外壁塗装の見積書には、塗料の代金だけでなく「足場」の項目が出てきます。家のまわりに組んで、工事が終われば片付けてしまうものなので、なぜ必要なのか、なぜその金額なのかが分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、足場の役割と、法律で決められている足場の安全のきまり、足場の費用が決まるしくみ、足場がある間に一緒にできることを、厚生労働省や国土交通省の資料をもとに紹介します。見積書の足場の金額が気になっている方に読んでいただきたい内容です。
足場の3つの役割
外壁塗装の足場には、主に次の3つの役割があります。どれも、工事の安全と仕上がりに関わる大切なものです。

1. 高い所で安全に作業する
厚生労働省の資料によると、建設工事の現場では、墜落をはじめとする災害で、1年に約400人が亡くなっています。労働安全衛生規則では、高さが2メートル以上の場所で、落ちる危険のある作業をするときは、足場を組むなどの方法で、作業をする床(作業床)を設けなければならないと決められています。作業床を設けることが難しいときは、防網を張り、墜落制止用器具を使わせるなどして、落ちる危険を防ぐことになっています。作業中に物が落ちて下の人に危険がおよぶおそれがあるときは、幅木やメッシュシート、防網などを設けることも決められています。外壁塗装は、2階の壁や軒の下など、高い所での作業が続く工事です。
2. 塗料の飛び散りを防ぐ
塗装の工事では、足場のまわりをネットやシートで囲います。塗料などが、まわりに飛び散るのを防ぐためです。TRUSS の外壁塗装でも、最初の工程で足場を組み、飛散防止のネットで囲います。工事を始める前には、近隣の方へのご挨拶もします。
3. 外壁を近くで確かめる
足場があると、高い所の外壁にも近づいて作業ができます。ひび割れの補修やシーリングの打ち替えなどの下地処理は、外壁の傷みを近くで確かめながら進める作業です。TRUSS では、塗り終わったあと、仕上がりをお客様と一緒に確かめてから足場を解体します。
法律で決められた足場の安全のきまり
国の改修工事の仕様では、足場は、労働安全衛生法や建築基準法などにもとづいて、適切な材料と構造で組むことになっています。労働安全衛生規則の主なきまりは、次のとおりです。
- 作業床:幅は40センチメートル以上、床材のすき間は3センチメートル以下にします
- 落ちないための設備:落ちる危険がある所には、手すりや中桟(手すりの下の横棒)などを設けます
- 悪天候のとき:強風や大雨などで危険なときは、足場の組み立てや解体の作業を中止します
- 点検:その日の作業の前に、点検する人を決めて、手すりなどの落ちないための設備が外れていないかを点検します。強風や大雨のあと、足場を組んだり一部を変えたりしたあとは、床材や部材のゆるみなどを点検し、結果と点検した人の名前を記録します
厚生労働省は、足場からの墜落を防ぐため、労働安全衛生規則を改正し、令和5年10月1日から順に施行しています。点検する人を決めることや、その名前を記録することもこのとき加わりました。令和6年4月1日からは、幅が1メートル以上ある場所では、原則として「本足場」(柱を内側と外側の2列に立てる足場)を使うことになっています。
国の改修工事の仕様では、さらに厚生労働省の「手すり先行工法等に関するガイドライン」にもとづき、足場を組む・外す・変える作業のときも、使っているときも、常にすべての作業床に、手すり・中桟・幅木の役目をするものを付けることにしています。
台風の多い沖縄では、強風や大雨のあとの点検は、とくに大切なきまりです。
足場の費用はどう決まる?
足場は、工事の最初に組み、塗装が終わって仕上がりを確かめるまで、工事の間ずっと使います。足場の費用は、主に足場を組む範囲の広さで変わります。TRUSS の料金の目安では、足場の料金を、外壁の塗る面積と階数をもとに計算しています。家が大きく、塗る面積が広いほど、また階数が多く高い建物ほど、足場の費用は上がります。同じページの外壁塗装の総額の目安には、足場のほか、高圧洗浄・下地処理・付帯部・シーリング・諸経費・消費税が含まれています。足場は、塗装の費用の中の項目の一つです。

建物のまわりの広さや形によっても、組める足場は変わります。たとえば、先ほどの本足場のきまりでは、障害物があって柱を2列に立てられない場所などは例外とされています。正式なお見積りは、現地調査で建物のまわりを見てからになります。
厚生労働省の資料では、労働災害を防ぐ対策の経費は、工事に通常必要な原価に含まれるものとされています。足場の金額だけを比べるのではなく、どんな足場を、どこまで組むのかもあわせて確かめましょう。
足場がある間に一緒にできること
足場は、組むたびに費用がかかります。沖縄県の手引書では、屋上の防水層の補修で足場を組む必要があるときは、外壁の補修と同時に行うことを検討するよう勧めています。コンクリートの軒の裏やベランダの下側、屋根の補修についても、外壁の補修と同時に行うことの検討が挙げられています。外壁の塗り替えと、足場の要る別の工事を、それぞれ別の時期に行うと、足場をそのたびに組むことになります。
TRUSS の外壁塗装では、外壁を塗るだけでなく、目地や窓まわりのシーリングの打ち替え、雨どいや手すりなどの付帯部の塗装も、同じ足場を使って行います。2階の窓まわりや軒の裏、雨どいなど、ふだん近くで見られない所の傷みも、足場があるうちに確かめられます。屋上のふちの点検のしかたは「屋上のふち(パラペット)と笠木の点検」で紹介しています。
国の改修工事の仕様では、足場を建物に固定する金具(壁つなぎ)は、外したあとの補修が少ない位置に付け、外したあとは元の状態に戻すことになっています。
足場を含めた見積もりを確かめる
住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)は、見積書の数量が「一式」となっている場合は、改めて内容を確かめ、できる限り数量と単価を示してもらうよう勧めています。現場を見ずに出した見積もりでは、数量が多すぎたり、足りずに後から追加の費用を求められたりするおそれもあるとしています。足場の項目も、面積などの数量と単価が書かれているか、飛散防止のネットが含まれているかを見ておきましょう。分からないことは、契約の前に質問しておくと安心です。住まいるダイヤルでは、契約の前のリフォームの見積書の内容をチェックするサービスも行っています。
費用の目安は、かんたん見積もりで計算できます。足場を含めた費用の内訳は料金の目安でご覧いただけます。突然の訪問で、その場での契約をせかされたときの注意は「訪問販売で塗装・屋根工事をすすめられたら?」にまとめています。外壁塗装の工程は外壁塗装のページで紹介しています。
よくある質問
労働安全衛生規則では、高さが2メートル以上の場所で、落ちる危険のある作業をするときは、足場を組むなどして作業床を設けることになっています。どこまで足場が必要かは、建物の高さや形、作業の内容で変わるため、現地調査のあとにご説明します。
足場とネットで家を囲むため、工事の間は窓を開けにくい日があります。洗濯物を外に干せない日や、作業の予定は、前もってお知らせします。
労働安全衛生規則では、強風や大雨などの悪天候で危険なときは、足場の組み立てや解体の作業を中止し、悪天候のあとは、作業を始める前に足場を点検することが決められています。
はい、現地調査とお見積りは無料です。お見積りのあとにお断りいただいても、費用はかかりません。