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介護保険

対象の工事と対象外の工事を一緒に頼めるの?
見積もりの分け方

「手すりを付けるときに、壁紙も張り替えたい」「トイレを広げて、洋式の便器にしたい」。住宅改修(介護保険を使った住まいの工事)の相談では、介護保険の対象になる工事と、対象にならない工事を、一緒に頼みたいという相談もあります。

この記事では、ケアマネジャーの方に向けて、対象の工事と対象外の工事を一緒に行うときの考え方を、厚生労働省の通知と市町村の資料をもとにまとめました。見積書・内訳書での分け方、増築や広げる工事の扱い、20万円をこえる部分と領収書の書き方を紹介します。

対象外の工事も、一緒に頼むことはできる

厚生労働省の通知(老企第42号)には、介護保険の対象になる住宅改修と一緒に、対象外の工事も行われた場合の決まりがあります。その場合は、対象の部分を抜き出したり、按分(あんぶん:割合で分けること)したりして、介護保険の対象になる費用を出すとしています。

つまり、一緒に工事をすること自体はできます。大切なのは、どこまでが介護保険の対象で、どこからが対象外なのかを、書類ではっきり分けることです。

同じ通知では、市町村が、介護保険の対象外の工事や、20万円をこえる工事に、介護保険とは別に助成を行うことも可能としています。お住まいの市町村に、そのような制度があるかは、窓口で確かめましょう。

見積書・内訳書で、対象の部分を分ける

工事の前の申請に出す見積書は、介護保険の対象になる費用が分かるものです。国の通知では、工事の内容・材料費・施工費・諸経費などを区分して書くこととし、見積書の様式の例には「介護保険対象部分」の欄があります。

1本の帯で、工事費の全体を、介護保険の対象の部分と対象外の部分に分けた図。対象の部分は緑、対象外の部分は灰色
見積書と内訳書で、対象と対象外を分ける

市町村の資料にも、分け方についての決まりがあります。

  • 那覇市の手引き(令和4年12月改定):工事の箇所・材料費・施工費・介護保険の対象分を区分して書く
  • 宜野湾市の書類のチェックリスト:対象外の工事が含まれるときは、按分して、介護保険の対象の部分をはっきり示す。「一式」とまとめた書き方はできない
  • 沖縄県介護保険広域連合の手引き(令和7年4月改正):対象の工事と対象外の工事を分けて書く内訳書の様式があり、平面図には、対象外の工事も含めて予定している工事をすべて書く

那覇市の手引きでは、既製品を使うときはカタログの写しを用意し、カタログの価格より高い見積もりは承認できないとしています。沖縄市の資料では、諸経費は原則として工事費の10%以内とし、運搬費・交通費・設計料・申請の手数料などを含むとしています。

工事のあとの支給の申請では、実際に行った工事の内訳書を出します。国の通知では、内訳書で、介護保険の対象の費用がどう計算されたかが分かるように、算出の方法を示すこととしています。

増築や広げる工事は、手すりや便器の部分だけ

家を新しく建てる工事は、住宅改修として認められません。増築も、新しく部屋をつくる工事などは対象になりません(国の通知)。

ただし、同じ通知では、増築にあわせて行う工事の一部は、対象になり得るとしています。

  • 廊下を広げるのにあわせて、手すりを付ける → 手すりの取付けの費用だけ
  • トイレを広げるのにあわせて、和式から洋式の便器に取り替える → 便器の取替えの費用だけ
トイレを広げて洋式の便器にする例の図。広げた部分は灰色で対象外、洋式の便器は緑で対象
広げる工事は対象外、便器の取替えは対象

市町村の資料には、もう少しくわしい例もあります。

  • 沖縄市の資料(令和7年7月)のQ&A:トイレの入口(間口)がせまく、車いすで出入りしにくいため、入口を広げる工事は、ご本人の体の状況にもとづく理由があれば対象になる
  • 同じQ&A:和式の便器を取り壊して、別の場所に洋式の便器を付けるときは、和式のトイレの撤去・処分と洋式の便器を付ける費用だけが対象で、壁や扉の新設、排水の工事は対象外
  • 同じ資料の段差の解消の対象外の例:通路の新設・拡張

入口を広げる工事と、部屋そのものを広げる工事では、扱いが違います。迷うときは、工事の前に市町村に確かめましょう。

設計や積算(費用の計算)の費用も、分け方に注意がいります。国の通知では、住宅改修のために行った設計・積算の費用は住宅改修の費用として扱いますが、住宅改修をともなわない設計・積算だけの費用は対象にならないとしています。

20万円をこえる部分と、支払いのしかた

介護保険の住宅改修で対象になる工事費は、一人につき20万円までです。自己負担の割合に応じて、介護保険から支給されるのは18万円・16万円・14万円までで、20万円をこえた分は全額が自己負担です(沖縄市の資料)。

那覇市の手引きには、30万円の工事をした場合の領収書の書き方の例があります。20万円が上限なので、こえた10万円は介護保険の対象外の費用になります。1割負担の方が受領委任払い(自己負担の分だけを払う方法)を使うときは、介護保険の対象の1割の2万円と、対象外の10万円を合わせた12万円を、事業者に払います。

領収書の書き方は、国の通知と市町村の資料で、次のようになっています。

  • 国の通知:領収書には対象外の工事の費用を含めてよい。その場合は、内訳書で対象の費用の算出方法を示す
  • 那覇市の手引き:対象外の費用があるときは、ただし書きに「介護保険対象の1割(または2割・3割)」と「介護保険対象外費用」の金額を書く
  • 沖縄市の資料:介護保険の部分と、限度額をこえた分や介護保険外の自費の分を、はっきり分けて書く

沖縄県介護保険広域連合の手引きでは、受領委任払いを使うときも、対象外の費用は、利用者さまが全額を事業者に払うとしています。

※ 介護保険の住宅改修は、工事を始める前に、市町村への申請が必要です。窓口や書類は変わることがあります。お住まいの市町村の窓口か、ケアマネジャーに確かめてください。

自費になる分を、先に確かめる

対象外の工事を一緒に頼むときは、工事の前に、利用者さまやご家族と、次のことを確かめておくと安心です。

  • 見積書で、対象の工事と対象外の工事が分かれているか
  • 対象外の工事と、20万円をこえる分に、いくらかかるか
  • 以前に住宅改修を使ったことがあるか(沖縄市の資料では、履歴は市の介護保険課の給付係で確かめられるとしています)
  • 一般より高い材料を使う工事ではないか(宜野湾市のチェックリストでは、保険の対象外になる可能性を利用者に説明しているかを確かめています)

見積書の見方は「住宅改修の見積書はどこを見る?」で、対象にならない工事の例は「住宅改修で対象にならない工事とは?」でも紹介しています。

かなさホームでは、介護保険の対象になる部分と、ならない部分を分けてお見積りし、工事の前の申請に使う書類をケアマネジャーさまにお渡しします。ご相談・現地調査・お見積りは無料です。対応エリアは沖縄本島です(離島はご相談ください)。くわしくは「ケアマネジャーの方へ」をご覧ください。

よくある質問

答え:はい。支給の上限を超える部分や、対象外の工事も、あわせてご相談いただけます。保険の対象になる部分と、ならない部分を分けてお見積りします。

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