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住まいの工夫

家で火事を出さないためには?
住宅用火災警報器と、家族でできる備え

火災が起きやすい季節を前に、消防庁は毎年秋に、全国火災予防運動を行っています。令和7年は、11月9日から15日までです。

この記事では、ご家族に向けて、高齢の方が暮らす家で火事を出さないため、火事に早く気づいて逃げるための備えをまとめました。住宅用火災警報器の付け方と点検、消防庁の「住宅防火 いのちを守る10のポイント」、逃げ道を確保する住まいの工夫を、消防庁と政府広報オンラインの資料をもとに紹介します。

住宅火災で亡くなる方の多くは高齢の方

政府広報オンラインによると、令和5年(2023年)の住宅火災は12,112件で、亡くなった方は1,023人でした(放火自殺者などを除く)。そのうち約75%にあたる762人が、65歳以上の方です。

亡くなった理由でいちばん多いのは「逃げ遅れ」で、全体の約半分です。病気や体が不自由なために逃げ遅れたり、ぐっすり眠っていて逃げ遅れたりしています。

火事の原因になったもの(発火源)では、たばこ、ストーブ、電気器具、こんろが主なものです。電気器具では、コンセントにたまったほこりや、たこ足配線から火が出て、近くの布製品に燃え移ることがあります。

消防庁の資料(令和7年11月)でも、住宅火災の件数と亡くなった方の数は、令和3年から再び増える傾向にあるとしています。亡くなった方のうち、65歳以上の方は7割をこえています。

住宅用火災警報器を付ける・確かめる・10年で交換

住宅用火災警報器は、煙や熱を感じて、音や声で火事を知らせる機器です。すべての住宅に付けることが義務になっています。

寝室や階段に付ける必要があるのは、煙を感じる「煙式」の警報器です。ホームセンターや家電量販店などで買えます。政府広報オンラインでは、感度や音の大きさなどが基準に合格したことを示すマークの付いた製品を目印にするよう勧めています。

付ける場所は、基本は寝室と、寝室がある階の階段の上部です(1階の階段は除く)。消防庁のQ&Aでは、亡くなった方は寝ている時間帯に多いため、寝室に付けることにしたと説明しています。階段は煙が集まりやすく、2階で寝ている方にとっては、ほとんどの場合ただ1つの逃げ道になるためです。

2階建ての家の断面に、住宅用火災警報器を付ける場所を示した図。寝室の天井と、寝室がある階の階段の上部
住宅用火災警報器を付ける場所

※ 市町村の火災予防条例で、台所などにも付ける必要がある地域があります。お住まいの地域の消防本部・消防署に確かめてください。

付けたあとは、点検が大切です。政府広報オンラインでは、取扱説明書にしたがって、少なくとも年に2回、点検ボタンを押すなどして作動を確かめるよう勧めています。正しく作動しないときは交換します。

警報器の寿命は10年とされています。消防庁は、設置から10年を目安に交換するよう呼びかけています。交換するときは、1つが火事を感じると、ほかの部屋の警報器も一緒に鳴る「連動型」にするのも効果的です。消防庁は、高齢の方や、目や耳が不自由な方には、音や光で知らせる補助の警報装置を足すことも勧めています。

消防庁の分析では、警報器が付いている家は、付いていない家に比べて、亡くなった方の数と損害の額がおよそ半分、焼けた床の面積が約6割少なくなっていました。

いのちを守る10のポイント(4つの習慣・6つの対策)

消防庁は、「住宅防火 いのちを守る10のポイント」として、4つの習慣と6つの対策を呼びかけています。

まず、火事を出さないための4つの習慣です。

  1. 寝たばこは絶対にしない、させない
  2. ストーブの周りに燃えやすいものを置かない
  3. こんろを使うときは火のそばを離れない
  4. コンセントはほこりを清掃し、不必要なプラグは抜く
火事を出さないための4つの習慣を並べた図。寝たばこをしない、ストーブの周りに燃えやすいものを置かない、こんろのそばを離れない、コンセントのほこりを清掃する
火事を出さないための4つの習慣(消防庁)

次に、万一のときに被害をおさえ、いのちを守るための6つの対策です。

  • ストーブやこんろなどは、安全装置の付いた機器を使う
  • 住宅用火災警報器を定期的に点検し、10年を目安に交換する
  • 部屋を整理整頓し、寝具・衣類・カーテンは、燃えにくい「防炎品」を使う
  • 消火器などを置き、使い方を確かめておく
  • 高齢の方や体の不自由な方は、逃げる道と逃げ方をいつも確保しておく
  • 防火防災訓練に参加するなど、地域ぐるみで防火に取り組む

逃げ道をふさがない住まい

6つの対策にあるように、高齢の方が暮らす家では、逃げる道と逃げ方を、ふだんから決めておくことが大切です。寝室から玄関や外への通り道に、物を置かないようにします。部屋を整理整頓することは、火が燃え広がるのを防ぐことにもつながります。

政府広報オンラインでは、燃えにくく加工された「防炎品」を紹介しています。たばこやライターくらいの小さな火なら、ふれても簡単には火がつかず、ついても大きく燃え上がりにくいものです。パジャマ、シーツ、カーテン、じゅうたん、布団などがあり、「防炎ラベル」や「防炎製品ラベル」が目印です。住宅用の消火器は、軽くて高齢の方にも使いやすいように作られています。使用期限があるので、定期的に交換します。

国土交通省の「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」では、高齢の方が主に使う台所に火災警報器を付けること、ガスを使う場合はガス漏れ検知器も付けることが示されています。推奨レベルでは、寝室にも火災警報器を付けるとしています。調理器具などは、安全装置が付いたものを使うなど、安全に配慮したものにすることも示されています。

沖縄県の『風土に根ざした家づくり手引書』では、寝室について、直接外に出られる掃き出し窓を設けることや、非常のときに知らせられるブザーを付けることを挙げています。キッチンのこんろも、安全に配慮した、操作のしやすいものにするとしています。

秋の火災予防運動の時期に、家族で点検する

消防庁の資料では、秋の火災予防運動のねらいの1つに、高齢の方を中心に、火事で亡くなる方を減らすことを挙げています。この時期は、帰省や訪問のついでに、家族で家を点検するよい機会です。次のことを一緒に確かめてみてください。

  • 警報器の点検ボタンを押して、鳴るか
  • 警報器を付けてから、10年たっていないか
  • ストーブやこんろの周りに、燃えやすいものがないか
  • コンセントにほこりがたまっていないか、たこ足配線になっていないか
  • 寝室から外への逃げ道に、物が置かれていないか
  • 消火器の使用期限が切れていないか、使い方を家族で知っているか

政府広報オンラインは、消防署や市町村の職員などが家を訪ねて、警報器や消火器を売ることはないとしています。職員をよそおった悪質な訪問販売に注意してください。不安なときは、消費者ホットライン188に相談できます。

家の中の段差や、夜に通る廊下の手すりなど、住まいのことで気になる所があれば、かなさホームにご相談ください。介護福祉士と福祉住環境コーディネーターの資格を持つ担当が、暮らし方をうかがいながら一緒に考えます。ご相談はお問い合わせからどうぞ。家の中で転ばないための工夫は「家の中で転ばないために、今日からできることは?」で紹介しています。

よくある質問

答え:基本は、寝室と、寝室がある階の階段の上部です(1階の階段は除く)。市町村の火災予防条例で、台所などにも付ける必要がある地域があるので、お住まいの地域の消防本部に確かめてください。

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