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トイレ・浴室

冬のお風呂の事故を防ぐには?
沖縄でも気をつけたい脱衣所と浴室の寒さ

寒い季節は、高齢の方のお風呂での事故が多くなります。沖縄は冬も暖かいといわれますが、暖かい部屋と、冷えた脱衣所や浴室とのあいだには、温度の差が生まれます。

この記事は、親の入浴が気になるご家族に向けたものです。消費者庁と政府広報オンラインが勧める入浴の注意と、ご家族ができる声かけ、住まいの温度差を小さくする考え方を紹介します。体調のことは、かかりつけの医師にご相談ください。

冬は、お風呂での事故に気をつけたい季節

消費者庁の注意(令和7年12月23日)によると、厚生労働省の人口動態統計では、令和6年に浴槽の中で、または浴槽に落ちて溺れて亡くなった方は7,776人でした。このうち65歳以上の方が7,363人で、約95%を占めています。65歳以上の方の交通事故で亡くなった方(2,103人)の3倍以上です。年代別では、80歳以上の方が4,717人(60.7%)、65〜79歳の方が2,646人(34.0%)でした。

同じ資料では、東京消防庁によると、令和5年に溺れる事故で救急搬送された65歳以上の方は460人で、冬に増える傾向があるとしています。

政府広報オンラインでは、入浴中に意識を失い、浴槽で溺れる事故は、毎年11月から4月にかけて多く起きているとしています。

原因の一つとして挙げられているのが、温度の差です。暖かい部屋から、寒い脱衣所や浴室に移ると、血圧が急に変わります。熱いお湯に長くつかって体温が上がることも、意識がぼんやりする原因として挙げられています。

政府広報オンラインの説明では、暖房のきいた部屋から冷えた脱衣所に移って服を脱ぐと、血管が縮んで血圧が上がります。そのあと浴槽で体が温まると、血管が広がって血圧が下がります。この急な変化で、一時的に脳に血液が回らず、意識を失うことがあるとしています。持病や前ぶれがなくても起こるおそれがあるので、「自分は元気だから大丈夫」と思いこまないよう呼びかけています。

入浴の前にしたいこと

消費者庁は、入浴の前のポイントとして、次のことを挙げています。

  • 温度差を減らすため、前もって脱衣所や浴室を暖めておく
  • 温度計を使って、部屋と部屋の温度の差を「見える化」する
  • 脱水などを防ぐため、入浴の前に水分をとる(入浴中も、のどがかわいたらこまめに)
  • 食事のすぐあとや、お酒を飲んだあと、薬を飲んだあとの入浴は避ける(政府広報オンラインは、体調の悪いときも避けるよう呼びかけています)
  • 一緒に住む人がいるときは、入浴の前にひと声かけ、入浴中だと知っておいてもらう
入浴の前にしたい3つを並べた図。脱衣所と浴室を暖める、水分をとる、家族にひと声かける
入浴の前にしたい3つ(消費者庁の注意から)

浴室に暖房がないときの工夫として、政府広報オンラインは、浴槽にお湯をためるときにシャワーから入れる、お湯がわいたらよくかき混ぜて湯気を立て、ふたを外しておく、といった方法を紹介しています。

入浴中に気をつけること

  • 熱いお湯や、長い時間の入浴は避ける。湯の温度や入浴の時間は、温度計やタイマーで「見える化」する
  • 政府広報オンラインでは、お湯の温度は41度以下、つかる時間は10分までを目安としています
  • お湯に入る前に、かけ湯をする。心臓から遠い足先から肩まで、少しずつお湯をかけて、お湯の温度に体を慣らす
  • 浴槽から急に立ち上がらない。手すりや浴槽のふちを使って、ゆっくり立ち上がる
  • 浴槽の中で意識がぼんやりしてきたら、気を失う前にお湯を抜く

家族ができる声かけと見守り

消費者庁と政府広報オンラインは、一緒に住むご家族に、入浴中の方を気にかけておくよう呼びかけています。「時間が長い」「音がまったくしない」「突然大きな音がした」など、何かおかしいと感じたら、ためらわずに声をかけてください。

政府広報オンラインでは、浴槽でぐったりしている人を見つけたときの手当ても紹介しています。浴槽の栓を抜くこと、大きな声で助けを呼ぶこと、すぐに救急車を呼ぶことなどです。いざというときのために、家族で知っておくと安心です。

離れて暮らす親には、入浴する時間帯を聞いておき、電話をかける時間を合わせるなど、家族でできる見守りの方法を話し合っておくのも一つの方法です。

住まいの温度差を小さくする(国の指針の考え方)

国土交通省の指針(高齢者が住む家の設計の考え方)では、居室・トイレ・脱衣所・浴室などのあいだの温度差をできるだけなくし、ヒートショック(急な温度の差で、血圧が大きく変わること)を防ぐため、断熱や換気に配慮し、冷暖房の設備を使えるつくりにすることが示されています。

居間・脱衣所・浴室の温度の差を、色の濃さで表した図。そのままだと居間だけが暖かい。脱衣所と浴室を暖めておくと、差が小さくなる
部屋と部屋の温度の差(イメージ)

消費者庁の調査(令和5年3月)では、自宅で使っている事故を防ぐための設備として、「浴室や脱衣所の暖房器具」を挙げた人がいちばん多く、28.9%でした。

浴室の手すり・床・通報のブザー

国土交通省の指針では、浴室には、浴槽に出入りするための手すりを付けることが基本として示されています。沖縄県の『風土に根ざした家づくり手引書』でも、浴室には、要所に手すりを付けること、ぬれてもすべりにくい床にすること、浴槽はまたぎやすい高さにすること、非常時に知らせるブザーを付けることを勧めています。

沖縄の冬の気温の目安

気象庁の平年値(1991〜2020年)では、那覇の1月の平均気温は17.3度、1日の最低気温の平均は14.9度です。2月も平均気温は17.5度、最低気温の平均は15.1度です。

気温が高めでも、暖房を使った部屋と、暖房のない脱衣所や浴室のあいだには、差が生まれます。部屋ごとの温度を温度計で確かめておくと、どこを暖めればよいかが分かりやすくなります。

冬の入浴のことを、家族で話しておく

冬が来る前に、入浴の時間帯、ひと声かける決まり、お湯の温度と時間の目安を、家族で話しておいてください。脱衣所と浴室を暖める道具も、早めに用意しておくと安心です。

浴室の手すりや段差、すべりにくい床への工事は、介護保険の住宅改修(介護保険を使った住まいの工事)を使える場合があります。要支援・要介護の認定を受けていることと、工事の前に市町村へ申請することが必要です。かなさホームでは、介護福祉士と福祉住環境コーディネーターの資格を持つ担当が、入浴の動きをうかがいながら一緒に考えます。ご相談・現地調査・お見積りは無料です。介護保険でできる工事はできる工事で紹介しています。ご相談はお問い合わせからどうぞ。

浴室の出入口の段差は「浴室の出入口の段差をなくすには?」で、介護保険で借りられる福祉用具は「介護保険で借りられる福祉用具は?」で紹介しています。

よくある質問

答え:那覇の1月の平均気温は、平年値で17.3度です。暖かい部屋と、脱衣所や浴室のあいだには温度の差が生まれるので、国が呼びかけている注意と同じ準備をしておくと安心です。

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