アパートや小さなマンションの外階段と共用廊下は、入居者の方が毎日通る場所です。外に面した通路は雨や日差しを受けるうえに、人の足でこすられるため、床の防水や仕上げが少しずつ傷んでいきます。
この記事では、アパート・小さなマンションのオーナーの方と管理会社の方に向けて、外階段・共用廊下の床で見ておきたいサイン、床の防水の方法、修繕の周期の考え方、入居者が使いながら工事を進めるときの注意を、国土交通省や沖縄県の資料をもとに紹介します。
外階段・共用廊下の床が傷む理由
国土交通省の『長期修繕計画作成ガイドライン』(令和6年6月改定)では、修繕工事の項目のひとつに「開放廊下・階段等床防水」を挙げています。外に面した廊下(開放廊下)と階段の床が対象で、床の側溝(雨水を流す溝)と幅木(床と壁の境目の立ち上がり部分)も含みます。屋上だけでなく、外階段や共用廊下の床にも防水があり、手入れが必要だということです。
同じガイドラインの記載例では、床の塗膜防水(液体を塗って仕上げた防水)のひび割れの原因として、日射、風雨、摩耗(すり減ること)を挙げています。外階段や共用廊下は、屋上と違って毎日たくさんの人が歩くため、日差しや雨に加えて、すり減りの影響も受けます。
床の防水やコンクリートが傷むと、ひび割れなどから雨水が入りやすくなります。国土交通省の賃貸住宅のガイドブックでは、塗装や防水処理の劣化による漏水・雨漏りや、手すりのさび・腐食を、直したほうがよい状態の例に挙げています。
外階段・共用廊下で見ておきたい5つのサイン
晴れた日と、雨が上がったあとに、通路を歩きながら次の5つを見てみましょう。

- 床のひび割れ:床の面や、段の角、壁との境目にひびがないかを見ます
- 床の仕上げのはがれ・ふくれ:防水の層や床のシートが、はがれたり浮いたりしていないかを見ます
- 水たまり・側溝のつまり:雨のあと、床や側溝に水が残っていないかを見ます。側溝や排水口に、落ち葉や砂、ごみがつまっていると、水が流れにくくなります
- 下の階の天井(上げ裏)のしみ:廊下や階段の裏側を下の階から見上げて、しみ、はがれ、コンクリートの欠け(爆裂)がないかを見ます
- 鉄の手すりのさび:鉄の手すりや鉄骨の階段に、さびや腐食、手すりのぐらつきがないかを見ます
沖縄県の『風土に根ざした家づくり手引書』(令和4年度版)では、ベランダのコンクリートの床について、ひび割れ・破損・床の水たまりを、台風が過ぎたあとに目で見て確かめることを勧めています。コンクリートの軒の裏やベランダの下側も、ひび割れ、はがれ、爆裂、漏水の跡などを、台風のあとに見る場所に挙げています。外階段や共用廊下も、雨と風を受ける場所として、同じように見ておくと安心です。
国土交通省のガイドブックは、手すりのさびや腐食は見た目を損なうだけでなく、壊れたり落ちたりする危険が増すとしています。点検の結果は記録し、写真に残しておくことも勧めています。前回と比べられるので、修繕の時期を考えるときに役立ちます。
※ ひびの深さや、天井のしみの原因は、見た目だけでは分かりにくいことがあります。手すりの外側に身を乗り出したり、脚立で高い所に上ったりせず、気になるときは専門の業者に点検を頼んでください。
床の防水の方法と、修繕の周期の目安
塗る防水(ウレタン塗膜防水)
長期修繕計画作成ガイドラインの記載例では、開放廊下・階段の床の修繕の方法を「高圧水洗の上、下地調整、ウレタン塗膜防水」としています。ウレタン防水は、液体のウレタン防水材を塗り重ねて、防水の層をつくる工法です。日本ウレタン建材工業会によると、継ぎ目のない防水層ができ、形が複雑な場所でも施工しやすいことが特長です。
床にシートを張る仕上げ
床にシートを張って仕上げている建物もあります。国土交通省のガイドブックに載っている賃貸住宅の長期修繕計画の例には、廊下・階段・バルコニーの「防水・シート張替え」という項目があります。いまの床が塗る防水か、シートか、傷み具合はどうかによって、直し方は変わります。

周期は「目安」として考える
国の資料にある周期は、次のとおりです。
| 項目 | 周期の目安 |
|---|---|
| 廊下・階段の床の防水 | 12〜15年(国のガイドラインの記載例) |
| 廊下・階段・バルコニーの鉄の手すり、屋外の鉄骨階段の塗り替え | 5〜7年(同) |
| ベランダの鉄の部分の塗り替え | 3〜5年ごと(沖縄県の手引書) |
ガイドラインは分譲マンション向けの資料ですが、国土交通省の賃貸住宅のガイドブックでも、この周期をもとにした表が紹介されています。
ガイドラインは、修繕の周期は建物の仕様や立地の条件に合わせて決め、見直すときは建物の調査・診断の結果をもとにするとしています。修繕の時期が早すぎると必要のない工事になり、遅すぎると傷みが進んで修繕の費用が増える、とも説明しています。年数だけで決めず、いまの状態を見て考えることが大切です。
入居者が使いながら工事を進めるために
外階段や共用廊下は、工事のあいだも入居者の方が通る場所です。国土交通省のガイドブックでは、工事を始める前の早い段階で入居者に工事を知らせ、近所にも適切な時期に知らせることが必要とされています。工事の期間や時間帯は、管理会社も把握しておき、入居者からの問い合わせに答えられるようにしておきます。
前もって決めて、お知らせに入れておきたいことは次のとおりです。
- 通れない場所と時間:ウレタン防水材は、塗ったあと化学反応で少しずつ固まります。塗った場所を通れない時間ができるので、どこを・いつ通れなくなるかを決めておきます
- においと音:日本ウレタン建材工業会は、ウレタン防水材は無臭ではないため、工事中は窓を閉めるなどして、部屋の中ににおいが入らないようにすることを勧めています。材料を混ぜる場所では、機械の音も出ます
- 天気で日程が動くこと:国の改修工事の仕様では、雨が予想される日や、下地が十分に乾いていないとき、風が強いときや湿気が高いときは、防水の施工をしないことになっています
共用部の修繕を相談する
外階段・共用廊下の床は、雨と日差しと毎日の通行で傷みます。ひび割れ・はがれ・水たまり・天井のしみ・手すりのさびを、台風のあとなどに見ておき、写真で記録しておくと、修繕の時期を考えやすくなります。
TRUSSでは、アパート・マンション・店舗などの外壁塗装、防水、共用部の修繕、鉄部の塗装をお受けしています。共用廊下・階段の床のシートの張り替えもお受けしています。法人・管理会社・物件オーナーの方へのページでは、現地調査から見積・工程管理・写真での報告・完工報告までの進め方と、入居者・テナントへのご案内について紹介しています。現地調査とお見積りは無料です。ご依頼は法人向けのご相談・現地調査のご依頼からどうぞ。
まずは状態を知りたいときは、写真を送るだけで担当者が状態をお返しする写真で無料診断もご利用ください。防水工事の内容は防水工事のページで、これまでの工事は防水工事の施工事例でご覧いただけます。
よくある質問
はい、住みながらの工事ができます。工事の前から完了まで、入居者・テナントの皆さまへのお知らせを当社で用意し、配布・掲示します。文面は事前にご担当者さまに確認いただきます。通れない場所と時間も、前もってお知らせします。
はい、鉄部の塗装もお受けしています。沖縄県の手引書では、ベランダの鉄の部分は、さびや腐食、手すりのぐらつきなどを確かめ、3〜5年ごとに塗り替えることが目安とされています。外壁より早めの手入れが必要です。床の防水と時期を合わせるかどうかも、建物の状態を見てご提案します。
はい。管理会社・物件オーナー・法人のご担当者さまからのご依頼に、現地調査・見積・工程管理・入居者への案内・写真での報告・完工報告まで一括で対応します。相見積もりの1社としてでも、お気軽にご相談ください。