。日本防水材料協会の用語事典では、通気緩衝シートは、防水層のふくれを防ぐ排気の道の役目もあり、たまった湿気は脱気装置から外へ逃がすと説明しています。日本ウレタン建材工業会によると、この工法は、ふくれを防ぐ働きが認められ、改修の工事で使われることが増えました。工法のちがいと工程は「ウレタン防水の工事はどう進む?」で紹介しています。

どの直し方が合うかは、いまの防水の種類と傷み方、屋上の形によって変わります。現地調査で屋上の状態を見てから決めるのが確実です。

屋上のふくれを相談する

ふくれは、防水層が下地から一部はがれて持ち上がった状態で、下地の湿気と日差しの熱がかかわります。見つけたら傷つけないようにして、大きさや数、ほかの傷みを写真に残しておきましょう。

屋上の水はけは「屋上に水たまりが残るのはなぜ?」で紹介しています。屋上に上がれないときや、ふくれが気になるときは、写真を送るだけで担当者が状態をお返しする写真で無料診断をご利用ください。

TRUSS では、ウレタン防水などで新しい防水層をつくるほか、小さなひび割れや部分的な雨漏りは部分防水で補修します。ふくれた所だけを直す部分補修や、脱気装置で湿気を外へ逃がす通気緩衝工法の工事もお受けしています。防水の方法は、現地調査のうえでご提案します。工事の内容は防水工事のページで、これまでの工事は施工事例でご覧いただけます。ご相談・現地調査・お見積りは無料です。

よくある質問

すぐに雨漏りするとは限りません。日本防水材料協会のガイドラインでも、ふくれなどの表面の変化には、雨漏りをともなわない経年の変化のこともあるとしています。ただし、変化によって雨漏りが起きることもあります。ふくれの大きさや数が増えていないか、割れていないかを見て、気になるときは点検をご相談ください。

参考にした情報

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