突然家に来た業者から「屋根がずれていますよ」「外壁がかなり傷んでいます」と言われると、心配になって、その場で点検や工事を頼みたくなるかもしれません。けれども、国民生活センターには、こうした訪問から始まる屋根工事のトラブルの相談が多く寄せられています。
この記事では、点検商法でよく聞く勧誘の言葉と、その場で決めないためのコツ、訪問販売のクーリング・オフのしくみ、困ったときの相談先を、消費者庁や国民生活センターなどの資料をもとにまとめました。ご自身はもちろん、離れて暮らす親の家が心配なご家族にも読んでいただきたい内容です。
点検商法でよく聞く勧誘の言葉
国民生活センターは、「近所で行う工事の挨拶に来た」などと言って突然訪問し、「屋根瓦がずれているので点検してあげる」と点検したあと、「このままだと瓦が飛んで近所に迷惑がかかる」などと不安をあおって工事の契約をさせる手口を「点検商法」と呼び、注意を呼びかけています。
2023年10月に公表された国民生活センターの資料では、屋根工事の点検商法の相談は、2022年度に2,885件と、2018年度の923件の約3倍に増えていました。契約した人の8割以上が60歳以上です。同じ資料では、トラブルの多い勧誘の言葉を、次のように紹介しています。
- 訪問のきっかけ:「近くで工事をしている者です」「お宅の瓦がずれているのが見えましたよ」「無料で点検してあげます」「近所をドローンで撮影していたら、屋根が傷んでいるのが見えました」
- 不安をあおる:「このままだと台風が来たら雨漏りしますよ」「すぐに直さなければ大変なことに」
- 負担が軽いと思わせる:「この場で契約するなら特別に安くしますよ」「保険金を使って修理すればいい」「保険申請の手続きもしてあげます」
- 次々にすすめる:屋根の工事を契約したあとに「外壁も傷んでいて工事が必要だ」
屋根は、住んでいる人からは見えにくい場所です。国民生活センターは、業者が見せる写真や動画が、あらかじめ用意されたものの場合もあると説明しています。また、年数がたって傷んだもの(経年劣化)は、自然災害による損害ではないため、保険金の支払いの対象になりません。うその理由で保険金を請求すると、保険金の返還を求められたり、詐欺罪に問われたりするおそれもあります。
同じ資料では、台風や地震などのあとをねらって修理を持ちかける業者が多いことも指摘されています。台風がよく近づく沖縄では、とくに気をつけておきたい点です。
その場で決めないための3つのコツ

1. 突然来た業者に点検させない
国民生活センターは、突然訪問してきた業者には、たとえ無料と言われても、安易に点検を頼まないよう呼びかけています。点検をさせると、勧誘の話に乗せられて断りにくくなるためです。屋根や屋上に上らせることもしないでください。
消費者庁の特定商取引法ガイドによると、訪問販売の事業者は、勧誘の前に、会社の名前、勧誘が目的であること、売ろうとしている商品やサービスの種類を告げなければなりません。契約するつもりがないと伝えたあとに、そのまま勧誘を続けたり、改めて勧誘したりすることも禁止されています。断るときは、はっきり伝えましょう。
2. その場で契約しない
「今ならお安くします」とせかされても、元の値段を知らなければ、高いか安いかはわかりません。住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)は、事業者の言うことが本当かどうか、冷静に見きわめる時間が必要だとしています。会社の名前と連絡先、見積書などの書面を受け取り、その日のうちには決めないようにしましょう。
3. 家族やほかの会社に相談する
少しでも不安を感じたら、家族や知人、消費生活センターに相談します。工事が必要かもしれないと思ったときも、1社だけで決めずに、ほかの会社にも見てもらい、見積もりを比べてから決めましょう。見積書に「一式」などわかりにくい項目があれば、くわしい明細を求めます。
訪問販売のクーリング・オフのしくみ
訪問販売で契約したときは、申し込みか契約の書面を受け取った日を含めて8日間、クーリング・オフ(契約の解除)ができます。決められた期間のうちなら、無条件で契約をやめられる制度です。住まいるダイヤルの説明では、たとえば11月10日に契約の書面を受け取ったときは、11月17日までに通知を出せば、契約を解除できます。

- 通知のしかた:書面(はがきでもよい)か、電子メールなどの電磁的記録で通知します。はがきは両面をコピーし、特定記録郵便や簡易書留など、出した日の記録が残る方法で送ります。電子メールは、送ったメールを保存しておきます
- 期間の考え方:8日間のうちに通知を出せば、業者に届くのが8日を過ぎてからでもかまいません
- 工事が始まっていても:消費者庁の特定商取引法ガイドによると、工事がすでに行われていても、その代金を払う必要はありません。建物などの状態が変わっている場合は、無料で元に戻してもらえます。違約金を払う必要もなく、払った頭金などはすみやかに返してもらえます
※ 書面の内容に不備があるときや、業者が「クーリング・オフはできない」とうそを言ったり、おどしたりしてクーリング・オフをさせなかったときは、8日を過ぎてもクーリング・オフできる場合があります。
困ったときの相談先(188・住まいるダイヤル)
- 消費者ホットライン「188(いやや!)」:近くの市町村や県の消費生活センターなどを案内する、全国共通の電話番号です
- 住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター):国土交通大臣が指定した住宅の専門の相談窓口です。契約の前なら、リフォームの見積書の内容をチェックするサービスもあります
国民生活センターによると、消費生活センターへの相談は、家族やホームヘルパー、地域包括支援センターの職員などからでもできます。離れて暮らす親の家に見慣れない業者が出入りしていないか、困った様子がないかを、ふだんから気にかけておきましょう。
自分のペースで点検・見積もりを頼む
訪問販売がすべて悪いわけではありません。けれども、家の工事は金額が大きく、内容もわかりにくいものです。工事を頼むかどうかは、自分で選んだ会社に、自分のペースで相談して決めましょう。
外壁や屋根の状態が気になるときは、当てはまるサインを選ぶと塗り替え時期の目安がわかる劣化セルフ診断や、写真を送るだけで担当者が状態をお返しする写真で無料診断から始められます。屋根の塗装がどんな工程で進むのかは「屋根塗装の工程」で紹介しています。
TRUSSでは、ご相談・現地調査・お見積りは無料です。お問い合わせからどうぞ。
よくある質問
訪問販売で、書面を受け取った日を含めて8日以内であれば、工事が始まっていてもクーリング・オフできます。消費者庁の特定商取引法ガイドによると、工事の代金を払う必要はなく、建物などの状態が変わっている場合は、無料で元に戻してもらえます。まずは消費者ホットライン「188」に相談してください。
業者がクーリング・オフについてうそを言ったり、おどしたりしてクーリング・オフができなかった場合や、書面の内容に不備がある場合は、8日を過ぎてもクーリング・オフできることがあります。契約の大切なことについて事実と違うことを言われて契約した場合などは、契約を取り消せることもあります。あきらめずに「188」や住まいるダイヤルに相談してください。
場合によります。消費者庁の通達では、自分から「家で契約をしたいので来てほしい」とはっきり頼んだ場合は、クーリング・オフの決まりが当てはまらないとされています。一方で、見積もりだけを頼んで来てもらった業者と、その場で契約した場合は当てはまると考えられています。迷うときは「188」に相談してください。
はい、現地調査とお見積りは無料です。お見積りのあとにお断りいただいても、費用はかかりません。