家のまわりのブロック塀は、目かくしや風よけとして、長く暮らしを支えています。塀も外壁と同じように、一年中雨や風を受けています。塗り替えてきれいにする前に、塀そのものに問題がないかを確かめておくと安心です。
この記事では、国土交通省のチェックポイントと沖縄県の案内をもとに、自分でできるブロック塀の点検の方法と、専門家に見てもらうこと、塗装や補修でできること・できないことを紹介します。
ブロック塀の点検が呼びかけられているわけ
2018年6月の大阪府北部の地震で塀の被害があったことを受けて、国土交通省は、すでにある塀の点検のチェックポイントをまとめました。沖縄県も、塀の持ち主や管理する人に、このチェックポイントを参考にした安全点検をお願いしています。
沖縄県の調査マニュアルによると、コンクリートブロック1個の重さは約14キログラムで、長さ1メートル・高さ1メートルの塀は約250キログラムになります。重いものだからこそ、ふだんからの点検が大切です。県は、専門家でなくても、個人や自治会の単位で塀を調べられるように、このマニュアルを作っています。
沖縄のブロック塀の成り立ち
県のパンフレットによると、沖縄では、コンクリートブロックはまず米軍基地で使われ、基地の外にも広まりました。当時の塀は、ブロックを互い違いに積む「千鳥目地」で積まれていました。千鳥目地は、ブロックの穴に鉄筋を通しながら積む必要があり、縦の鉄筋を入れにくい積み方です。
県が県内16か所で行った調査では、鉄筋を確かめられたのは2か所でした。古い塀は、見た目だけでは中の鉄筋のようすがわかりません。まず外から点検し、気になる所があれば専門家に見てもらう、という順番で進めます。
外から見て確かめる5つのチェックポイント
国土交通省のチェックポイントでは、まず外から見て、次の1〜5を確かめます。ひとつでも当てはまらないものがあるときや、わからないことがあるときは、専門家に相談します。

- 高さ:地面から2.2メートル以下か
- 厚さ:10センチメートル以上か(高さが2メートルを超え2.2メートル以下の塀は15センチメートル以上)
- 控え壁:高さが1.2メートルを超える塀では、長さ3.4メートル以下ごとに、塀の高さの5分の1以上突き出した控え壁(塀を横から支える短い壁)があるか
- 基礎:コンクリートの基礎があるか
- 傾き・ひび割れ:塀が傾いていないか、ひび割れはないか
これらの数字は、建築基準法施行令の第62条の8(補強コンクリートブロック造の塀)の決まりにもとづいています。鉄筋の入っていないブロック塀や、石・れんがを積んだ塀(組積造)は、高さ1.2メートル以下など、別の決まり(第61条)で確かめます。
※ 高さは、地面の低いほうから測ります。敷地と道路で高さがちがうときは、低いほうの地面から、塀のいちばん高い所までが「塀の高さ」です(沖縄県の調査マニュアル)。
自分で測るときのコツ
沖縄県の調査マニュアルでは、巻き尺で高さと厚さを、下げ振り(糸の先におもりを付けた道具)かスマートフォンのアプリで傾きを測る方法を紹介しています。1メートルの高さの差で1センチメートル以上ずれていれば「傾きあり」とします。
ぐらつきを確かめるときは、周りに人がいないことを確かめ、片手で押す程度の力で、必ず2人以上で行うよう呼びかけています。力いっぱい押したり、手前に引いたりするのは危険です。
同じマニュアルでは、透かしブロック(花ブロック)が使われているか、あとからブロックを積み足した所(増積み)がないかも、確かめる項目にしています。マニュアルは、透かしブロックを連続して使うのは好ましくないとし、積み足した所は、下のブロックと上のブロックが鉄筋で一体になっていないことが考えられるので注意が必要だとしています。
専門家に見てもらうこと(鉄筋と基礎)
国のチェックポイントの6番目は、塀の中の鉄筋と、基礎の根入れ(地面に埋まっている深さ)です。直径9ミリメートル以上の鉄筋が、縦横とも80センチメートル以下の間隔で入っているか、高さ1.2メートルを超える塀では、基礎の根入れが30センチメートル以上あるかを確かめます。
外からは見えないため、沖縄県は、この「ブロックの中の診断」は、建築士や専門工事業者などの専門家に相談するよう案内しています。県の案内では、誰でもできる調査の方法を沖縄県建築設計サポートセンターが公開していて、鉄筋の有無を調べる探査機の貸し出しについても、同じセンターに問い合わせるよう案内しています。
点検で危ない所が見つかったときは、近くを通る人への注意の表示や、補修・撤去などが必要になると、県はしています。県のパンフレットでは、塀の裏側を鉄骨で支える補強の例や、ブロックのような重い壁の代わりに植栽を組み合わせる方法も紹介されています。補強するときは、専門家に相談して、安全を確かめてから進めます。
塗装や補修でできること・できないこと
ブロック塀も、手入れで長持ちさせることができます。全国建築コンクリートブロック工業会は、ブロック塀は手入れ(メンテナンス)で寿命が延び、手入れは一般に薬品などを塗る方法で行われていると説明しています。同じ工業会は、手入れをしないと、中の鉄筋は15年程度でさびはじめるとしています。沖縄県の調査マニュアルでも、塀は一年中雨風にさらされているので、ひびが入ったら補修するなど、つくったあとの維持管理が大切だとしています。マニュアルは、コンクリートブロックの耐用年数は約30年といわれているとし、汚れがひどく損傷もあるときは、改修を検討するよう勧めています。

手入れでできること
- 表面の汚れや白い粉を落とす:塀の表面が白く粉をふいたようになるのは、白華(エフロレッセンス)という現象です。塀の上や目地から入った水にセメントの成分が溶け出し、水が蒸発したあとに白く残ったものです。工業会は、塀そのものに悪い影響はないものの見た目がよくないので、ワイヤーブラシなどで落とし、白華を防ぐ材料を塗ることを勧めています
- ひび割れを補修する:県のパンフレットは、塀の上に笠木(かさぎ)を設けたり、ひび割れを補修したりすることも大事だとしています
- 表面に塗って守る:工業会のいう、薬品などを塗る手入れです
塗装ではできないこと
塀の高さや厚さ、控え壁、中の鉄筋、基礎は、塗装では変わりません。傾きやぐらつきがあるとき、チェックポイントに合わない所があるときは、塗り替えの前に専門家に相談して、対策を考えます。ひび割れの直し方は「外壁のひび割れ(クラック)は直すべき?」でも紹介しています。
塀のまわりのことを相談する
ブロック塀の点検は、まず外から見て、高さ・厚さ・控え壁・基礎・傾きやひびを確かめることから始めます。気になる所があれば、建築士などの専門家に塀の中まで見てもらい、そのうえで補修や塗装を考えると安心です。TRUSS では、塀の塗装のほか、ブロック塀の補強や撤去もお受けしています。
塀の汚れや、家の外壁の傷みが気になるときは、写真を送るだけで担当者が状態をお返しする写真で無料診断をご利用ください。外構の工事の例は施工事例で、外壁の塗り替えの内容は外壁塗装のページでご覧いただけます。ご相談・現地調査・お見積りは無料です。お問い合わせからどうぞ。
よくある質問
ひび割れや傾きは、国のチェックポイントで確かめる項目の一つです。ひびの補修や塗装は表面を守る手入れで、塀の中の鉄筋や基礎の状態は変わりません。まずは専門家に塀の状態を見てもらい、そのうえで補修や塗装を考えてください。
沖縄県は、ブロックの中の診断は、建築士や専門工事業者などの専門家に相談するよう案内しています。鉄筋の有無を調べる探査機の貸し出しについては、沖縄県建築設計サポートセンターに問い合わせるよう案内しています。
はい、塀の塗装もお受けしています。傾きやぐらつきがあるなど、塗装だけでは足りないときは、ブロック塀の補強や撤去もご相談いただけます。塀の状態によってできることが変わるので、まずは写真で無料診断やお問い合わせからご相談ください。現地調査とお見積りは無料です。