外壁の塗装は、家を雨や日差しから守る役目をしています。塗装が傷むと、外壁の材料そのものに水が入りやすくなり、家の傷みにつながります。
この記事では、沖縄の外壁が傷みやすい理由と、見ておきたい劣化のサイン、劣化が進む段階、塗り替えを考える時期の目安を、沖縄県の手引書や塗料メーカーの説明をもとに紹介します。沖縄で家をお持ちの方や、築10年前後で塗り替えを考えはじめた方に読んでいただきたい内容です。
沖縄の外壁が傷みやすい3つの理由
塗料メーカーの日本ペイントは、塗装の膜(塗膜)が傷む主な原因として「紫外線」「熱(太陽光の赤外線)」「水」の3つを挙げています。沖縄は、この3つの影響を受けやすい気候です。
1. 強い日差し
沖縄県の資料では、沖縄は日照時間が全国平均より短い一方で、太陽が高いために一年を通じて日射量が多く、晴れたときの日差しが強いと説明されています。気象庁の平年値(1991〜2020年)でも、日射量は那覇のほうが東京より多くなっています。
2. 多い雨と、一年中高い湿度
気象庁の平年値では、那覇の年間の降水量は2,161.0ミリメートルで、東京の1,598.2ミリメートルより多くなっています。平均の湿度も、那覇は73%、東京は65%です。沖縄県の資料では、冬でも月の降水量が100ミリメートルをこえ、雨の日は夏も冬も月10日前後あるとされています。
沖縄県の手引書は、湿気による傷みとして、カビ、変色、ふくれ、はがれ、さび、藻、コケなどを挙げています。
3. 潮風と台風
沖縄総合事務局と沖縄県が監修した橋の資料では、沖縄は台風が多く、海の塩の粒が多く飛んでくるため、鉄が腐食しやすい地域だと説明されています。鉄の腐食は、塩分があると進み、湿度と気温が高いほど活発になります。
沖縄県の手引書では、台風や強い風のあとは、建物に付いた塩分を洗い流すこと(特に窓やドアのまわり)が勧められています。
塗料メーカーの日本ペイントも、沿岸部など塩害の影響を受ける地域、湿度の高い地域、日差しの影響を強く受ける地域を、塗膜の寿命(期待耐用年数)に影響する条件として挙げています。屋根は外壁よりも日差しや雨を直接受けるため、屋根の期待耐用年数は外壁の2分の1から3分の2ほどとしています。
見ておきたい劣化のサイン
外壁に次のようなサインが出ていないか、ときどき見てみましょう。

- 色あせ:色が濁ったり、白っぽくぼけたりします
- チョーキング:外壁を手のひらでさわると、白っぽい粉が付きます。塗り替えの時期にさしかかったサインといわれます
- ひび割れ:髪の毛ほどの細い割れ(ヘアクラック)から、大きな割れまであります。割れから水が入ると、外壁の材料が傷みます
- ふくれ・はがれ:塗膜に泡のようなふくらみができたり、塗膜が外壁から離れたりします。ふくれは、水が入ったときに起こりやすいとされています
- カビ・藻:湿気があり、適度に光が当たる北側の壁には、緑色の藻が生えやすいとされています
- 目地のシーリングの切れ:外壁のつなぎ目に詰めて、水が入らないようにする材料(シーリング。コーキングともいいます)が、切れたりやせたりします
- 鉄部のさび:ベランダの手すりや門扉など、鉄の部分にさびが出ます
※ ひび割れの幅や深さ、さびの広がりは、見た目だけでは判断しにくいことがあります。高い所は無理に見ようとせず、気になるときは専門の業者に点検を頼んでください。
劣化は4つの段階で進む
塗料メーカーのエスケー化研は、塗膜の劣化を4つの段階で説明しています。

- 汚れや色あせなど、見た目が悪くなる
- 表面の劣化が進み、チョーキングやひび割れなどが出る
- さらに進み、浮きやはがれが出はじめる
- 塗膜がつながらなくなり、外壁との密着や、外壁を守る力を失う
エスケー化研は、2〜3の段階に達したころ(3の手前が理想)が、修繕に適した時期としています。日本ペイントも、最後の段階の「はがれ」が起こると、塗料が外壁を守れなくなり、建物そのものの劣化につながると説明しています。
塗り替えの時期の考え方
沖縄県の手引書には、住まいの点検と補修の目安の表があります。外壁の塗装は、汚れ、チョーキング、浮き、ひび割れ、はがれなどを、ふだんから目で見て確かめ、10〜15年くらいで全面補修を検討する、とされています。使う材料や劣化の状態によって、時期にはかなり幅があるとも書かれています。
同じ表では、ベランダの鉄の部分は3〜5年ごとの塗り替え、コンクリートの軒の裏やベランダの下側は、台風のあとに目で見て確かめることが勧められています。鉄の部分の塗り替えは「ベランダの手すり・門扉・フェンスのさび」で紹介しています。
塗料メーカーの関西ペイントは、新築から5年目を点検の時期の目安にしています。日本ペイントは、つやがなくなり、汚れや色あせが目立ってきたときを、塗り替えを検討するタイミングとしています。
日本ペイントは、つやがなくなったり色があせたりした状態をそのままにしておくと、割れ、はがれ、ふくれなどに進み、さらに進むと建物そのものの劣化につながると説明しています。見た目の変化は、点検を考えるよい合図です。
年数はあくまで目安です。同じ年数でも、日当たりや海からの距離、使った塗料によって傷み方は変わります。年数だけで決めず、いまの外壁の状態を見て考えることが大切です。カタログなどにある年数の読み方は「塗料の「耐用年数」はどう読む?」で紹介しています。塗料の種類ごとの違いは、塗料グレード比較で確かめられます。
劣化のサインを自分で確かめる・相談する
まずは、晴れた日に家のまわりを一周して、外壁を見てみてください。チョーキングは、外壁を手のひらでさわると確かめられます。北側の壁、窓やドアのまわり、目地、ベランダの鉄の部分は、とくに見ておきたい場所です。ひび割れの見方は「外壁のひび割れ(クラック)は直すべき?」、目地の傷みは「外壁の目地のシーリング(コーキング)は打ち替え?増し打ち?」で紹介しています。
関西ペイントの「お住まいの健康度チェック」では、外壁のひび割れ、塗装の浮きやふくれ、手でさわると白い粉が付く、カビやコケ、目地のシーリングの切れ、色あせ、鉄の部分のさびなどを確かめる項目に挙げています。いくつ当てはまるかを、家族で一緒に見てみるのもよい方法です。台風のあとに見ておきたい場所は「台風の前と後に確かめたい、外壁・屋上・ベランダのチェックポイント」でまとめています。
当てはまるサインを選ぶと塗り替え時期の目安がわかる劣化セルフ診断や、写真を送るだけで担当者が状態をお返しする写真で無料診断もご利用ください。費用の目安はかんたん見積もりで計算できます。外壁塗装の内容は外壁塗装のページで紹介しています。
よくある質問
塗料の種類によりますが、一般的には10〜15年ごとが目安です。沖縄県の手引書でも、外壁の塗装は10〜15年くらいで全面補修を検討するとされています。色あせやひび割れ、チョーキングなどのサインが出たら、早めに点検を頼むことをおすすめします。
チョーキングは、塗り替えの時期にさしかかったサインです。すぐに雨漏りするわけではありませんが、ほかのサイン(ひび割れ・ふくれなど)が出ていないかもあわせて確かめ、塗り替えの計画を考えはじめる目安にしてください。
沖縄県の手引書では、ベランダの鉄の部分は、さびや腐食、手すりのぐらつきなどを確かめ、3〜5年ごとに塗り替えることが目安とされています。外壁より早めの手入れが必要です。
はい。塗装の前に、ひび割れの幅や深さに合わせて補修します。コンクリートの欠け(爆裂)や、目地のシーリングの割れも、あわせて直します。
はい、現地調査とお見積りは無料です。お見積りのあとにお断りいただいても、費用はかかりません。
参考にした情報
- 『風土に根ざした家づくり手引書』(令和4年度版)附録・第2章(新しいタブで開きます)
- 沖縄の住まいづくり(基本編)第1章(新しいタブで開きます)
- 平年値(那覇)(新しいタブで開きます)
- 平年値(東京)(新しいタブで開きます)
- 沖縄地区鋼橋防食マニュアル(平成31年3月)(新しいタブで開きます)
- 塗膜の劣化(塗料の基礎知識)(新しいタブで開きます)
- 白亜化(チョーキング)・期待耐用年数(用語集)(新しいタブで開きます)
- 一般的にはどのようなタイミングで外壁の塗替えをするのがよいでしょうか?(新しいタブで開きます)
- よくあるご質問(用語説明)(新しいタブで開きます)
- お住まいの健康度チェック(新しいタブで開きます)