外壁の塗り替えは、家の色を変えられる機会です。一方で、「見本では落ち着いた色に見えたのに、塗り上がったら思ったより明るかった」など、色選びで迷う方も多くいます。
この記事では、色見本の見え方とつやの選び方、沖縄県のガイドラインと市町村の景観計画にある色のルール、色を決めるまでの進め方を、塗料メーカーや日本塗料工業会、沖縄県・宜野湾市の資料をもとに紹介します。
小さな色見本だけで決めない
外壁の色は、塗料メーカーの色見本帳や、日本塗料工業会の「塗料用標準色」の見本帳で選ぶのが一般的です。沖縄県の景観形成ガイドラインでも、建設の分野では日本塗料工業会の標準色見本帳が広く使われていると紹介されています。
ただ、見本帳の色は小さな四角なので、壁全体に塗ったときの印象はつかみにくいものです。日本ペイントは、小さなサンプルでは色を選びにくいという質問に対して、指定した塗料・色・つやで作るA4サイズの塗り板(塗装したサンプル。有償)を、工事を頼む会社を通して注文できると案内しています。塗り板なら、質感まで確かめられます。
見る場所の光でも、色の見え方は変わります。日本塗料工業会は、太陽の光の下では同じ色に見えても、蛍光灯の下では違う色に見える「メタメリズム」が起こる色があると注意しています。外壁の色は、家の中ではなく、外の光の下で確かめましょう。
色の番号で指定するときは、見本帳の版にも気をつけます。日本塗料工業会によると、同じ色票番号でも、古い版とは色合いが少し違ったり、正面からは同じ色に見えても斜めから見ると色合いが少し違ったりする色があります。そのため、番号の頭に版の記号(2024年版は「P」)を付けて指定するよう案内しています。

つやの有り・無しで変わること
塗料には、つやのあるものと、つやを調整して抑えたものがあります。つやを抑えると、光沢の少ない落ち着いた見た目になります。和風の家などで、光沢を抑えたいという声もあります。
日本ペイントによると、つやを調整した塗料で塗っても、耐候性が落ちたり、とくに汚れやすくなったりすることはありません。ただし、つやむら(場所によってつやが違って見えること)が出やすい傾向があり、塗るときに注意が必要です。とくに溶剤形の塗料でつやを調整したものは、下地への吸い込みでつやむらが出やすいため、中塗りにつやのある塗料を使う、塗り継ぎの部分をていねいに塗るといった工夫が必要とされています。
つやの具合も、色と同じように、塗り板で確かめると安心です。
沖縄の景観のルール
外壁の色は、まちの景観の一部です。景観法にもとづいて、景観行政団体になった市町村は景観計画を定め、建物の色などのルールを決めることができます。
沖縄県の景観形成ガイドライン(平成22年3月)は、市町村が景観計画をつくるときの手引きです。建物の壁の大部分をしめる色(基調色)は、主張の穏やかな彩度(あざやかさ)の低い色で、沖縄の光に合う明度(明るさ)の高い色にすることを考え方として示しています。より調和を図るときは、土や石、木と共通するベージュ・茶系の色相を中心にするとしています。一方で、低い階では、沖縄の個性のひとつであるトロピカルな色づかいもよいとしています。色の基準は、マンセル表色系(色を色相・明度・彩度の3つで表す方法)の数値で示されます。日本塗料工業会の標準色見本帳にもマンセル値が書いてあるため、届け出や相談のときに使いやすいとされています。ただし日本塗料工業会は、見本帳のマンセル値は参考の値で、それだけでは色を特定できないとしています。
宜野湾市を例にすると、宜野湾市景観計画(平成27年11月策定)では、建物の外壁の大部分をしめる色(ベースカラー)を「マンセル表色系による明度8以上・彩度2以下とすること」と定めています。アクセントとして、それ以外の色を使うときは、地域ごとに外壁の各面の5%以下または10%以下など、使える面積と場所が決まっています。また、すべての建築行為で、まわりの景観との調和や連続性に配慮した色にすることが求められています。
市に前もって届け出が必要なのは、景観の上で目に付きやすい大きな建築行為などです。宜野湾市では、延べ面積が500㎡を超えるか高さが13mを超える建物で、外観の3分の1を超える色の変更などをするときが対象で、工事に取りかかる30日前までに届け出ます。西普天間住宅地区は、令和6年2月に景観形成重点地区になり、地区独自の基準があります。
ルールは市町村や地区、建物の大きさで違います。色を大きく変えるときは、お住まいの市町村の景観の担当に確かめておきましょう。
色を決めるまでの進め方
色選びは、次の順に進めると迷いにくくなります。
- カラーシミュレーションで試す:外壁と、雨どいや手すりなどの付帯部、屋上の組み合わせを、カラーシミュレーションで比べます
- 色見本で候補をしぼる:画面の色は、実際の塗料の色と見え方が違います。正式な色は色見本帳で確かめます
- 塗り板を外で確かめる:候補の色を、できるだけ大きな見本で、外の光の下で見ます
- ルールを確かめて決める:色を大きく変えるときは、市町村のルールも確かめます

日本ペイントによると、模様のある特殊な塗料をのぞく外壁用の塗料は、色見本帳にない色も、色を調合して塗ることができます。ただし、調色にすると納期が長めになり、色によっては費用が上がることがあります。塗料の種類ごとの違いは「外壁の塗料はどう選ぶ?」、外壁の模様は「外壁の模様(吹付けタイル・リシン・スタッコ)とは?」で紹介しています。
色を試す・相談する
外壁の色は、小さな見本・画面だけで決めず、大きな見本と外の光で確かめるのが失敗しないコツです。色を大きく変えるときは、景観のルールも確かめましょう。
カラーシミュレーションでは、家の種類を選んで、外壁・付帯部・屋上の色を試せます。気に入った配色は2つまで保存して並べて比べられ、そのままお問い合わせに添えて送れます。お見積りの前に「色の相談だけしたい」というご相談もできます。TRUSS では、色見本やカラーシミュレーションを使って、お客様と一緒に色を選びます(工事の流れ)。宜野湾市での工事は宜野湾市の外壁塗装・防水工事のページもご覧ください。
よくある質問
日本ペイントによると、石材調などの模様のある塗料をのぞく外壁用の塗料は、色見本帳にない色を指定して塗り替えることができます。調色にすると、納期が長めになり、色によっては費用が上がることがあります。景観計画で外壁の色の基準が決まっている地域もあるため、あわせて確かめます。
カラーシミュレーションで選んだ配色をお問い合わせに添えていただくと、担当者が実際の色見本をお持ちして、ご自宅で確かめていただけます。日本ペイントは、指定した塗料・色・つやで作るA4サイズの塗り板を、工事を頼む会社を通して有償で注文できると案内しています。
市町村の景観計画によって違います。宜野湾市では、延べ面積が500㎡を超えるか高さが13mを超える建物で、外観の3分の1を超える色の変更などが届け出の対象です。地区によって独自の基準があるところもあるため、お住まいの市町村の景観の担当に確かめてください。
参考にした情報
- 自分の好きな色で外壁を塗り替えたいが可能ですか?(新しいタブで開きます)
- 色見本帳に載っている小さなサンプルでは色を選びにくい。もっと大きな無償サンプルが欲しい。(新しいタブで開きます)
- 和風住宅なので光沢感を抑えて外壁を塗り替えたい。性能が低下するなど、何か問題がありますか?(新しいタブで開きます)
- 色見本帳のご案内(新しいタブで開きます)
- 色違い防止のためのご注意とお願い(新しいタブで開きます)
- 沖縄県景観形成ガイドライン(平成22年3月)(新しいタブで開きます)
- 宜野湾市景観計画(新しいタブで開きます)
- 宜野湾市景観ガイドライン(平成27年11月策定・令和2年11月一部改定)(新しいタブで開きます)
- 宜野湾市景観計画(別冊)西普天間住宅地区 運用ガイドライン(新しいタブで開きます)