屋上やベランダのすみにある排水口(ドレン)は、ふだんあまり目を向けない場所です。けれども、ここが詰まると雨水が流れなくなり、屋上やベランダに水がたまります。
沖縄では、梅雨や台風の季節に雨が多くなります。この記事では、雨の多い季節の前に見ておきたい排水口のしくみと詰まりのサイン、安全な掃除のしかた、掃除で直らないときの考え方を、国や沖縄県、防水の業界団体の資料をもとに紹介します。
排水口(ルーフドレン)のしくみと役割
日本防水材料協会の防水用語事典では、ルーフドレンを、屋上の雨水などを排水するための金物と説明しています。真下へ流す「竪引き」と、横へ流す「横引き」の2種類があります。排水口の上には、ごみが管に入らないように、ストレーナーという網状の金物が付いています。
平らに見える屋上やベランダの床にも、排水口に向かってゆるい傾き(勾配)が付けてあります。同じ事典は、排水には勾配がないと水が流れないと説明しています。床に降った雨は、この傾きで排水口に集まり、管を通って地面や側溝へ流れていきます。
国土交通省の改修工事の仕様では、ルーフドレンは水はけよく、床面より下げて取り付けることになっています。また、横に長く走る管や曲がりの多い管は詰まりやすいため、掃除口を設けることになっています。排水口や排水の管は、詰まりに気をつけたい場所です。

詰まりのサイン
沖縄県の『風土に根ざした家づくり手引書』では、ドレンの点検項目として、落ち葉、砂、ごみなどの詰まりを挙げています。日本ウレタン建材工業会も、定期的に点検して、飛んできた物や排水口の泥などの詰まりを取り除き、水たまりができないようにすることを勧めています。

- 雨がやんでも水が引かない:排水口のまわりに水がたまったままになっている
- 落ち葉・砂・ごみがたまっている:ストレーナーのまわりや上に、風で飛んできた物が集まっている
- 土や枯れ葉が積もっている:日本ウレタン建材工業会は、土や枯れ葉がたまると、防水層を早く傷める原因になると説明しています
台風が過ぎたあとや、風が強かった日の翌日は、ごみが集まりやすいときです。沖縄県の手引書では、このタイミングで排水口を目で見て確かめることを勧めています。ベランダの排水口も、同じように見ておきましょう。
梅雨と台風の季節の前に見ておく
排水口を見ておきたいのは、雨が多くなる季節の前です。気象庁の平年値(1991〜2020年)では、沖縄の梅雨入りは5月10日ごろ、梅雨明けは6月21日ごろです。沖縄地方に近づく台風は1年に7.7個で、8月の2.2個がいちばん多く、7月から10月にかけて多くなります。
梅雨入りの前に一度、台風の季節に入る前にもう一度、排水口のまわりを見ておくと安心です。台風が過ぎたあとは、飛んできたごみがたまっていないかを、もう一度確かめます。
ベランダは、ふだんの暮らしの中で目に入りやすい場所です。沖縄県の手引書では、ベランダ(バルコニー)のコンクリートの床のひび割れや破損、床の水たまりも、台風が過ぎたあとに目で見て確かめる項目にしています。洗濯物を干すついでに、排水口と床の様子を見てみましょう。
安全な掃除のしかた
気象庁は、大雨が降る前、風が強くなる前に、側溝や排水口を掃除して水はけをよくしておくよう呼びかけています。掃除は、晴れて床が乾いている日にします。
- 雨の日や風の強い日には上らない:日本ウレタン建材工業会は、表面が水でぬれているとすべりやすいと注意しています。台風が近づいてからの作業は、絶対にやめてください
- 靴と手袋を用意する:防水層を傷つけないよう、ゴム底の靴をはきます。手を守るために、手袋もはめます
- ごみは手で取り、袋に入れる:ストレーナーのまわりの落ち葉や砂、ごみを取り除きます。取ったごみは、排水口の中に落とさないように袋に入れて持ち帰ります
- 汚れは中性洗剤と水で:同じ工業会のQ&Aでは、汚れが落ちないときは、薄めた中性洗剤とやわらかい布でふき取り、十分な水で洗い流すよう勧めています。中性洗剤以外の洗剤は使いません
- 最後に水を流して確かめる:バケツの水を少し流して、排水口へ流れていくかを見ます
防水層の上では、重い物を引きずったり落としたりしないようにします。溶剤やガソリンなどの薬品をこぼすと、防水層がやわらかくなり、ふくれやはがれの原因になると、日本ウレタン建材工業会は説明しています。
※ 手すりのない屋上の端には近づかないでください。はしごをかけないと上れない屋上や、高い所の排水口は、無理をせずに専門の業者に頼んでください。
掃除で直らないとき
ごみを取っても水が引かないときは、管の奥で詰まっていたり、排水口のまわりや防水層が傷んでいたりすることがあります。管の奥のごみを、棒などで無理に押し込むのはやめましょう。
日本ウレタン建材工業会は、防水層の表面の保護の塗料が薄くなっている、はがれている、ひび割れているといった異常に気づいたときは、施工した業者に連絡するよう呼びかけています。掃除のときに、排水口のまわりの表面の様子もあわせて見ておきましょう。
国土交通省の改修工事の仕様では、ルーフドレンの損傷や腐食、納まりによって漏水のおそれがあるときは、協議して直し方を決めることになっています。塗膜防水の工事では、ルーフドレンや配管とのつなぎ目に補強布を入れて、念入りに塗り重ねます。排水口のまわりは、防水の工事でも手をかける場所です。
沖縄県の手引書では、ドレンは防水工事のときなどに取り替えることが目安とされています。防水層の表面のトップコートの傷み方は「防水の「トップコート」は塗り替えが必要?」、ベランダの防水は「ベランダ・バルコニーの防水」で紹介しています。屋根から雨水を流す雨どいの点検は「雨どいの詰まり・外れ・割れ」をご覧ください。
屋上・ベランダの排水口を相談する
排水口の詰まりは、落ち葉やごみを取り除くだけで直ることも多い一方で、掃除で直らないときは、管や防水の傷みが隠れていることもあります。梅雨や台風の季節の前に、一度見ておくと安心です。
屋上に上がれないときや、掃除しても水が引かないときは、写真を送るだけで担当者が状態をお返しする写真で無料診断をご利用ください。掃除で取れない管の中の詰まりの除去や、傷んだ排水口(ドレン)の取り替えもお受けしています。防水工事の内容は防水工事のページで紹介しています。ご相談・現地調査・お見積りは無料です。
よくある質問
日本ウレタン建材工業会のQ&Aでは、場所にもよりますが、1か月に1度は点検して、土や枯れ葉などを取り除くことを勧めています。沖縄県の手引書では、台風が過ぎたあとや、風が強かった日の翌日に、排水口を目で見て確かめることが勧められています。
無理に上らないでください。写真が撮れるときは、写真で無料診断に送っていただくと、担当者が状態をお返しします。現地調査のときに、私たちが屋上やドローンで確かめ、写真でお見せします。お客様が上る必要はありません。
沖縄に台風が多く近づくのは、7月から10月です。その前に、屋上の防水や外壁のひび割れ、排水口のつまりを点検しておくと安心です。塗装や防水の工事は雨の日にはできないため、工事をするなら、日程に余裕をもってご相談ください。