倉庫や工場、店舗、ガレージの屋根でよく見かける、金属の板を山形に並べた屋根を「折板屋根」といいます。金属の屋根は、沖縄の潮風や強い日差し、雨を受けて、さびが出たり、継ぎ目から雨漏りしたりすることがあります。
この記事では、折板屋根のつくりと、さびやすい場所、塗装でできること、事業所で工事をするときに前もって相談しておきたいことを、金属屋根や防食の業界団体、国と沖縄県の資料をもとに紹介します。倉庫・工場・店舗などをお持ちの事業者・オーナーの方に読んでいただきたい内容です。
折板屋根とは?金属の板を山形に成形した屋根
日本金属屋根協会の資料では、鋼板製の折板屋根は、コイル状に巻いた鋼板をローラーに通して、山形(波形)に成形してつくります。山形にすることで、風や積雪などの力に対して強さを保てます。使う鋼板の厚さは0.6〜1.2ミリメートルで、とても軽い屋根です。屋根の長さに合わせた長い板をつくれるため、水が流れる向きに継ぎ目がないことも特長とされています。
折板屋根には、板のつなぎ方によって「重ね形」「はぜ締め形」「かん合形」などがあります。重ね形は、となりの板と山の部分を重ね合わせて、ボルトで留めるつくりです。
金属の板は「めっき」と「塗装」で守られている
同じ協会によると、金属の屋根の材料は、もとになる金属の板と、表面のめっき、塗料の組み合わせでできています。亜鉛のめっきは、亜鉛が先に溶けることで、鉄の腐食を防ぐはたらきをします。折板屋根では、アルミニウムと亜鉛を合わせためっきの鋼板が主流です。海岸地域や工業地域など、建てる場所に合わせて、材料の組み合わせを選ぶ必要があるとされています。
見ておきたい場所と、沖縄の潮風
沖縄総合事務局と沖縄県が監修した橋の資料では、沖縄は1年を通して気温と湿度が高く、台風が多く、海の塩の粒がたくさん飛んでくるため、鉄が腐食しやすい地域だと説明されています。鉄の腐食は塩分があると進み、湿度と気温が高いほど活発になります。台風が通った月は、鉄の腐食が大きくなったという測定の結果も載っています。沖縄県の手引書でも、鉄骨の建物は、外気にふれる金属に腐食への対策が必要とされています。
日本溶融亜鉛鍍金協会の資料では、亜鉛のめっきが1年に減る量は、海岸地帯で1平方メートルあたり19.6グラムと、田園地帯の4.4グラムの4倍以上です。海に近いほど、腐食が大きくなる傾向があるとされています。

- ボルトのまわり:沖縄の橋の資料では、県内の橋の塗装の傷みの特徴の一つとして、ボルトでつないだ部分が早くさびることを挙げています。TRUSSの屋根塗装のページでも、継ぎ目やボルトまわりからの雨漏りを、よくある症状に挙げています
- 板の重なり(継ぎ目):となりの板と重ねた部分です。同じ橋の資料では、塩分が付いたり、塩分を含んだ水がたまったりしやすいつくりを避けることが勧められています
このほか、塗装の色あせや、表面が白っぽく粉をふいたようになっていないかも見ておきたいところです。沖縄県の手引書では、台風や強い風のあとに、建物に付いた塩分を洗い流すことが勧められています。
※ 折板屋根の上は高く、足もとも不安定です。点検のために屋根に上るのはやめ、地上や建物の中から見える範囲で確かめてください。天井にしみや水の跡がないかを見るのも、手がかりになります。
塗装でできること:洗浄・さび落とし・さび止め・上塗り
塗装の前の準備は、仕上がりと長持ちを左右します。日本ペイントは、汚れや傷んだ塗膜を残したまま塗ると、塗料がしっかり付かず、はがれの原因になると説明しています。

- 高圧洗浄:沖縄の橋の資料では、沖縄は全域が海の塩の粒の影響を受けるため、塗る前に付いた塩分を高圧の水で洗い流すことを原則にしています。工具でこするより、水で洗うほうが塩分をよく落とせたという結果も載っています
- ケレン(サビ落とし):日本ペイントは、鉄の部分の塗装では、塗る前のさび落としがもっとも大事な工程だとしています。国の改修工事の仕様では、ディスクサンダーなどの工具で、傷んだ塗膜やさびを取り除き、しっかり付いている塗膜は残す方法が示されています
- 下塗り(サビ止め):さびを防ぐ塗料を塗ります。日本溶融亜鉛鍍金協会によると、亜鉛は反応しやすい金属なので、鉄と同じやり方で塗ると、塗膜がはがれることがあり、合う塗料を選ぶ必要があります
- 上塗り:仕上げの塗料を塗ります。TRUSSの屋根塗装では、遮熱・防水の機能をもつ塗料で仕上げます。使う塗料や工程は、屋根の材質と傷みの状態によって変わります
日本溶融亜鉛鍍金協会は、亜鉛めっきの上に合う塗装をすると、めっきだけのときと塗膜だけのときを足した長さの、およそ2倍もつとされていると説明しています。めっきと塗装の両方で鉄を守るためにも、さびが広がる前の塗り替えが大切です。
ただし、塗装で直せるのは、塗膜の傷みや表面のさびまでです。板に穴があいていたり、下地まで傷んでいたりするときは、塗装だけでは直りません。日本金属屋根協会は、いまの屋根の上に新しい屋根をかぶせる「カバー工法」を、金属屋根などを改修できる方法として紹介しています。
事業所の工事で、前もって相談したいこと
屋根の工事は天気に左右されます。国の改修工事の仕様では、気温が5℃以下、湿度が85%以上、結露などで塗料が乾きにくいときや、雨のおそれ・強い風のあるときは、外の塗装を原則として行いません。日本ペイントは、夏の屋根は素地の温度が高いと塗料が速く乾き、仕上がりに影響するとしています。日程には余裕をもっておくと安心です。
倉庫や工場、店舗では、屋根の下で仕事が続いていることがほとんどです。次のようなことを、見積もりの段階で伝えておくと、作業の進め方を一緒に考えられます。
- 工事中も使う場所と、作業してもよい時間帯
- 屋根の下に置いている商品や機械(ほこりや水から守る必要があるか)
- 車や人の通り道、作業の車を止められる場所
- 音が出る日や、作業で通れなくなる場所を知らせる相手(従業員・テナント・お客様)
- 社内への説明や稟議に使う資料
法人・事業者の方の相談先
折板屋根では、ボルトのまわりや板の重なりなど、さびや雨漏りにつながりやすい所を見ておきましょう。沖縄の潮風は、鉄の腐食を進めます。塗装では、洗浄とさび落としでしっかり下地をととのえ、さび止めと上塗りで守ります。
TRUSSでは、倉庫・工場・店舗・事業所などの屋根塗装や修繕に対応しています。さびが進んだ折板屋根では、カバー工法や、ボルトまわりの部品の交換もお受けしています。法人・管理会社・物件オーナーの方へのページでは、現地調査・写真付きの報告書・工事の項目ごとの見積書・工程表・入居者やテナントへの案内・施工中の写真報告・完工報告書まで、窓口ひとつで進める流れを紹介しています。屋根は、ドローンで調べることもできます。
現地調査とお見積りは無料です。法人向けのお問い合わせからご相談ください。屋根塗装の内容は屋根塗装のページ、これまでの工事は屋根の施工事例でご覧いただけます。屋根塗装の下準備のくわしい流れは「屋根塗装の工程」で紹介しています。
よくある質問
雨漏りの原因が、屋根材の割れや下地の傷みにある場合は、塗装だけでは直りません。原因を調べたうえで、補修と塗装を組み合わせてご提案します。
日本ペイントは、トタン板などの金属の板やスレートの板でふかれた、昔ながらの工場や倉庫の屋根は、遮熱の効果を実感しやすいとしています。ただし、断熱のつくりや窓などによって効果は変わるため、感じ方は建物によって違います。冬は、夏より効果が小さくなる傾向があるとされています。
作業の時間帯や順番、工事中に使える場所は、建物の使い方に合わせてご相談ください。工程表で、いつ・どこを作業するかをお知らせし、天気などで予定が変わるときもすぐにご連絡します。
参考にした情報
- 快適空間創造へのいざない -折板屋根にできること-(令和2年改訂版)(新しいタブで開きます)
- 屋根と外壁のかたち(新しいタブで開きます)
- 屋根と外壁の素材(新しいタブで開きます)
- 沖縄地区鋼橋防食マニュアル(平成31年3月)(新しいタブで開きます)
- 『風土に根ざした家づくり手引書』(令和4年度版)第2章・附録(新しいタブで開きます)
- 溶融亜鉛めっきの耐食性(新しいタブで開きます)
- 亜鉛めっき上の塗装について(新しいタブで開きます)
- 塗装前になぜ外壁や屋根を高圧洗浄したりするのですか?(新しいタブで開きます)
- さび止めペイントは、塗る前にさび落としが必要ですか?(新しいタブで開きます)
- ピカピカと光輝く亜鉛めっき鋼面には塗装できないと聞いたが本当ですか?(新しいタブで開きます)
- 冬場の寒いときや、夏場の暑いときに外壁や屋根を塗装しても問題ないですか?(新しいタブで開きます)
- 遮熱塗料で屋根を塗り替えると、どのくらい涼しくなりますか?冬は寒くならないですか?(新しいタブで開きます)
- 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 7章 塗装改修工事(新しいタブで開きます)