雨の日に玄関の外ですべらないためには?
玄関から道路までの通路の見直し方
雨の日に、玄関を出たところや、駐車場までの通路で、足もとがすべりそうになったことはありませんか。ぬれたタイルや、排水の溝のふたは、すべりやすい場所です。
この記事では、雨の日に玄関の外で転ばないための工夫と、玄関から道路までの通路で介護保険の対象になる工事・ならないものを、国や沖縄県、市町村の資料をもとに紹介します。ご本人が、ご家族やケアマネジャーと家のまわりを見直すときの目安にしてください。
庭・駐車場・玄関は、転びやすい場所
消費者庁の資料(令和2年)では、65歳以上の方が自宅で転んだ場所として、浴室・脱衣所の次に「庭・駐車場」が多く、「玄関・勝手口」も多く挙がっています。転び方は「すべる」と「つまずく」が多く、駐車場の車止めにつまずいた例も紹介されています。
政府広報オンラインでも、雨の日は、道路や建物の中の床がぬれてすべりやすいので注意が必要だとしています。家のまわりでは、次のような場所に気をつけましょう。
- 駐車場の車止め、側溝、段差(つまずきやすい)
- ぬれたマンホールのふたや、排水の溝のふた(グレーチング)
- 玄関マット(政府広報では、マットの下にすべり止めを敷く工夫が紹介されています)
沖縄は雨の多い土地です。沖縄県の『風土に根ざした家づくり手引書』では、沖縄はほかの地域より降水量の多い月がほとんどだと説明しています。気象庁によると、沖縄の梅雨入りは平年で5月10日ごろ、梅雨明けは6月21日ごろです(1991〜2020年の平均)。
玄関から道路までの通路も、介護保険の対象
介護保険の住宅改修(介護保険を使った住まいの工事)は、家の中だけではありません。厚生労働省の通知では、玄関から道路までの通路も、次の工事の対象として挙げられています。

- 手すりの取付け:玄関から道路までの通路などに付ける手すり
- 段差の解消:玄関から道路までの通路などの段差や傾きをなくす工事
- 床や通路の材料の変更:通路をすべりにくい舗装材にかえる工事
沖縄市の資料(令和7年7月)では、屋外の改修も、敷地の中であれば対象になるとしています。沖縄県介護保険広域連合の手引き(令和7年4月改正)でも、通路への手すりやスロープ、コンクリート舗装への変更などが、対象になる工事として挙げられています。
一方で、沖縄市の資料では、段差の解消の対象外の例として「通路の新設・拡張」が挙げられています。新しく通路をつくる工事の扱いは、市町村に確かめましょう。
介護保険の住宅改修で対象になる工事費は、一人につき20万円までです。そのうち1割〜3割が自己負担で、残りが介護保険から支給されます。20万円をこえた分は、全額が自己負担です(厚生労働省の資料)。通路の工事は長さや広さで費用が変わるので、どこまでを介護保険で行うか、先に相談しておきましょう。
※ 介護保険の住宅改修は、工事を始める前に、市町村への申請が必要です。窓口や書類は変わることがあります。お住まいの市町村の窓口か、ケアマネジャーに確かめてください。
国土交通省の「高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン」では、外出は、家族や地域からの孤立を防ぎ、生きがいにもつながると説明しています。そのうえで、玄関や勝手口から道路まで安心して移動できるように、段差の解消や手すり・照明を付けることを勧めています。
すべりにくい舗装・ゆるやかな段・手すり
通路の工事には、大きく分けて3つあります。

すべりにくい舗装にする
沖縄市の資料のQ&Aでは、通路の材料として、コンクリート・アスファルト・タイル・レンガの舗装などが挙げられています。舗装の下の路盤の整備も、付帯する工事として対象です。広域連合の手引きでは、すべりを防ぐために舗装の表面に溝を付ける加工や、土の通路を固める加工も、対象になるとしています。
段差をゆるやかにする
広域連合の手引きでは、玄関から道路までの通路の階段の段差をゆるやかにする工事は、「段差の解消」として対象になるとしています。那覇市の手引き(令和4年12月改定)でも、階段や通路の傾きをゆるやかにする工事や、屋外にスロープを付ける工事が、対象になる例です。スロープに付ける転落防止の柵も、付帯する工事として対象になります。
スロープの傾きについては、沖縄市の資料で1/12以下とし、1/8をこえる工事は対象にならないとしています。くわしくは「スロープを付けるには?」をご覧ください。
手すりを付ける
那覇市の手引きでは、屋内や屋外の敷地の中で、ご本人がふだん通る動線の上に付ける手すりは、対象になる例です。沖縄県の手引書でも、玄関までの通路には、ゆるやかなスロープや手すりを設けて、通りやすくすることが勧められています。屋外の手すりの選び方は「玄関の外や外階段の手すりは?」で紹介しています。
沖縄の雨と通路(屋根・明かり)
沖縄県の手引書では、玄関までの通路と駐車場について、次のような工夫を紹介しています。
- 駐車場に屋根を付けると、車いすの乗り換えや、傘をさすときに便利
- 通路は、外灯と足元灯で、ほどよい明るさにする
- すべりにくい床材にする
国土交通省の指針でも、屋外の照明は、安全のために十分な明るさを確保することが示されています。夕方の雨の日は、足もとが見えにくくなります。
ただし、屋根や照明を付ける工事は、介護保険の住宅改修の6つの種類に入っていません。介護保険を使える工事と、自費で考える工事を分けて、計画を立てましょう。
雨の日の出入りを見てもらって、相談する
通路の工事は、ご本人が実際にどこを通っているかで決まります。相談の前に、次のことをまとめておくと話が進みやすくなります。
- 玄関を出てから、道路や車まで、どこを通っているか
- 雨の日にすべりそうになる場所(タイル・溝のふた・車止めなど)
- 段の数と、手すりがほしい場所
- 夕方や夜に出かけることがあるか
- 家と土地の持ち主(ご本人でないときは、持ち主の承諾書が必要です)
かなさホームでは、介護福祉士と福祉住環境コーディネーターの資格を持つ担当が、玄関から道路までを一緒に歩きながら、手すり・段差・舗装のどこから直すとよいかを考えます。工事の前には、私たちがご近所へごあいさつに伺います。ご相談・現地調査・お見積りは無料です。対応エリアは沖縄本島です(離島はご相談ください)。介護保険でできる工事はできる工事で、支給される額の目安は支給額チェックで確かめられます。ご相談はお問い合わせからどうぞ。
よくある質問
答え:玄関から道路までの通路の階段の段差をゆるやかにする工事は、「段差の解消」として対象になります(沖縄県介護保険広域連合の手引き)。那覇市の手引きでも、階段や通路の傾きをゆるやかにする工事が、対象になる例に挙がっています。
答え:すべりにくい舗装材にかえる工事は、床や通路の材料の変更として対象になります。沖縄市の資料では、コンクリート・アスファルト・タイル・レンガの舗装などが例に挙がっていて、路盤の整備も付帯する工事として対象です。
答え:屋根を付ける工事は、介護保険の住宅改修の6つの種類に入っていないため、対象になりません。沖縄県の手引書では、駐車場の屋根は、車いすの乗り換えや傘をさすときに便利だと紹介されています。
参考にした情報
- 10月10日は「転倒予防の日」、高齢者の転倒事故に注意しましょう!(令和2年10月8日)(新しいタブで開きます)
- たった一度の転倒で寝たきりになることも。転倒事故の起こりやすい箇所は?(新しいタブで開きます)
- 過去の梅雨入りと梅雨明け(沖縄)(新しいタブで開きます)
- 『風土に根ざした家づくり手引書』(令和4年度版)第1章(新しいタブで開きます)
- 『風土に根ざした家づくり手引書』(令和4年度版)第2章(新しいタブで開きます)
- 介護保険における住宅改修(新しいタブで開きます)
- 厚生労働大臣が定める居宅介護住宅改修費等の支給に係る住宅改修の種類(平成11年厚生省告示第95号)(新しいタブで開きます)
- 介護保険の給付対象となる福祉用具及び住宅改修の取扱いについて(老企第34号)(新しいタブで開きます)
- 高齢者が居住する住宅の設計に係る指針(平成13年国土交通省告示第1301号)(新しいタブで開きます)
- 高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン(新しいタブで開きます)
- 介護保険住宅改修費支給申請の手引き(令和4年12月改定)(新しいタブで開きます)
- 介護保険の住宅改修費支給申請について(令和7年7月)(新しいタブで開きます)
- 介護保険 住宅改修の手引き(令和7年4月改正)(新しいタブで開きます)