外壁の塗り替えを考えはじめると、「いつの季節に頼むのがいいの?」と気になる方が多いと思います。塗料は、天気によって乾き方や仕上がりが変わるため、塗ってよい天気と、塗らない天気が決まっています。
この記事では、国の工事の仕様書と塗料メーカーの説明から、塗装をしない天気の決まりとその理由を紹介し、気象庁の平年値で沖縄の1年の天気を見ながら、梅雨や台風の季節の工事の考え方と、季節より大事なことをまとめます。
塗装をしない天気の決まり
国土交通省の『公共建築改修工事標準仕様書』(令和7年版)では、塗装について次のように決めています。
- 気温が5℃以下、湿度が85%以上、結露などで塗料の乾燥に向かないときは、塗装を行わない(暖めたり換気したりして、適切に対応できる場合を除く)
- 外部の塗装は、雨のおそれがあるときや強風のときは、原則として行わない
塗料メーカーの日本ペイントも、気温5℃以上、湿度85%未満の天気で塗装ができると説明しています。

なぜ雨や湿気の日に塗らないのか
塗料は、塗ったあとに水や溶剤が蒸発して乾き、固まって塗装の膜(塗膜)になります。日本ペイントは、塗った直後の膜ができていく段階で雨や結露など水の影響を受けた場合や、塗るときと乾くときの気温が低すぎる・高すぎる場合、湿度が高い場合には、塗膜の劣化が早く進むことがあるとしています。強い風の中での塗装も、膜がうまくできず、塗料の性能が出ないおそれがあるため避けるよう呼びかけています。
とくに水性の塗料は、塗っている最中や、生乾きのときに雨や結露にあうと、仕上がりが悪くなりやすいとされています。
屋上やベランダの防水工事も同じです。同じ仕様書では、雨や雪が予想されるとき、下地の乾燥が十分でないとき、強風や湿度が高いときは、防水の施工を行わないとしています。雨がやんだあとも、下地が乾くまで待つ必要があります。
那覇の平年値で見る、沖縄の1年の天気
気象庁の平年値(1991〜2020年の平均)で、那覇の1年を見てみます。
気温
那覇でいちばん寒い1月でも、1日の最低気温の平均は14.9℃です。那覇の平年値で見るかぎり、「気温5℃以下」の決まりに当たるような寒さは、ほとんど心配しなくてよい気候です。いっぽう、7月と8月は1日の最高気温の平均が31℃をこえます。
湿度
月ごとの平均の湿度は、1月の66%から6月の83%までです。月の平均は85%を下回っていますが、6月は85%に近く、平均なので、雨の日などはこれより高くなる日もあります。
雨
那覇の1年の降水量は2,161.0ミリメートルです。月ごとでは、6月が284.4ミリメートルといちばん多く、9月の275.2ミリメートル、5月の245.3ミリメートル、8月の240.0ミリメートルと続きます。いちばん少ない1月でも101.6ミリメートルあります。
沖縄県の資料も、沖縄は梅雨の5・6月と、台風シーズンの8・9月に雨が多くなるとしています。冬でも月の降水量が100ミリメートルをこえ、雨の降る日は夏も冬もあまり変わらず月10日前後で、冬は弱い雨が降る日が多いのが特徴です。

梅雨と台風の季節に工事をするとき
気象庁によると、沖縄の梅雨は、平年では5月10日ごろに始まり、6月21日ごろに明けます。沖縄地方に近づく台風は1年に7.7個で、7月から10月に多く、いちばん多いのは8月です。
ここでいう「近づく(接近)」は、台風の中心が沖縄県のいずれかの気象台などから300キロメートル以内に入ることです。
この時期は、雨の日や風の強い日が続くことがあり、そのあいだは外の塗装ができません。そのぶん、工事の日程が天気によって前後しやすくなります。工事ができないわけではありませんが、日程に余裕をもって計画しておくと安心です。
防水工事は、雨の前の作業にも決まりがある
屋上やベランダの防水工事では、古い防水層をはがす作業をすることがあります。国の仕様書では、雨のおそれがある日は、古い防水層や外に面したシーリング材を取り除く作業を行わないこと、1日の作業の終わりには、原則としてシートなどで雨水が入らないように養生することを決めています。
夏と冬に気をつけること
日本ペイントは、夏の屋根の塗装について、屋根の表面の温度が高いと塗料が速く乾きすぎ、作業や仕上がりに影響すると説明しています。そのため、塗装を避けるか、うすめ方を調整しながら塗る必要があります。冬は、朝のうちは気温が上がっても塗る面が冷え切っているため早朝の塗装に向かず、夕方は結露しやすいため、早めに作業を終えるとしています。
日本ペイントは、制約の多い夏と冬を避けて、春と秋が塗装に向いた季節だとしています。ただし沖縄は、春の終わりから梅雨に入り、夏から秋にかけて台風が近づきます。季節の名前だけでなく、その年の天気を見ながら日程を決めることになります。
季節より大事なのは、外壁の状態と日程の余裕
塗装に向いた季節を待つあいだにも、外壁の傷みは進みます。塗料メーカーのエスケー化研は、塗膜の劣化を4つの段階に分けて説明し、チョーキング(さわると白い粉が付くこと)やひび割れが出る段階から、浮きやはがれが出はじめる段階までが修繕に適した時期で、浮きやはがれが出る手前が理想だとしています。塗膜が外壁を守れなくなる最後の段階まで進むと、古い塗膜をすべて取り除いて改修することになります。
つまり、塗り替えの時期は、季節よりも外壁の状態で決まります。気になるサインが出ているなら、季節を待たずに点検を頼み、そのうえで、天気のよい時期に工事ができるよう日程を考えるのがおすすめです。
TRUSS の工事の流れは、お問い合わせのあと、現地調査、お見積り・ご提案、ご契約を経て、施工に進みます。外壁の色は、色見本やカラーシミュレーションで一緒に選びます。色選びなど、工事の前に決めることもあるので、早めに相談しておくと日程を組みやすくなります。雨の日は塗装ができないため、工事の日程は天気によって前後します。現地調査のあとに、おおよその日程をお伝えします。
工事の時期を相談する
外壁の塗装は、気温・湿度・結露・雨や強風の条件がそろわない日には、原則として行いません。沖縄では寒さの心配は少ない一方で、梅雨と台風の季節に雨と風が多くなります。季節を待つより、外壁の状態を見て、日程に余裕をもって計画しましょう。
外壁の状態は、当てはまる症状を選ぶだけの劣化セルフ診断や、写真を送るだけの写真で無料診断で確かめられます。工事の進み方は工事の流れ、外壁塗装の工程は「外壁塗装の工事はどう進む?」、屋上の防水の工程は「ウレタン防水の工事はどう進む?」で紹介しています。工事の時期のご相談は、お問い合わせからどうぞ。ご相談・現地調査・お見積りは無料です。
よくある質問
日本ペイントによると、気温5℃以上、湿度85%未満なら塗装できます。冬は朝の冷え込みと夕方の結露、夏は屋根の表面の温度の高さに気をつける必要があります。那覇の平年値では1月でも最低気温の平均が14.9℃で、冬の寒さが問題になることは少ない気候です。
はい。雨の日は塗装ができないため、工事の日程は天気によって前後します。国の工事の仕様書でも、雨のおそれがあるときや強風のときは、外の塗装を原則として行わないとしています。現地調査のあとに、おおよその日程をお伝えします。
ご相談・現地調査・お見積りは、梅雨の時期でも無料でお受けしています。塗装や防水の工事は雨の日にはできないため、工事をするなら、日程に余裕をもってご相談ください。
参考にした情報
- 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 7.1.6 施工管理・3.1.3 施工一般(新しいタブで開きます)
- 冬場の寒いときや、夏場の暑いときに外壁や屋根を塗装しても問題ないですか?(新しいタブで開きます)
- 水性塗料と溶剤形塗料はどちらが優れていますか?(新しいタブで開きます)
- 期待耐用年数(用語解説)(新しいタブで開きます)
- よくあるご質問(用語説明)(新しいタブで開きます)
- 平年値(那覇)(新しいタブで開きます)
- 昭和26年(1951年)以降の梅雨入りと梅雨明け(確定値):沖縄(新しいタブで開きます)
- 台風の平年値(新しいタブで開きます)
- 沖縄の住まいづくり(基本編)第1章(新しいタブで開きます)