ベランダの床に細かいひび割れがある、色があせてきた、雨のあとに水たまりが残る。ベランダの床は、防水層という水を通さない層で、雨水が建物の中に入るのを防いでいます。防水層が傷むと、ベランダの下の部屋や軒裏に雨水が回ることがあります。
この記事では、ベランダの防水のしくみと、ベランダに多いFRP防水・ウレタン防水のちがい、自分で見られる傷みのサイン、防水を長持ちさせるお手入れを、防水材の業界団体や国、沖縄県の資料をもとに紹介します。
ベランダの防水は、床・立ち上がり・排水口で雨水を止める
住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)によると、バルコニー(ベランダ)には、建物の中に雨水が入るのを防ぐ防水層がつくられています。防水層は、床から外壁や手すり壁の下の部分(立ち上がり)まで、ひと続きで施工されます。床に降った雨水は、排水口(ドレン)に集めて流します。排水口には、落ち葉などが入って詰まらないように、ストレーナーという部品が付いています。
防水層の表面には、トップコート(保護の仕上げの塗料)を塗ります。日本ウレタン建材工業会は、この保護の塗料が薄くなったり、はがれたり、ひび割れたりしているときは、施工した業者に連絡するよう勧めています。

住まいるダイヤルは、立ち上がりと窓のサッシが接する所は雨水が入りやすい所だとしています。また、排水口が詰まると雨水が長くたまり、雨漏りの危険が高くなります。防水層と排水口のつなぎ目にすき間ができると、そこから雨水が入ることもあります。
ベランダに多いFRP防水とウレタン防水
住まいるダイヤルによると、木造住宅のバルコニーでは主にFRP防水とシート防水が使われます。住宅金融普及協会は、マンションのベランダの床は、コンクリートの床の上に防水をした仕上げが一般的だとして、代表的な防水にウレタン防水とFRP防水を挙げています。
| 比べること | FRP防水 | ウレタン防水 |
|---|---|---|
| つくり方 | 樹脂にガラス繊維などを組み合わせて固める | 液状のウレタン樹脂を塗って固める |
| 特長 | 硬くて丈夫。固まるのが速い | 弾力があり、形が複雑な所にも塗りやすい |
| 気をつけたいこと | 硬いため、建物の動きでひびが入ることがある | やわらかく、硬い物で傷つきやすい |
FRP防水
FRP防水材工業会によると、FRP防水は、液状の樹脂(不飽和ポリエステル樹脂)に硬化剤を混ぜ、ガラス繊維などの補強材と一体にした防水です。強くて継ぎ目のない防水層になり、固まるのが速いため、何層も塗り重ねる仕様でも1日で施工を終えられます。住宅金融普及協会は、材質が硬いため、建物の変形で防水層にひびが入ったり、上から重い物を落とすと割れたりするおそれがあるとしています。
ウレタン防水
日本ウレタン建材工業会によると、ウレタン防水は、液状のウレタン防水材を、屋上やベランダなどにこてなどで塗って防水層をつくる工法です。約1日かけて固まり、継ぎ目のない防水層になります。弾性があって伸びが大きく、形が複雑な所でも施工しやすい一方、下地の形や施工の技量で仕上がりに差が出ることがあります。工事の進め方は「ウレタン防水の工事はどう進む?」で紹介しています。
自分で見られる傷みのサイン
沖縄県の『風土に根ざした家づくり手引書』では、ベランダのコンクリートの部分は、ひび割れ、破損、床の水たまりを、台風が過ぎたあとに目で見て確かめることを勧めています。住まいるダイヤルの資料もふまえて、次のような所を見ておきましょう。

- 床のひび割れ・はがれ:床に大きなひび割れや、はがれがある
- 立ち上がり:床と壁の境目や、窓の下の立ち上がりにひびやすき間がある
- 排水口のまわり:ひび割れがある、大雨のときに床一面に水がたまる
- 下の部屋の天井や軒裏:ベランダの下にしみがある
同じ手引書では、ベランダの手すりなどの鉄の部分は、さび、腐食、手すりのぐらつきを見て、3〜5年ごとに塗り替えることが目安とされています。手すりの塗り替えは「ベランダの手すり・門扉・フェンスのさび」で紹介しています。
補修の時期について、沖縄県の手引書は、ベランダのコンクリートの部分は10〜15年くらいで全面補修を検討するとしています。国土交通省の長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)では、分譲マンションの計画の例として、バルコニーの床防水の修繕周期を12〜15年としています。どちらも目安で、立地や使い方で変わります。
防水を長持ちさせる日ごろのお手入れ
住宅金融普及協会は、ベランダの床には、風で飛んできたごみや砂、枯れ葉がたまり、そのままにすると、ごみが風で動いて防水の面を傷つけたり、排水口のまわりにたまって水はけが悪くなったりするとしています。床のお手入れは月に1度、風の強い時期や雨の多い時期は週に1度ほどが目安です。集めたごみは、排水口に流さずに取り除きます。
- 排水口:ストレーナーが正しい向きで付いているか、ごみが詰まっていないかを、定期的に確かめます(住まいるダイヤル)
- ウレタン防水の床:土や枯れ葉がたまると、防水層が早く傷みます。汚れは薄めた中性洗剤とやわらかい布で落とし、水で流します。デッキブラシは使わないようにします(日本ウレタン建材工業会・住宅金融普及協会)
- FRP防水の床:小さなごみや砂を取り除いてから、水を含ませたブラシなどで軽くこすり、水で流します(住宅金融普及協会)
- 歩くとき:ゴム底の履物かスリッパで歩きます。ハイヒールなどは防水層を傷めます(日本ウレタン建材工業会)
- しないこと:火を使う、溶剤やガソリンをこぼす、重い物を引きずる。溶剤などは防水層をやわらかくし、ふくれやはがれの原因になります(日本ウレタン建材工業会)
沖縄県の手引書では、台風や強い風のあとは、建物に付いた塩分を洗い流すこと(特に窓やドアのまわり)が勧められています。
ベランダの防水を相談する
ベランダの防水は、床・立ち上がり・排水口がひと続きになって雨水を止めています。日ごろは排水口と床の掃除を続け、ひび割れやはがれ、水たまり、下の部屋のしみに気づいたら、早めに状態を確かめてもらいましょう。
TRUSS の防水工事では、高圧洗浄、下地の補修、プライマー(防水材を密着させる下地の塗料)のあと、ウレタン防水材を塗り重ねて継ぎ目のない防水層をつくり、トップコートで仕上げます。小さなひび割れや部分的な雨漏りは、部分防水で補修します。ベランダのFRP防水の塗り替えや改修もお受けしています。防水の方法は建物と傷みの状態で変わるため、現地調査のうえでご提案します。工事の内容は防水工事のページ、これまでの工事は施工事例でご覧いただけます。
ベランダの床の写真を送るだけで担当者が状態をお返しする写真で無料診断もご利用ください。中古の家を買う前に、ベランダや屋上の状態を確かめたいときは「中古の家を買う前に見ておきたい外壁と屋上」もご覧ください。
よくある質問
ベランダの床のひび割れや、排水口のまわり、立ち上がりと窓のサッシが接する所などから、雨水が入っている可能性があります。ただ、天井のしみは、配管からの水漏れや結露で出ることもあります。現地調査で、雨水がどこから入っているかを調べます。
日本ウレタン建材工業会は、ウレタン防水の上に植木鉢や物置を置くときは、防水層を傷つけないようにゴムマットを敷き、その上に置くよう勧めています。植木鉢は、ゴムマットの上に受け皿を置き、その上に鉢を置きます。まわりに水やごみがたまらないよう、定期的に掃除してください。防水層の上に直接土を入れて育てることはできません。
はい、過ごせます。屋上やベランダの工事は、家の中に入らずにできることがほとんどです。においが出る作業の日は、前もってお知らせします。