家の中の熱中症を防ぐには?
沖縄の夏の住まいの工夫
沖縄の夏は、日差しが強く、湿気も多い季節です。外に出なくても、家の中で暑さがこもることがあります。
この記事では、家の中の熱中症を防ぐための住まいの工夫を、環境省と沖縄県の資料をもとに紹介します。エアコンと風通しの使い方、窓まわりの工夫、エアコンが使えないときの備えをまとめました。体調のことや、持病のある方の水分のとり方は、かかりつけの医師にご相談ください。
熱中症は家の中でも起きる
環境省の高齢の方向けのリーフレットでは、熱中症は、部屋の中や夜にも多く起きていると注意をうながしています。年を重ねると、次のような理由で、気づかないうちに熱中症になりやすいとされています。
- 体の中の水分が少なくなりがち
- 暑さや、のどのかわきを感じにくくなる
- 体に熱がたまりやすい
沖縄県も、暑さを感じにくい高齢の方は重くなりやすいので、部屋の中でも気をつけて、熱を逃がす工夫をするよう呼びかけています。
沖縄県の家づくりの手引書によると、那覇は1年を通して湿度が70%をこえる月がほとんどです。環境省のマニュアルでは、蒸し暑い日本の夏は、汗をかいても体の熱が逃げにくいと説明しています。
エアコンと風通しで、部屋に暑さをためない
環境省のマニュアルでは、エアコンの使い方として、次のような点を挙げています。
- 温度計と湿度計で、部屋の温度をこまめに見る。高齢の方は暑さを感じにくいので、肌の感じで決めない
- 部屋の温度は28℃を目安にする(エアコンの設定温度ではなく、部屋の温度)
- 外から帰って部屋が暑いときは、まず窓を開けて空気を入れかえる
- 夜は、エアコンのタイマーが切れたあとに部屋が暑くなることがある。タイマーは少なくとも3〜4時間は使う
- 冷たい風が体に直接当たらないように、風の向きを調整する。扇風機を一緒に使うと、同じ温度でも涼しく感じる
- エアコンのフィルターは、2週間に1度は掃除する
- 部屋を冷やしすぎない(24℃を下回ると、部屋を出入りするときに体の負担になる)
- 湯わかしポットなど熱を出す道具は、暑い日は過ごす部屋から離して使う

風通しも大切です。環境省のリーフレットでは、エアコンを使っているときも、こまめに換気をし、窓とドアなど2か所を開けて、外の涼しい空気を入れるよう勧めています。沖縄県の手引書では、風の入口と出口をつくること、暖かい空気は上に上がるので、低い所から入れて高い所から抜くと、風が通りやすくなることを紹介しています。
日差しを入れない窓まわりの工夫
窓から入る日差しは、部屋を暑くします。環境省のマニュアルでは、すだれや緑のカーテンなどで、部屋の外側で日差しをさえぎるのが効果的としています。外側が難しいときは、部屋の内側でカーテンやブラインドを使います。
沖縄県の手引書でも、夏の西日は太陽が低いので部屋の奥まで届き、上手にさえぎることが大切だと書かれています。手引書では、沖縄の家の工夫として、次のような例が紹介されています。
- 深いひさしや雨端(あまはじ。家のまわりの深い軒下)で、窓に影をつくる
- 花ブロックやルーバーで、日差しをさえぎりながら風を通す
- よしずやすだれを下げる。日差しや外からの目をさえぎり、やわらかい風を入れられる
- 緑のカーテンで日差しをさえぎる。打ち水で、家のまわりの温度が上がるのをおさえる
屋根で日差しの熱を受け止める工夫として、日差しをはね返す塗料(遮熱塗料)や屋上の緑化、屋根の上に敷く通気のあるブロックなども紹介されています。
よしずやすだれを付けやすくするには、軒の裏などに金具を付けておくとよいと、手引書は勧めています。金具があると、台風のときの網を張るなど、ほかの工夫にも使えます。
エアコンが使えないときの備え(停電・故障)
停電や故障でエアコンが使えないと、熱中症になりやすくなります。故障に早く気づけるように、ふだんの手入れも大切です。沖縄県の手引書(附録)では、エアコンの室外機は台風が通ったあとに目で見て点検すること、雨が塩分を洗い流すので、できるだけ雨の当たる場所に置くのがよいことが書かれています。沖縄県は、そんなときは「冷やす・飲む・涼しい場所へ」を心がけるよう呼びかけています。

環境省のマニュアルでは、家に冷房がないときは、冷房のきいた公共の施設やお店で体を休めること、水のシャワーも体温を下げるのに役立つことを紹介しています。
市町村は、暑さをしのげる施設を「クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)」として指定できます。環境省の説明では、公民館や図書館、ショッピングセンターなどがあり、熱中症特別警戒アラートが出たときに開かれます。沖縄県も、気軽に立ち寄って涼める「うちな〜の涼みどころ」を広げる取り組みをしています。近くのどこで涼めるかを、夏の前に調べておくと安心です。
停電への備えは「台風の前に、介護が必要な家族のために何を備える?」でも紹介しています。
暑くなったら、家族やまわりの人と声をかけ合う
暑さの目安になるのが、環境省の「暑さ指数」です。沖縄県の案内では、暑さ指数が28をこえると、熱中症になる人が急に増えるといわれています。暑さ指数が33以上になると予想される日には、前の日の夕方か当日の朝早くに「熱中症警戒アラート」が出ます。
さらに危険な暑さのときに出るのが「熱中症特別警戒アラート」です。このとき環境省は、高齢の方の身近な人に、部屋の中でエアコンなどを使って涼しく過ごせているかを確かめるよう呼びかけています。
環境省のリーフレットでは、ふだんから次のことができているか、確かめるよう勧めています。
- 部屋の温度を測っている
- 部屋の風通しをよくしている
- のどがかわいていなくても、こまめに水分をとっている(1日あたり1.2リットル、コップ約6杯が目安。持病のある方の水分や塩分の量は、かかりつけ医の指示に従う)
- シャワーやタオルで体を冷やしている
- 困ったときの連絡先を確かめている
ひとり暮らしの方は、家族や近所の人と、暑い日に連絡し合う約束をしておくと安心です。ひとり暮らしの住まいの工夫は「ひとり暮らしでも安心して過ごすには?」でも紹介しています。
めまいや立ちくらみ、頭痛、吐き気など、熱中症のサインがあるときは、涼しい場所で水分と塩分をとります。意識がはっきりしないときや、自分で水分をとれないときは、すぐに救急車を呼んでください(沖縄県の案内による)。
かなさホームでは、介護福祉士と福祉住環境コーディネーターの資格を持つ担当が、住まいのお困りごとをうかがいます。夏の暮らしで気になることがあれば、お問い合わせからご相談ください。
よくある質問
答え:環境省のマニュアルでは、夜に気温があまり下がらない日は、冷房をつけて寝ることも必要としています。タイマーを使うときは、少なくとも3〜4時間は使うよう勧めています。
答え:環境省が、都道府県の中のすべての観測地点で、翌日の暑さ指数が35に達すると予想されるときなどに出す情報です。出ると、市町村が指定したクーリングシェルターが開かれます。
答え:沖縄県は「冷やす・飲む・涼しい場所へ」を呼びかけています。冷房のきいた公共の施設やお店で体を休めることも役に立ちます。エアコンの修理を頼む先も、夏の前に決めておくと安心です。
答え:環境省のマニュアルでは、部屋のつくりやエアコンの向きによって、同じ部屋でも温度にむらが出ることがあるので、ご自分の近くに温度計と湿度計を置いて確かめるよう勧めています。