介護保険の住宅改修、申請の流れは?
工事の前にすることと必要な書類
介護保険の住宅改修(介護保険を使った住まいの工事)は、工事を始める前に、市町村に申請する決まりです。順番をまちがえると、介護保険から支給されないことがあります。
この記事では、相談から支給までの流れと、工事の前とあとに出す書類を、厚生労働省の資料をもとに説明します。後半では、宜野湾市・那覇市・浦添市・沖縄市・うるま市などの窓口と、市町村ごとに違うところも紹介します。住宅改修のしくみは「介護保険の住宅改修とは?」をご覧ください。
相談から支給までの流れ
厚生労働省の資料では、住宅改修は次の順番で進みます。

1. ケアマネジャーに相談する
まず、ケアマネジャーに、家の中で困っていることを伝えます。要支援の方は、地域包括支援センターが相談の窓口です。ケアマネジャーの探し方は「ケアマネジャーはどうやって探す?」で紹介しています。
2. 事業者を選び、見積もりをもらう
工事をする事業者を選び、見積もりを頼みます。国の通知では、ケアマネジャーなどが、いくつかの事業者から見積もりを取るよう、利用者に説明することになっています。見積書の見方は「住宅改修の見積書はどこを見る?」で紹介しています。
3. 工事の前に、市町村へ申請する
見積書や「住宅改修が必要な理由書」などをそろえて、市町村に出します。
4. 市町村が確認し、結果を知らせる
市町村が、工事の内容が介護保険の対象になるかを確かめ、結果を知らせます。この確認は、工事のあとに決まる支給とは別のものです。
5. 工事をして、事業者に支払う
市町村から連絡があってから、工事を始めます。工事が終わったら、事業者に支払います。
6. 工事のあとに、支給の申請をする
領収書や工事のあとの写真などをそろえて、市町村に支給の申請をします。工事費の内訳は、見積書ではなく、実際に行った工事の内訳書を出します(宜野湾市の書類のチェックリストでも、見積書は使えないとしています)。
7. 支給される
市町村が支給の額を決め、支給されます。たとえば那覇市の手引きでは、支給の申請書を受け取った翌月の20日に支給するとしています。
工事の前に出す書類
厚生労働省の資料では、工事の前に、次の書類を出します。
- 支給申請書
- 工事費の見積書
- 住宅改修が必要な理由書
- 工事のあとの完成予定が分かるもの(日付入りの写真や、家の間取り図など)
理由書は、ケアマネジャー、地域包括支援センターの担当の方、作業療法士、福祉住環境コーディネーター2級以上の資格を持つ方などが作ります。国の通知では、理由書を作る費用を、利用者から別にもらうことはできないとしています。理由書に書くことは「住宅改修の「理由書」とは?」で紹介しています。

工事のあとに出す書類
工事が終わったら、次の書類を出します。
- 工事にかかった費用の領収書
- 工事費の内訳書
- 工事の前とあとの写真(撮影した日が分かるもの)
- 家の持ち主の承諾書(家の持ち主が、ご本人ではないとき)
沖縄の市町村の窓口と、違うところ
申請の窓口や書類の名前は、市町村によって違います。2026年10月に、各市町村の公式の案内で確かめた窓口は次のとおりです。
| 市町村 | 窓口 |
|---|---|
| 宜野湾市 | 介護長寿課 |
| 那覇市 | ちゃーがんじゅう課 |
| 浦添市 | いきいき高齢支援課 |
| 沖縄市 | 介護保険課 |
| うるま市 | 介護長寿課 |
| 北谷町・西原町・中城村・北中城村 | 各町村の福祉課(介護保険は沖縄県介護保険広域連合) |
ここに挙げた市町村では、支払いの方法として「償還払い(いったん全額を払い、あとで支給分が戻る)」と「受領委任払い(自己負担の分だけを払う)」が案内されています。受領委任払いは、市町村などに登録した事業者に工事を頼んだときに使えます。生活保護を受けている方など、受領委任払いを使えない場合もあり、その決まりは市町村によって違います。
市町村ごとに、たとえば次のような違いがあります。
- 宜野湾市:見積書に「一式」とまとめて書いたものは使えません
- 那覇市:工事の前の書類に、ケアプランの写しが入ります。領収書の宛名は、ご本人です
- 沖縄市:工事を始める日と終わる日が、認定の有効期間の中にあることが必要です
- うるま市:工事の前の書類を出すときは、窓口に連絡して予約を取ります
- 沖縄県介護保険広域連合(北谷町など):家の持ち主の承諾書は、持ち主がご本人でも必要です。審査には1〜2週間ほどかかります
広域連合の市町村での手続きは「沖縄県介護保険広域連合の市町村で住宅改修をするには?」で紹介しています。
※ 窓口の名前や書類は、変わることがあります。申請の前に、お住まいの市町村の窓口か、ケアマネジャーに確かめてください。各市町村の案内は、この記事の最後の「参考にした情報」から開けます。
申請で気をつけたいこと
- 市町村から連絡があるまで、工事を始めない。宜野湾市の案内では、着工の許可の連絡の前に工事をすると、支給を受けられなくなるとしています
- 写真は、撮影した日が分かるように撮る
- 入院中に、退院したあとの暮らしのために工事をしたいときは、先に工事ができる場合があります。たとえば那覇市の手引きでは、入院中や要介護認定の申請中でも工事の前の申請と工事ができ、支給の申請は、家に戻ったあとや認定が出たあとにするとしています
- 受領委任払いは、入院中や認定の申請中などは使えないことがあります。たとえば沖縄県介護保険広域連合の手引きでは、入院・入所中の方、認定を申請中の方、生活保護を受けている方などは使えないとしています
- 「いずれ使うかもしれないから」という理由だけの工事は、支給されないことがあります(宜野湾市の案内のよくある質問)
- 申請には期限があります。たとえば沖縄県介護保険広域連合の手引きでは、領収した日の翌日から2年としています
- 工事の途中で内容が変わったときは、届け出が必要な市町村があります(浦添市・沖縄市には、変更を届け出る書類があります)
相談の前に、まとめておくと進めやすいこと
- 家の中で困っている場面(どこで、どんな動きのときか)
- 家の持ち主(ご本人か、ご家族か、大家さんか)。持ち主がご本人でないときは、承諾書が必要です
- 支払いの方法の希望(償還払いか、受領委任払いか)
- 入院中のときは、退院の予定の時期
ケアマネジャーと、かなさホームに相談する
書類は多いですが、ケアマネジャーや工事の事業者と分担して進められます。かなさホームでは、工事の前の申請に使う見積書・図面・工事の前の写真などを用意して、ケアマネジャーさまにお渡しします。
ケアマネジャーの方は「ケアマネジャーの方へ」もご覧ください。ご本人やご家族からのご相談は、お問い合わせから受け付けています。ご依頼の流れは、かなさホームのご依頼の流れで紹介しています。
よくある質問
答え:いいえ。住宅改修は、工事の前に申請し、市町村から連絡があってから工事を始めます。先に工事を始めると、支給されないことがあります。
答え:ケアマネジャーや、地域包括支援センターの担当の方などが書きます。理由書を作る費用を、利用者から別にもらうことはできない決まりです。
答え:国の通知では、いくつかの事業者から見積もりを取るよう、ケアマネジャーなどが利用者に説明することになっています。ケアマネジャーとご相談ください。
答え:償還払いのときは、工事が終わったら工事費の全額を事業者に払い、あとで介護保険の支給分が戻ってきます。受領委任払いのときは、自己負担の分だけを事業者に払います。
答え:市町村によって違います。たとえば沖縄県介護保険広域連合の手引きでは、審査に1〜2週間ほどかかるとしています。日程に余裕をもって申請してください。
答え:退院したあとの暮らしのために、入院中に工事の前の申請や工事ができる場合があります。扱いは市町村によって違うので、ケアマネジャーや市町村の窓口に確かめてください。
参考にした情報
- 介護保険における住宅改修(新しいタブで開きます)
- 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について(老企第42号)(新しいタブで開きます)
- 介護保険住宅改修についてのご案内について(利用者向け)(新しいタブで開きます)
- 過去の事例から確認された住宅改修の注意事項(令和7年3月)(新しいタブで開きます)
- 住宅改修 必要書類のチェックリスト(事前申請・事後申請)(新しいタブで開きます)
- 介護保険住宅改修(新しいタブで開きます)
- 介護保険住宅改修費支給申請の手引き(令和4年12月改定)(新しいタブで開きます)
- 介護保険関係 届出・申請書ダウンロード(新しいタブで開きます)
- 介護保険の住宅改修と福祉用具購入費の受領委任払いについて(新しいタブで開きます)
- 介護保険の住宅改修費支給申請について(令和7年7月)(新しいタブで開きます)
- 福祉用具・住宅改修関連(新しいタブで開きます)
- 介護保険 住宅改修の手引き(令和7年4月改正)(新しいタブで開きます)
- 沖縄県介護保険者(市町村)一覧(令和4年4月1日現在)(新しいタブで開きます)