住宅改修の「理由書」とは?
だれが書くか、何を書くか
住宅改修(介護保険を使った住まいの工事)を申請するときは、「住宅改修が必要な理由書」という書類を出します。この記事は、理由書を書くケアマネジャーの方と、これから住宅改修を考えるご本人やご家族に向けたものです。
理由書をだれが書けるのか、国の様式にはどんなことを書くのかを、厚生労働省の通知と、沖縄の市町村の手引きをもとにまとめました。
理由書は、工事の前の申請に出す書類
介護保険の住宅改修は、工事を始める前に、市町村に申請する決まりです。厚生労働省の資料では、工事の前に次の4つを出します。
- 支給申請書
- 工事費の見積書
- 住宅改修が必要な理由書
- 工事のあとの完成予定が分かるもの(日付入りの写真や、家の間取り図など)
理由書は、なぜその工事が必要なのかを、市町村に伝える書類です。市町村は、出された書類をもとに、その工事が介護保険の対象として適当かを、工事の前に確かめます。
国の通知では、理由書の様式(書く形)の標準が示されています。ただ、実際に使う様式は市町村ごとです。たとえば沖縄市の案内(令和7年7月)では、原則として沖縄市介護保険課で使っている様式を使う、としています。
※ 住宅改修は、工事の前の申請が必要です。理由書などの書類を出して、市町村から連絡があってから工事を始めます。
理由書を書くことができる人
厚生労働省の資料では、理由書を作る人として、次の方が挙げられています。
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)
- 地域包括支援センターの担当の職員
- 作業療法士
- 福祉住環境コーディネーター2級以上(検定試験)の資格を持つ方
- そのほか、これに準ずる資格などを持つ方

国の通知では、基本は、ケアプラン(介護サービスの計画)を作っているケアマネジャーや、地域包括支援センターの担当の職員が書くとしています。ほかの人が書くときは、ケアプランを作っている人と十分に連絡を取り合うことが必要です。
市町村の手引きにも、くわしい決まりがあります。
- 那覇市の手引き(令和4年12月改定):担当のケアマネジャーのほか、担当以外のケアマネジャーや、福祉住環境コーディネーター2級以上の方なども書けます。ケアマネジャーがいないときは、理由書を書ける資格を持つ住宅改修の事業者に、直接相談する流れも書かれています
- 沖縄市の案内(令和7年7月):ケアプランを作る見込みがないときは、福祉住環境コーディネーター2級以上・作業療法士・理学療法士・看護師などが書けます。ケアマネジャー以外が書くときは、資格者証のコピーを付けます
- 沖縄県介護保険広域連合の手引き(令和7年4月改正):ケアマネジャーがほかの専門職に作成を頼んだときは、ケアマネジャーが内容を確かめ、責任をもって署名・捺印します。要支援の方の理由書を、地域包括支援センターの担当の職員が作れることも、Q&Aに載っています
国の通知では、市町村は、理由書を作った場合の経費を助成する事業を行えるとしています。那覇市の手引き(令和4年12月改定)には、ケアマネジャーのいない方の理由書を作った人が、手数料を市に請求できるしくみが載っています。
理由書に書くこと
国の通知では、理由書には、次の4つを考え合わせて、必要な工事の種類と、それを選んだ理由を書くとしています。

日常生活の動線とは、ふだん家の中を動く道すじのことです。たとえば、寝室からトイレまでの道や、玄関から道路までの道です。
国が示す標準の様式は2枚です。1枚目には、ご本人の身体の状況や介護の状況、住宅改修で暮らしをどう変えたいか、福祉用具を工事の前とあとでどう使うかを書きます。
2枚目には、排せつ・入浴・外出などの場面ごとに、次の4つを書きます。
- 改善しようとしている生活の動作(トイレまでの移動、浴槽の出入り、上がりかまちの上り下りなど)
- その動作で、具体的に困っている状況
- 改修の目的と方針(できなかったことをできるようにする、転倒などを防ぐ、不安を軽くする、介護する方の負担を軽くする、など)
- 改修する項目と場所
ケアプランがある方は、ケアプランと同じ内容を、理由書にくり返し書かなくてもよいとされています。ケアプランに書いてあることで確かめられるのが条件です。
市町村が気をつけていること
宜野湾市・沖縄市・那覇市などの資料には、理由書について、次のような注意があります。
- 理由書を書いた人とケアマネジャーが違うときは、説明が食い違わないよう連絡を取り合う(宜野湾市の注意事項 令和7年3月)
- 退院してすぐの住宅改修は、主治医・理学療法士・作業療法士などから情報を集め、家屋調査の評価なども参考にする(同)
- 理由書の作成日や、現地を確かめた日の書きもれがないようにする(宜野湾市の書類のチェックリスト)
- 身体の状況や、いまの動作の様子、このままだとどんなおそれがあるかを、具体的に書く(同)
- 家具の置き方を変える、置くだけの踏み台やスロープを使うなど、ほかの方法も考えたかを確かめる(同)
- 20万円の上限を説明し、工事を段階に分けることも考える(同)
- 理由書・見積書・平面図・写真で、改修する場所の番号をそろえる(沖縄市の案内 令和7年7月)
- 書き直しがあるときは、原則として作り直す(同)
- ケアプランがある方は、ケアプランの写しも出す(那覇市の手引き 令和4年12月改定・沖縄県介護保険広域連合の手引き 令和7年4月改正)
※ 様式や書き方の決まりは、市町村によって違い、変わることがあります。お住まいの市町村の窓口か、ケアマネジャーに確かめてください。
工事の事業者と分担して進める
理由書を書くには、家の中の段差の高さや、手すりを付ける壁の様子など、住まいのくわしい情報が要ります。沖縄県介護保険広域連合の手引きでも、理由書を書く人と工事をする人が、改修の内容を同じように理解することが大切だとしています。
理由書とそろえる、平面図と写真
工事の前の申請では、理由書と一緒に、家の平面図や写真も出します。手引きには、次のような決まりがあります。
- 平面図は、工事をする場所だけでなく、ご本人が暮らす範囲の全体を書き、段差の高さも書く(那覇市の手引き・沖縄県介護保険広域連合の手引き)
- いまある手すりや踏み台も、平面図に書く(沖縄県介護保険広域連合の手引き。宜野湾市の注意事項では、借りている手すりも書く)
- 写真は撮った日が分かるようにし、段差にはメジャーなどを当てて、高さが分かるように撮る(那覇市の手引き・沖縄市の案内)
かなさホームでは、理由書の作成に必要な住まいの状況や工事の内容を、現地調査のあとにまとめてお伝えします。申請に使う見積書・図面・工事前の写真も用意します。介護福祉士と福祉住環境コーディネーターの資格を持つ担当が、ご本人の動き方をうかがいながら、ケアマネジャーさまと一緒に考えます。
ケアマネジャーの方は「ケアマネジャーの方へ」もご覧ください。ご相談はお問い合わせから受け付けています。これからケアマネジャーを探す方は「ケアマネジャーはどうやって探す?」をご覧ください。
よくある質問
答え:ケアマネジャーや地域包括支援センターの担当の方が理由書を作るのは、ケアプランを作る仕事の一つです。国の通知では、利用者から別に費用をもらうことはできないとしています。
答え:理由書はケアマネジャーさまに作成いただくものですが、作成に必要な住まいの状況や工事の内容は、現地調査のあとにまとめてお伝えします。
答え:ケアプランに書いてあることで確かめられる内容は、理由書に書くのを省いてよいとされています。出す書類は市町村によって違うので、窓口に確かめてください。
答え:扱いは市町村によって違います。たとえば沖縄市の案内(令和7年7月)では、住宅改修だけを使うときは、理由書を書ける資格を持つ人がいる事業者でも対応できるとしています。まずはお住まいの市町村の窓口にご相談ください。