沖縄では、平らな屋上(陸屋根)のコンクリートの家が多く見られます。屋上は、雨や強い日差しを毎日まともに受ける場所です。屋上の防水が傷むと、雨漏りにつながります。
この記事では、屋上の防水の主な種類と特徴、改修のときの考え方、屋上の劣化のサインと点検の目安を、国や沖縄県、防水の業界団体の資料をもとに紹介します。
沖縄の家と屋上の防水
沖縄県の令和5年の住宅・土地統計調査では、沖縄県の住宅のうち、鉄骨・鉄筋コンクリート造などの割合は93.8%です。全国では36.6%なので、沖縄はコンクリートの家がとても多い地域です。
陸屋根は、屋根の面が水平か、それに近い状態の屋根です。日本防水材料協会は、建物の屋上は水・熱・紫外線の影響を受け続けていると説明しています。沖縄は雨が多く、日差しも強いため、屋上の防水の手入れが家を長持ちさせるかぎになります。外壁の傷み方は「沖縄の外壁、塗り替え時期はいつ?」で紹介しています。
屋上の防水の主な種類
国土交通省の改修工事の仕様では、防水の主な種類として、アスファルト防水、改質アスファルトシート防水、合成高分子系ルーフィングシート防水(シート防水)、塗膜防水(ウレタンなど)を扱っています。このほか、ガラス繊維で固めるFRP防水もあります。

アスファルト防水
防水用のシート(ルーフィング)を、溶かしたアスファルトなどで2〜4枚重ねて、防水の層をつくる工法です。改質アスファルトのシートを、バーナーであぶりながら貼る工法(改質アスファルトシート防水)もあります。熱で溶かして貼る方法のほか、火を使わずに貼る方法、バーナーであぶって貼る方法などがあります。
シート防水
工場でつくったゴムや塩化ビニル樹脂のシートを、接着剤や固定金具で貼る工法です。合成高分子ルーフィング工業会によると、1枚のシートで防水するので工程が少なく、工期を短くできます。いまの防水層を取り除かずに、上から新しいシートをかぶせて施工できる場合もあります。加硫ゴム系のシートは、天候や寒さ、熱による老化に強く、火を使わずに施工できます。塩化ビニル樹脂のシートは、紫外線や熱による劣化が少なく、軽い歩行ができるとされています。
ウレタン防水(塗膜防水)
液体の材料を塗り重ねて、防水の層をつくる工法です。日本ウレタン建材工業会によると、継ぎ目のない防水層ができ、形が複雑な屋上やベランダでも施工しやすいことが特長です。一方で、下地の形や職人の技量によって、仕上がりに差が出ることがあるとされています。
同じ工業会のQ&Aでは、国土交通省の仕様(X-1)のウレタン防水で、5年ほどごとに保護の塗料を塗り直していると15年ほどの耐久性があり、10〜15年目の改修では、いまの防水層を取り除かずに、ウレタン防水材を塗り重ねるだけで済む、と説明しています。工事の進め方は「ウレタン防水の工事はどう進む?」で紹介しています。
FRP防水
液体の樹脂に、ガラス繊維などを組み合わせて固める塗膜防水です。FRP防水材工業会によると、防水層を表に出したままで、車が走れる仕様もあります。
防水層を守る「保護層」と「トップコート」
防水層の上をコンクリートでおおう屋上(押さえコンクリート)と、防水層が表に出ている屋上(露出防水)があります。露出防水では、いちばん上に「トップコート」という保護の塗料を塗ります。トップコートは、防水層を守り、見た目を整える役目をします。
日本防水材料協会によると、断熱材の上に防水層を表に出して施工した屋上は、熱が逃げないため防水層が高温になり、劣化が進みやすくなります。トップコートの塗り替えの時期は「防水の「トップコート」は塗り替えが必要?」、日差しの熱と湿気で防水層がふくれるしくみは「屋上の防水層がふくれるのはなぜ?」で紹介しています。
改修のときは「撤去」か「かぶせる」か
防水を直すときは、いまの防水層を取り除いてから新しくする方法と、いまの防水層の上に新しい防水層をかぶせる方法があります。
日本防水材料協会によると、いまはかぶせる方法がもっとも多く、廃材が少ないことや、工事中に雨漏りしにくいことが利点です。いまの防水層の傷みが激しいときは、取り除く方法を選び、工事中の雨漏りに気をつけて進めます。
国土交通省の改修工事の仕様でも、いまの防水層の表面が劣化し、ふくれや浮きが全体に広がっているときは、取り除かずに施工してよいかを協議することになっています。
どの種類が合うかは、次のようなことで変わります。
- いまの防水の種類と、傷み具合(ふくれや浮きが広がっていないか)
- 屋上の形(でこぼこや段差、設備の多さ)
- 屋上を歩いて使うかどうか
- 工事の期間や、工事中のにおい・音
現地調査で屋上の状態を見てから決めるのが確実です。
屋上の劣化のサインと点検の目安
沖縄県の手引書には、屋上の点検と補修の目安が載っています。

手引書にある点検と補修の目安は、屋上の種類によって違います。
防水層が表に出ている屋上
- 見ておきたいこと:トップコートの劣化、防水層の割れ・ふくらみ・水たまり
- 補修の目安:5〜7年ごとにトップコートの塗り替え、12〜15年くらいで防水層の補修を検討
コンクリートでおおった屋上
- 見ておきたいこと:保護層のひび割れ・破損・水たまり
- 補修の目安:20〜30年くらいで防水層と保護層の全面補修を検討
排水口(ドレン)
落ち葉や砂、ごみがつまっていないかを見ます。手引書では、台風が過ぎたあとや、風が強かった日の翌日に、目で見て確かめることが勧められています。日本ウレタン建材工業会も、排水口の泥などのつまりを取り除き、水たまりができないようにすることを勧めています。同じ工業会のQ&Aでは、1か月に1度は点検して、土や枯れ葉を取り除くことを勧めています。掃除のしかたは「屋上・ベランダの排水口(ドレン)掃除のしかた」で紹介しています。
合成高分子ルーフィング工業会は、シート防水で雨漏りがなくても、10年以上たった建物では、くわしい診断をすることにしています。
※ 屋上を歩くときは、防水層を傷つけないよう、やわらかい靴底の靴をはいてください。手すりのない屋上の端には近づかないでください。
屋上の状態を確かめる・相談する
まずは、雨が上がったあとに水たまりが残っていないか、排水口のまわりにごみがたまっていないかを見てみましょう。屋上に上がれないときや、ひび割れ・ふくれが気になるときは、写真を送るだけで担当者が状態をお返しする写真で無料診断をご利用ください。
防水工事の内容は防水工事のページで、費用の目安はかんたん見積もりで確かめられます。これまでの工事は施工事例でご覧いただけます。台風の前と後に見ておきたい場所は「台風の前と後に確かめたい、外壁・屋上・ベランダのチェックポイント」にまとめています。
よくある質問
主に、アスファルトのシートを重ねるアスファルト防水、シートを貼るシート防水、液体を塗り重ねるウレタン防水、ガラス繊維で固めるFRP防水があります。屋上の形やいまの防水の状態に合わせて、合う工法をご提案します。
防水の種類や状態によります。沖縄県の手引書では、防水層が表に出ている屋上は、5〜7年ごとにトップコートを塗り替え、12〜15年くらいで防水層の補修を検討するとされています。
防水層が表に出ている屋上では、防水層を守るトップコートだけを塗り直すことがあります。沖縄県の手引書では、5〜7年ごとのトップコートの塗り替えが目安とされています。防水層まで傷んでいるときは、防水層の補修が必要です。
はい、過ごせます。屋上やベランダの工事は、家の中に入らずにできることがほとんどです。においが出る作業の日は、前もってお知らせします。
はい。現地調査で、雨水がどこから入っているかを調べます。原因が分かったうえで、必要な工事だけをご提案します。