夏になると、最上階の部屋だけが夜になっても暑い。平らな屋上(陸屋根)のコンクリートの家では、そんな悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、屋上のコンクリートが熱をためやすいわけと、「遮熱」と「断熱」のちがい、沖縄の家の屋上でできる暑さ対策と、選ぶときに確かめたいことを、沖縄県の住まいづくりの資料や気象庁のデータ、塗料の業界団体の資料をもとに紹介します。
屋上のコンクリートは、日差しの熱をためやすい
沖縄県の資料によると、沖縄の年間の日照時間は全国平均より短い一方、太陽の高さが高いため、一年を通じて日本の中では日射量が多く、晴れたときの日差しはかなり強くなります。とくに夏は、強烈な日差しが降り注ぎます。気象庁の平年値(1991〜2020年)でも、那覇で1日に受ける日射の量は7月がいちばん多く、7月の最高気温の平均は31.9℃です。
コンクリートは、木に比べて温まりにくく、冷めにくい材料です。沖縄県の資料では、同じ体積あたりの比熱(温めるのに必要な熱の量の目安)は、コンクリートが木材の約3倍とされています。日中に屋根や外壁が強い日差しで温められると、建物全体が熱をため、日が沈んで気温が下がると、明け方にかけてゆっくり熱を出します。
同じ資料で紹介されている、コンクリートの住宅で室温を測った例では、外の気温がいちばん高いのは15時ごろなのに、室温がいちばん高くなるのは18〜20時でした。屋根のコンクリートの板(スラブ)が昼間の熱をため、夜になっても室温が下がらないことが、コンクリートの家の課題とされています。
遮熱と断熱のちがい
暑さ対策には、大きく分けて「遮熱」と「断熱」があります。
- 遮熱:屋上の表面などで日差しをはね返したり遮ったりして、建物に熱が入る前に止める
- 断熱:天井側に断熱材を貼るなどして、建物に入った熱を室内に伝わりにくくする
沖縄県の資料は、年平均気温が22.5度ほどで四季の温度差が小さい沖縄では、寒い地域のように建物を包み込む断熱をする必要はなく、むしろ日差しを外側で遮ることが有効だとしています。「躯体(建物のコンクリートの骨組み)は熱くしない」ことが基本、という考え方です。遮熱をする場所は屋根・屋上だけでなく、外壁や窓も対象で、庇(ひさし)やルーバー、花ブロック、すだれなどで日差しを遮る方法も紹介されています。外壁も、外側で日差しの熱を遮る方法が最も効果が高いと考えられる、とされています。

ただし、外側の対策だけで熱を完全に止められるとは限りません。沖縄県の資料では、屋上に砂利を敷いても、輻射熱(温まった物から出る熱)を完全に遮ることは難しいため、天井側に断熱材を貼って室内への熱を遮る必要がある、としています。
塗料の業界団体の日本塗料工業会の資料も、断熱材のないコンクリートの屋上に遮熱塗料を塗る省エネの効果は「非常に効果あり」、断熱材がある屋上では「効果は小さい」と整理しています。断熱材で、室内に入る熱がもともと大きく抑えられているためです。いまの屋上や天井に断熱材があるかどうかで、合う対策が変わります。
沖縄の家の屋上でできる暑さ対策
沖縄県の資料では、屋上の遮熱の方法として、次のようなものが紹介されています。

遮熱ブロック
屋上のスラブの上にブロックを敷き詰めて、日差しの熱がスラブに直接当たらないようにする材料です。スラブとブロックのあいだに3〜5センチメートルの空気の層があり、熱がスラブに伝わりにくくなります。比較的重いので、沖縄の強い台風でも飛ばされないとされています。
屋上緑化
屋上に土を入れて植物を育てる方法で、資料では遮熱の効果が最も高いとされています。注意点として、屋上でも育つ植物を選ぶ、土を軽くする工夫をする、根が防水層やスラブを傷めないよう防根シートを使う、防水層の立ち上がり(屋上のふちで壁に沿って立ち上げた部分)を確保する、水やりと排水の設備を設ける、が挙げられています。植物が水を蒸発させてスラブが冷えると、室内との温度差でスラブの下側に結露が出ることがあり、天井近くまで断熱材を貼る対策が示されています。
遮熱塗料
屋上のスラブや防水層の表面に、遮熱の効果が高い塗装をする方法です。基本は塗るだけの工程なので、新しい建物だけでなく、いまの建物にも塗ることができます。ただし沖縄では、紫外線や台風などの厳しい自然条件にさらされるため、こまめな手入れや塗り直しが必要です。白は遮熱の効果が最も高い一方、日差しの反射が周りに影響するおそれがあるため、グレー系にするなど色への配慮が必要とされています。
砂利敷き
平らなスラブの上に砂利を敷く方法で、もとは防水層を押さえるためのものです。砂利が日差しを遮り、砂利どうしのすき間の空気の層で、遮熱の効果も期待できます。粒が小さいと台風で飛ばされることがあるため、飛ばない大きさの砂利にする、ネットでおおう、接着剤で固めるといった対策が必要です。
天井側の断熱
スラブの内側(天井側)に断熱材を貼って、室内に伝わる熱を遮る方法です。砂利敷きや屋上緑化と組み合わせる方法としても紹介されています。
このほか、勾配のある屋根に瓦をふく方法や、屋根だけを木造にする方法(混構造)も、資料で紹介されています。木造の屋根は熱をためる量が小さいため、屋根から伝わる熱で室温が上がるのを抑えられる、というのが混構造の考え方です。
対策を選ぶときに確かめたいこと
沖縄県の資料は、どの方法にするかは、敷地の状況や周りの環境、予算などとの関係を見て選ぶ必要があるとしています。選ぶときは、次のことを確かめましょう。
- いまの断熱のつくり:天井側に断熱材があるかどうかで、外側の遮熱の効果の出方が変わります
- 防水層との関係:屋上緑化の防根シートや立ち上がりのように、屋上の防水を傷めない工夫が必要なものがあります
- 台風への備え:砂利のように、飛ばされない工夫が必要なものがあります
- 手入れと塗り直し:遮熱塗料は、沖縄の紫外線や台風で、こまめな手入れや塗り直しが必要です
- まぶしさ:白い仕上げは、反射した光が周りに影響しないかを考えます
- 重さ:屋上緑化では、土に軽い材料を混ぜて軽くする工夫が勧められています
塗料メーカーの日本ペイントも、一般の住宅での遮熱塗料の効果は、色や建物の断熱のつくり、窓の位置・大きさ・数・材質などによってまちまちだとしています。同じ対策でも、建物によって感じ方は変わります。
※ 屋上に上って様子を見るときは、防水層を傷つけないよう、やわらかい靴底の靴をはいてください(沖縄県の手引書の点検の目安より)。手すりのない屋上の端には近づかないでください。
屋上の暑さを相談する
最上階の暑さは、屋上のコンクリートが日差しの熱をためることが一因です。外側で日差しをはね返す「遮熱」と、天井側で熱を伝えにくくする「断熱」のちがいを知り、建物に合う方法を選ぶことが大切です。
TRUSS では、屋根や屋上の遮熱塗装・遮熱防水など、暑さをやわらげる工事をご提案しています。遮熱ブロック・屋上緑化・砂利敷き・天井側の断熱の工事もお受けしています。屋根の塗装は屋根塗装、屋上の防水は防水工事のページで紹介しています。屋根の種類ごとの手入れのちがいは「うちの屋根はどれ?」でまとめています。
屋上の状態が気になるときは、写真を送るだけで担当者が状態をお返しする写真で無料診断をご利用ください。ご相談・現地調査・お見積りは無料です。お問い合わせからどうぞ。
よくある質問
屋根や屋上の遮熱塗装・遮熱防水など、暑さをやわらげる工事をご提案しています。天井側の断熱や遮熱ブロック・屋上緑化などの工事もお受けしています。お住まいの状態に合わせてご提案しますので、まずはご相談ください。
塗料メーカーの日本ペイントによると、遮熱塗料の冬の遮熱の効果は、夏に比べて小さくなる傾向があります。冬は日差しの角度が低く、日照時間も短いうえ、寒さは主に夜に感じるためです。
建物や屋上の状態によって変わります。沖縄県の資料では、遮熱ブロックは比較的重いので台風でも飛ばされにくく、遮熱塗料は塗るだけの工程でいまの建物にも施工できる一方、こまめな手入れや塗り直しが必要とされています。屋上の防水や断熱の状態とあわせて考えましょう。