北側の外壁や、日の当たりにくい壁の下のほうに、黒ずみや緑のよごれが出てきた。こうしたよごれは、カビや藻(も)、コケのことが多く、湿気の多い沖縄の家ではよく見られます。
この記事では、外壁の黒ずみや緑のよごれの正体と、出やすい場所と理由、自分で落とすときの注意、塗り替えのときに考えたいことを、塗料メーカーや沖縄県、国民生活センターの資料をもとに紹介します。
外壁の黒ずみ・緑のよごれの正体
塗料メーカーの日本ペイントは、湿気があり、適度に光が当たる北側の壁には、空気中で育つさまざまな種類の緑藻(りょくそう)類が生えやすいと説明しています。外壁の緑のよごれは、この藻のことが多くあります。黒っぽいよごれは、カビのほか、雨水が流れた跡によごれが付く「雨筋(あますじ)よごれ」のこともあります。日本ペイントは、塗膜の表面に目に見えるほどのよごれが付いた状態を「汚染」と呼び、その例に外壁の雨筋よごれを挙げています。
沖縄県の『風土に根ざした家づくり手引書』では、水分が直接関わって建物の環境を悪くする現象を「湿害」として、カビ、ふくれ、はがれ、さび、藻類、コケなどを挙げています。関西ペイントの「お住まいの健康度チェック」でも、外壁にカビやコケが出ていることを、ひび割れやチョーキング(さわると白い粉が付くこと)と並ぶ確認の項目にしています。TRUSS の劣化セルフ診断でも、カビ・コケ・藻が目立つことを、塗膜の傷みのサインの一つにしています。
カビや藻は、見た目の問題だけでなく、外壁を点検するきっかけとして気にかけておきたいよごれです。
沖縄の外壁にカビや藻が出やすいわけ
気象庁の平年値(1991〜2020年)では、那覇の平均湿度は1年で73%、東京は65%です。いちばん湿度が高いのは6月で、83%あります。年間の降水量も、那覇は2,161.0ミリメートルで、東京の1,598.2ミリメートルより多くなっています。沖縄県の『沖縄の住まいづくり』でも、沖縄は雨の量も雨の日も多く、1年中湿度が高いため、湿気がこもらない工夫が必要だとしています。
沖縄県の手引書は、湿気による傷みには、空気中の水蒸気だけでなく、雨漏りや配管からの水もれ、コンクリートや木材がふくむ水分が関わることもあるとしています。同じ所にだけ、くり返しよごれが出るときは、その壁がぬれやすい理由がないかも見ておきましょう。
日本ペイントは、北側の壁のほか、次のような条件が加わると、藻がさらに生えやすくなるとしています。

- 北側の壁:湿気があり、適度に光が当たる
- 軒(のき)のない壁:屋根や庇(ひさし)のでっぱりがない
- 木の近く:庭木や植え込みのそば
- 湿気がこもる所:湿気がこもりやすく、乾きにくい所
同じ家でも、壁の向きやまわりの様子によって、よごれ方がちがうことがあります。晴れた日に家のまわりを一周して、北側の壁や庭木のそばなど、乾きにくい所を見てみましょう。
自分で落とすときの注意
手の届く低い所のよごれを、自分で落とすこともできます。そのときは、次のことに気をつけてください。

高い所には上らない
国民生活センターによると、医療機関から寄せられた脚立やはしごからの転落事故は、60〜70歳代が半数以上をしめ、約半数が入院の必要なけがでした。事故の約8割は屋外で起きています。国民生活センターは、脚立やはしごを使わない方法を考えること、一人きりで作業しないこと、無理のない計画を立てて作業中の「あと少し」をなくすこと、ヘルメットや滑りにくい靴を用意することを呼びかけています。2階の外壁など高い所は、自分で落とそうとせず、業者に頼みましょう。
洗浄剤は表示を守り、混ぜない
洗浄剤を使うときは、製品の表示を守ります。国民生活センターは、住宅用の塩素系の洗浄剤は、酸性の洗浄剤などと混ざると有害な塩素ガスが出るため、必ず単独で使い、換気を十分にして、保護具を着けるよう呼びかけています。使ったあとは十分に水で流し、ほかの洗浄剤を続けて使わないようにします。
アルミのサッシや窓枠に、酸性・アルカリ性・塩素系の洗浄剤が付くと、金属を腐食させ、塗膜のはがれの原因になります。日本サッシ協会は、付いたときはすぐに洗い落とすよう呼びかけています。
窓やドアに勢いよく水をかけない
日本サッシ協会は、窓やドアに、ホースや高圧洗浄機で勢いよく水をかけないよう呼びかけています。家の中へ水が入るおそれがあります。
塗り替えのときに考えたいこと
塗り替えの工事では、塗る前に外壁を洗います。日本ペイントによると、よごれや古い塗膜を残したまま塗ると、塗料がしっかり付かず、はがれの原因になり、仕上がりや長持ちにも影響します。洗浄は高圧洗浄が一般的で、落としきれない古い塗膜やさびは、道具を使って取り除くこともあります。関西ペイントも、塗り替えの工事の流れで、水洗機などで外壁や屋根のよごれ・藻・カビなどを落とすとしています。
洗ったあとは、外壁をよく乾かしてから塗ります。エスケー化研は、コンクリートの下地は、付いた物を取り除き、よく乾かすことが大切だとしています。乾き具合の目安は、含水率(ふくまれる水分の割合)10%以下です。
塗料を選ぶときは、よごれにくさも考えます。
- 防藻・防かびの機能:日本ペイントは、防藻・防かびの機能がある塗料で塗り替えるのが一般的だとしています。エスケー化研も、藻やかびが付きにくい塗料を選ぶときは、特長に「防かび・防藻性」と書いてある製品を選ぶよう勧めています
- 低汚染(よごれにくい)タイプ:日本ペイントによると、塗膜の表面が水になじみやすい(親水性が高い)塗料は、よごれが付きにくく、よごれても雨や水洗いで落ちやすくなります
塗料の種類ごとのちがいは「外壁の塗料はどう選ぶ?」で、長い目で見た費用は塗料グレード比較で確かめられます。
よごれの状態を確かめる・相談する
カビや藻は、湿気が多く、乾きにくい所に出やすいよごれです。高い所は自分で落とそうとせず、ひび割れやはがれなど、ほかのサインが出ていないかもあわせて見てください。沖縄県の手引書でも、外壁の塗装は、よごれ、チョーキング、浮き、ひび割れなどを、ふだんから目で見て確かめることが勧められています。
当てはまるサインを選ぶと塗り替え時期の目安がわかる劣化セルフ診断や、写真を送るだけで担当者が状態をお返しする写真で無料診断もご利用ください。TRUSS の外壁塗装では、高圧洗浄で汚れやカビ、古い塗膜を洗い流してから、下地を整えて塗ります。塗り替えをせず、外壁の洗浄だけを行う工事もお受けしています。工事の内容は外壁塗装のページで紹介しています。塗装のはがれやふくれが気になるときは「外壁の塗装がはがれる・ふくれるのはなぜ?」もご覧ください。
ご相談・現地調査・お見積りは無料です。お問い合わせからどうぞ。
よくある質問
カビや藻が出たからといって、すぐに塗り替えが必要とはかぎりません。色あせやチョーキング、ひび割れ、はがれなど、ほかのサインが出ていないかもあわせて確かめ、塗り替えの計画を考えはじめる目安にしてください。沖縄県の手引書では、外壁の塗装は10〜15年くらいで全面補修を検討するとされています。
よごれや古い塗膜を残したまま塗ると、塗料がしっかり付かず、はがれの原因になるためです。日本ペイントは、仕上がりの見た目だけでなく、長持ちにも影響するとしています。
あります。塗膜の表面が水になじみやすい低汚染タイプの塗料は、よごれが付きにくく、雨や水洗いで落ちやすくなります。藻やかびが気になるときは、防藻・防かびの機能がある塗料を選びます。どの塗料が合うかは、外壁の状態を見てからご提案します。
参考にした情報
- 藻(外壁の汚染)(用語解説)(新しいタブで開きます)
- 汚染(用語解説)(新しいタブで開きます)
- 塗装前になぜ外壁や屋根を高圧洗浄したりするのですか?(新しいタブで開きます)
- 長持ちするだけでなく、汚れにくい外壁用塗料を探している。そんな塗料はありますか?(新しいタブで開きます)
- よくあるご質問(製品の選び方について)(新しいタブで開きます)
- よくあるご質問(施工について)(新しいタブで開きます)
- お住まいの健康度チェック(塗装のハテナ)(新しいタブで開きます)
- 塗り替え工事の流れ(塗装のハテナ)(新しいタブで開きます)
- 『風土に根ざした家づくり手引書』(令和4年度版)第2章・附録(新しいタブで開きます)
- 沖縄の住まいづくり(基本編)第1章(新しいタブで開きます)
- 平年値(那覇)(新しいタブで開きます)
- 平年値(東京)(新しいタブで開きます)
- 思わぬ大けがに!高齢者の脚立・はしごからの転落(新しいタブで開きます)
- 住宅用塩素系洗浄剤の使い方-まぜるな危険!浴室などで事故が発生しています-(新しいタブで開きます)
- アルミサッシのお手入れ方法(新しいタブで開きます)