本文へスキップ
塗装・防水

塗装のにおいは大丈夫?水性塗料・VOC・シックハウスの基本と、工事中の過ごし方

塗料の選び方
窓のある白黒の壁と、窓から外へ流れる空気の曲線の矢印。壁に青い四角を1つ塗ったイラスト

外壁や屋根の塗り替えを考えるとき、「塗料のにおいは大丈夫?」「小さな子どもやペットがいるけれど、工事中も家で過ごせる?」と気になる方は多いのではないでしょうか。

この記事では、塗料のにおいのもとになるもの、水性塗料と溶剤形塗料のちがい、VOC(揮発性有機化合物)とシックハウス対策の決まりの基本を、国の資料や塗料メーカー・業界団体の説明をもとに紹介します。工事中に気をつけたいことと、においが心配なときの相談のしかたもまとめました。

塗料のにおいのもとは、乾くときに出ていく「溶媒」

日本ペイントの説明では、塗料は「顔料」「樹脂」「添加剤」「溶媒」の4つの成分でできています。顔料は色をつくり、樹脂は塗料の骨格をつくります。溶媒は、樹脂を溶かしたり薄めたりする液体で、大きく「溶剤」と「水」に分かれます。

塗料を塗ると、水や溶媒が蒸発して乾いていきます。あとには顔料・樹脂・添加剤が残り、塗膜(塗料が乾いてできる膜)になります。溶媒は、塗ったあとに空気の中へ出ていく成分です。塗装のにおいは、主にこのときに感じます。

塗料が乾いて塗膜になるまでを、上から3段で示した図。1 塗った直後は、顔料・樹脂・添加剤に溶媒がまざった液体の層。2 水や溶剤が蒸発して、空気の中へ出ていく。3 顔料・樹脂・添加剤が残って塗膜になる
塗料が乾いて塗膜になるまで

VOC(揮発性有機化合物)とは

環境省によると、VOCは、揮発しやすく、空気中で気体になる有機化合物をまとめた呼び名です。トルエン、キシレン、酢酸エチルなど、いろいろな物質が含まれます。VOCは、大気汚染のもとになる浮遊粒子状物質や光化学オキシダントの原因の一つとされ、一定の規模以上の工場などの施設は、大気汚染防止法で排出が規制されています。

関西ペイントの用語事典では、トルエンとキシレンは、無色透明で強い芳香のある有機溶剤で、塗料・接着剤・印刷インキなどに多く使われていると説明されています。

水性塗料と溶剤形塗料のにおいのちがい

関西ペイントの用語事典では、塗料をうすめる液によって、次のように分けています。

  • 水性塗料:水でうすめて使う塗料。においが少なく、安全性の高い塗料
  • 弱溶剤形塗料:塗料用シンナーでうすめて使う塗料
  • 強溶剤形塗料:ラッカーシンナーなど、トルエンやキシレンを多く含むシンナーでうすめて使う塗料

日本塗料工業会は、水性の塗料はもともとVOCの少ない塗料だとしています。溶剤形の塗料のうち、VOCの成分が30重量%以下のものには「低VOC塗料(溶剤形)」と表示する、業界の自主的な取り組みもあります。

日本ペイントは、水性塗料と溶剤形塗料には一長一短があり、乾いて塗膜になれば、性能に大きな差はないとしています。水性塗料は、塗装中や塗装後のにおいが少ない一方、乾ききる前に雨や結露にあたると、仕上がりの不良が出やすい面があります。溶剤形塗料は、つやや仕上がりの肌がよく、気温の低いときも乾きが速いといった利点があります。外壁・屋根・鉄の部分など、どこに何を塗るかによって、合う塗料は変わります。

※ 日本ペイントは、においをおさえた水性塗料でも、まったくにおわないわけではないとしています。室内を塗るときは、塗っている間から乾くまで、続けて換気するよう勧めています。

シックハウス対策の決まりと「F☆☆☆☆」の意味

関西ペイントの用語事典では、シックハウス症候群を、建材などに含まれるホルムアルデヒドなどの化学物質が室内の空気を汚すことで、住む人に起こる健康被害の総称と説明しています。

建築基準法のシックハウス対策

国土交通省によると、建築基準法のシックハウス対策は、平成15年(2003年)7月1日に施行されました。主な内容は次のとおりです。

  • 規制の対象になる化学物質は、クロルピリホスとホルムアルデヒド
  • 居室(人が過ごす部屋)の内装に使う、ホルムアルデヒドを出す建材は、部屋の種類や換気の回数に応じて、使える面積が制限される
  • 家具などからもホルムアルデヒドが出るため、居室のある建物には、機械で換気する設備を付けることが原則として義務になった
  • 建築確認などの手続きがいらないリフォームでも、建築基準法に合っている必要がある

F☆☆☆☆(エフ・フォースター)とは

日本建築仕上材工業会の説明では、F☆☆☆☆などの「Fマーク」は、建材から出るホルムアルデヒドの量に応じて等級を分けた表示です。規制の対象になる建材のうち、F☆☆☆☆は居室で使う面積に制限がなく、F☆☆☆やF☆☆は使う面積の制限を受けます。規制の対象でない材料は、Fマークがなくても、使い方の制限はありません。

国の改修工事の仕様でも、室内で使う塗料は、規格でホルムアルデヒドの放散量が決まっている場合、とくに指定がなければF☆☆☆☆とすることになっています。

室内濃度指針値と、防水材の業界の取り組み

厚生労働省は、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレンなどについて、室内の空気中の濃度の「指針値」を定めています。指針値は、人がその濃度以下の空気を一生吸い続けても、健康への有害な影響を受けないだろうという判断で決められた値です。

屋上やベランダの防水に使う材料では、日本ウレタン建材工業会が、ウレタン防水材はホルムアルデヒドを出す建材ではないとしたうえで、F☆☆☆☆を自主的に表示する制度を設けています。トルエン・キシレン・エチルベンゼン・スチレンの含有量がどれも0.1%未満の材料に「NUK-4VOC基準適合」と表示する、自主的な取り組みもあります。

※ 日本建築仕上材工業会は、化学物質過敏症の方は、ごく少ない化学物質でも影響を受ける場合があるとしています。においや体調が気になる方は、工事の前に担当者へ伝えてください。体調のことは、医師にご相談ください。

工事中に気をつけたい3つのこと

外壁や屋根の塗装、屋上やベランダの防水は、家の外の工事です。住みながら工事ができます。そのうえで、次のことを前もって確かめておくと安心です。

工事中に気をつけたい3つのことを、上から順に並べた図。1 においの出る日を聞いておく、2 窓を開けにくい日を確かめる、3 家族やペットのことを伝える
工事中に気をつけたい3つのこと
  1. においの出る日を聞いておく:塗料や防水材を塗る日と、乾くまでの時間は、材料や天気によって変わります。工事の予定を聞くときに、においが出やすい作業の日も確かめておきましょう
  2. 窓を開けにくい日を確かめる:外壁の塗装では、足場とネットで家を囲むため、工事の間は窓を開けにくい日があります。お部屋の換気のしかたも、担当者と相談しておきましょう
  3. 家族やペットのことを伝える:小さなお子さま、においに敏感な方、ペットがいるときは、最初の打ち合わせで伝えておくと、塗料の選び方や作業の進め方を一緒に考えられます

国の改修工事の仕様でも、塗装をする場所は換気に注意して、溶剤による中毒を起こさないようにすることが決められています。気になることがあれば、工事中でも遠慮なく現場の担当者に声をかけてください。

においが心配なときは、前もって相談する

塗装のにおいの主なもとは、塗料が乾くときに空気へ出ていく溶剤などです。水性塗料はにおいが少ない一方、まったくにおわないわけではありません。どこに何を塗るのか、においの出る作業がいつなのかを前もって知っておくと、工事中も落ち着いて過ごせます。

TRUSSでは、現地調査の結果をもとに、塗料や工事の内容をご提案します。においが気になることや、ご家族の事情は、ご相談のときにお知らせください。お問い合わせから完了までの進み方は工事の流れで紹介しています。塗料の種類ごとの違いは塗料グレード比較で確かめられます。ご相談・お見積りは無料です。お問い合わせからどうぞ。

水性塗料と溶剤形塗料の選び方は「水性塗料と油性(溶剤形)塗料のちがい」、屋上の防水工事の進み方は「ウレタン防水の工事はどう進む?」で紹介しています。

よくある質問

防水材を塗る作業では、においが出ることがあります。屋上やベランダの工事は、家の中に入らずにできることがほとんどです。においが出る作業の日は、前もってお知らせします。

参考にした情報

お問い合わせ・ご相談

塗装・防水のこと、住まいのこと、
事業のこと。
どんな小さなことでも、
お気軽にご相談ください。
ご相談・お見積りは無料です。

電話する無料で診断・見積もり